これも開放感の「あ」による他動表現ですが、「あ」の開放感は上昇感も表します。語尾の濁音は持続感を表現します。空間的な上昇のみではなく、社会的なそれや気分的なそれも表現します。それが完成感、それゆえの終了感、を表現することもあります→「仕上げ」。印象を表面に表すことも表現します→「証拠を挙げ」。料理で材料を熱した油に入れて調理することも「あげ(揚げ)」と言いますが、これは「あ」の全感・開放感が(材料の)情況の全的変動・完成感を表現することや、水分が飛ばされた材料が油の表面に浮く(あがる)ことによるもの。自動表現は語尾がA音化し活用語尾が情況を表現するR音の「あがり(上がり)」になります。「あき(開き)」(自動)「あけ(開け)」(他動)のような関係の「あぎ(上ぎ)」という動詞はありません。太古の昔にはあったのかも知れませんが、資料にはありません。