「あからしまかぜ(あからしま風)」。「あからしま」は「あからはしま(あから端間)」。「あから」は「あからさま」のそれ。その端(はし)のま間(ま)。つまり、ほんの少しの間。あっという間。「あ」と驚くような一瞬であること(→『音語源』、あるいはここに既にある前の投稿、の「あからさま」の項。「あからさま」は後世の「あっという間」のような表現であることが原意です)。つまり「あからさま」と「あからしま」はさほど意味は変わりません。「あからしま」の方が突然性・一瞬性の表現が強い。「あからしまかぜ」はそうした風。突然の風。突風。これは『日本書紀』にある語です。これを知っていても、たぶん、『日本書紀』のその部分を読む場合にしか役に立ちません。神武東征の部分にあります。