内容
ジョージ・オーウェルが1949年に上梓した、
この『1984』は、所謂、共産主義的全体主義の最終的
帰結を描いたディストーピア小説である。
この世界は、
完全な階級社会であり、内務局、外務局、プロレという
3つの階級からなる。
内務局は指導者階級、外務局は指導者の手足、
プロレは労働者階級である。
内務局員と外務局員は、
「テレスクリーン」と呼ばれる、思考監視装置によって
24時間監視されている。
政府にとって不都合と判断された者は速やかに
「無存在化」されてしまう。
「無存在化」とは、単に抹殺するのではなく、
出生の記録、仕事の記録など
その人が存在したことそのものを抹消し、
最初からいなかったことにすることである。
主人公ウィンストンは、こうした生活の異常さに
懊悩するとともに、
なぜか他人がこの異常さに気が付かない
ことに困惑する。
この世界では、過去の歴史が自由自在に編集され、
指導者「ビッグブラザー」の発言は常に100%正当化される。
あらゆる予測は結果がでた段階で、直ちに修正されるからだ。
読後の感想
現在を支配するものは、過去を支配する。
過去を支配するものは、未来を支配する。
2+2が5と感じられる世界、認識をいじるために
どうすればいいのかという具体的な方法が述べられている
恐怖の書。
ソ連が崩壊した今では、共産主義的全体主義
の脅威を1949年ほどには感じられないが、
実際にこうした、全体主義は別に共産主義に限らない。
認識とはなにか?を問いを投げかける良書。
ただし、退廃的で吐き気を催すような箇所もある。
とくに拷問シーンが。