5カ月ぶり経常黒字2月
財務省が8日発表した2月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支は6127億円の黒字だった。経常黒字は5カ月ぶり。輸出改善で貿易収支の赤字幅が縮小し、海外投資から得られる配当などの所得収支が増えたため。平成25年4月~26年2月までの経常収支も6736億円の黒字となり、市場関係者の間では「25年度は経常収支の黒字が確保できる」(SMBC日興証券)との見通しが強まった。 経常収支は1月の1兆5890億円の赤字から大幅に改善した。ただ、2月単月の黒字額としては、比較可能な昭和60年以降で最少となっており、改善にはなお時間がかかりそうだ。 2月の経常収支の内訳は、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が5334億円の赤字だったが、1月(2兆3454億円の赤字)に比べ大きく改善した。自動車を中心とする輸出が前年同月比15・7%増の5兆9411億円と伸びた。輸入は火力発電用の液化天然ガス(LNG)や電子部品が増え、14・1%増の6兆4745億円だった。 所得収支は3・6%増の1兆4593億円の黒字となり、貿易収支の赤字を補った。貨物輸送や旅行に伴うサービス収支は1934億円の赤字だった。 麻生太郎財務相は8日の会見で「モノを売って得た金額より、配当や金利などで得た金額の方がはるかに大きくなっている」と日本の収支構造の変化を指摘した。
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