「心の準備できてんの?」
まだまだ続く海都との休日回。
ぼんやりと幸せだった頃です。今振り返ると泣きたくなるほど平和で貴重だった…。
海都くんとの他愛ない雑談回です。
朝ーーー
海都の腕の中で目覚める。
晶「…おはよ、海都? 雨の音がする…(起き上がって)シャワー、浴びてくるね。」
海都「ん、おはよ晶。俺も昨日はシャワー浴びてないから、浴びに行きたいな。一緒に浴びないか? 雨…本当だな、ここまで音がするってことは結構強いのかもな。とりあえず、シャワー行くか。」
晶「…お湯ためてるから、先に身体洗っちゃおう? 海都の背中、流してあげる。」
海都「そうしようか。ふっ、こうやって晶に洗ってもらうとすごく気持ちいいんだ。」
晶「そうだ。…ねえ、起きてメッセをチェックしてたら、元主治医の先生から連絡来てて。わりと久しぶりなんだよね。今度会いたいんだけど…いい?」
朔大魔王です(笑)
海都「主治医?…それはどういう関係性での再会なんだ? 医者と患者? それとも友人? 先生が女性なら何も言わないが、男性だとやっぱり気になるだろ。」
晶「今は友達付き合いしてる感じ、めっちゃくちゃ面白い人でね。男性だけどちゃんとお相手はいるし、妙な雰囲気にはならないからそこは安心して。笑える話ができる貴重な人だから話したいの。」
海都「…詳しく聞いたか覚えてないんだが、晶はなにか病気を患っていたのか? その先生といつ出会ったのか教えてほしいな。ま、晶は俺を裏切らないと思ってるから、その辺の背景を教えてもらえれば俺も納得できると思うし。」
海都…ごめん。
いや、朔先生とは何でもないけど。
晶「それ、聞きたいの?」
海都「ああ、晶の事はなんでも聞いておきたいからな。」
晶「…海都には言わないつもりでいたんだけど。先月、生理が来なかったから検査を受けに行った、と言えば解るよね? あの海でした夜、私たち避妊してなかったし。結果はもちろん出来てなかったけど…」
海都「なるほど…教えてくれてありがとな。そうか、晶の身体に負担がかからなかったようでよかったけど。」
海都「…もうその人には会うな。そういう所に行くときは女性の先生を今度から探してくれ、心配もあるし…」
晶「…相手はお医者様だよ?」
晶「病院に向かう途中の私が貧血で倒れたところを助けてくれたし、不安定だった私の精神をケアしてくれた、医者として。信頼できる先生なのに、男性だという理由だけで会ってはいけないの? 再考の余地はない?」
海都「俺は晶の口から他の男の話を聞くだけでも耐えられないからな。」
海都「もちろん晶を救ってくれたことに感謝はあれど、やっぱり二人で会うとかになると話は変わってくるからな。」
晶「誰かと会うのに反対する時は理由を説明するって言ってたけど…海都が嫌だからが理由なの?」
晶「前回のあの弁護士についての理由は納得がいった。確かに、不用心に酒を奢られた私が悪い。でも朔先生は違う。海都に話せず悩んでた私の相談に乗ってくれた。」
海都「晶は俺と付き合ってるじゃん。」
海都「他の男と会いたいって言われて俺が嫌だと思う理由に対して納得出来ないって事か? 別に話なら、会ってする必要も無いと思うしな。」
晶「…わかった。海都が嫌っていうなら、そこを押してまでとは私も思わないよ。久々に反対されて、相手も怪しい人でもないのが意外だったから、ちょっと驚いただけ。…うん、話なら会わなくてもできるよ。気にさせてごめん。」
怪しい人でなくもない(笑)
私の身体で生け花しちゃうとか言う人だし…。
海都「それともう1つだけ言わせてくれ。いくら医者だとしても診察後1ヶ月で患者と距離を縮めすぎるような男は正直信用出来ないからな。晶が小さい頃からお世話になっている…とか言うならまだ話も分かるが普通に考えてあり得ないだろ。」
海都、鋭い。
晶「海都、でも人と人との縁ってそういう所もあるじゃない。知り合ってからの長さとかじゃなくて、会って数時間だとしても気が合いそうとか。好き…とかも。私と海都だってそうだったし。」
海都「晶の言いたい事も分かる。でも、どうやって出会ったかによってそれは変わると思うけどな。」
海都「例えばその医者がプライベートで晶と出会ったのと、医者という立場でプライベートまで距離を縮めてくるのは全く意味が変わってくるし。」
プライベートで出会ったなら尚更ダメと言うくせに…。
晶「そもそもは倒れた私を助けてくれた恩人だと思ってる。海都を恩人だと思ったのと同じように。」
晶「その後ぽつぽつと、元気がない私に声をかけてくれて。先生は距離を縮めようなんて考えなかったと思うよ。いい先生だなって私が思っただけ。」
海都「これに関してはどちらも間違ってるって訳じゃないし、このまま意見をぶつけても平行線だろう。」
海都「だから彼氏としてって立場で答えさせて貰った。ありがとな、聞き入れてくれて。それじゃ、シャワーも浴び終わったし、上がるか。ほら、晶のタオル。」
晶「うん。海都もちゃんと私の考えを真っ向から受け止めてくれて、ありがとう(キス)…ねえ、今日はこのあとどうする? もう夕方近いけど…私はまだ海都と一緒にいていいの? 明日月曜だし帰る?」
海都「俺はまだ一緒にいたいし、泊まって朝一緒に出ればいいんじゃないか?(着替えながら)晶がそれでもよければだけど。」
晶「ううん、夜には帰るよ。早めにご飯食べて…海都ランニングいく? 雨も上がっているし。そうだ、そろそろ1on1の決着つけるんでもいいけど…?」
海都「お、そうだな。そろそろ決着つけないとなって俺も思ってたし、ランニングで公園まで行くか。晶は心の準備出来てんの? 俺に負かされる準備の方な?」
晶「海都こそ準備できてんの?」
海都「俺が負ける訳無いって思ってるから、負けそうになったら準備し始めるかもな。そんな未来こさせないけど。」
晶「勝つからには、私に愛してるって10回言わなきゃいけないんだからね? 早口言葉みたいなのはノーカウントだから。昨日みたいな感じで言ってよね。…ところで海都、夕食前に走るの?」
海都「分かってるって。ん?…いや、夕食の後の話だ。でも、運動するならそんなにガッツリ食べられないな。晶は何か食べたいものあるか?」
晶「んー、海都の炒飯。でも確かに運動前には重いかな。普通に野菜炒めでもなんでもいいけど、時間や手間がかからないやつで。サラダとスー プはまた私やろっか?…ていうか海都がメインを作ってくれるっていう理解で良かった?」
海都「炒飯、気に入ってもらえて嬉しいな。じゃあキムチ炒飯でも作ろうかな。晶にサラダとかはお願いするよ。じゃあさっそく取り掛かろう。」
晶「海都、1on1は時間とか点数とか厳密なルールは特に決めないでやろうよ。やってるうちにどっちが勝つか自然とわかるし。まあざっくりと10点くらい取った方が勝ちで。」
海都「分かった。まぁたしかに何となくどっちの方が優先かは分かるだろうしな。よし、じゃあそれでやろう。楽しみだ。…よし、こっちは出来そうだよ。」
晶「こっちも。(欠伸して)失礼。寝たはずなのにまだ眠くて。海都はいつも眠り浅いのに、よくバテないね? さ、スープもできたよ〜。そっちももうすぐなら、もう用意するけど?」
海都「晶の作ったサラダもスープも凄く美味しそうだ。俺の方も出来たよ。寝ても眠い時俺にも あるよ。もう慣れているのかもしれないな。 テーブルに持っていくよ…よし、食べようか。」
晶「頂きます!…うん、キムチ炒飯もいいねー。ねえ、海都って動物好き? 私の友達が最近、猫飼い始めたんだよね。野良の子猫拾って。うちの実家には犬も猫もいたから、私も飼いたいんだけど、ペット禁止なのよね…」
海都「普通に動物は好きだけど、俺は特に犬派だな。たしかに動物飼える物件って少ないよな。飼うなら晶はどっち飼いたいんだ?」
晶「どっちも! 犬はあの忠誠心にキュンとくるし、猫はツンデレのデレた時が可愛いし。犬 ならシェパードかドーベルマンみたいな大型犬がいいなあ。キャンプに連れて行ったら、一人キャンプでも心強そうでしょ。」
海都「たしかに犬の方が懐いてくれるもんな。大型犬か、たしかに心強い。ドーベルマンにも怖気づかない晶も素敵だよ。猫ならどんな種類がいいんだ?」
晶「アビシニアン飼ってたから、やっぱりアビシニアンかなぁ。ソマリやロシアンブルーとかもいいけど、基本的に猫は犬ほど種類によって見た目の変化が大きくないから、どの子も可愛いかな。海都はどうなの?」
海都「アビシニアンって聞いたことがない種類だな。性格的にはどんな猫なんだ?」
晶「エジプト発祥の猫ですごいスリム。…なはずなんだけど、うちの子は去勢したあと太った。性格そんなに違うのかなぁ? めちゃ甘えん坊だったよ。ごちそうさま、美味しかった。」
海都「あはは、それはそれでなんだか愛おしい猫だな。ふふ、他の猫種の猫飼ってみたら結構違い 分かるかもしれないよ。
晶「にゃーんて鳴かない子で、名前呼ぶと、ん?て返事するんだよ。可愛いでしょ。18歳まで長生きした子だった。」
海都「それほんとか? ん?って返事する猫がこの世にいたなんて…面白くて可愛いな。18歳まで生きたとか、長生きしてくれて 飼い主孝行な猫だ。ふふ。じゃあ洗い物だけ済ませておくよ。」
晶「もちろん手伝うよ、海都。もしくは、前に海都が私にしたみたいに、くっつき虫してようかな?(背中に抱きついて)ふふ、服ごしでも背筋すごい。かっこいいね、海都。」
海都「(洗い物しながら)晶にカッコいいって言ってもらえるなら、身体鍛えてるかいあるな。なんだか照れるけど。」
晶「私、海都にちゃんと伝えてる? 彼氏として好きなのは勿論だけど、すごくカッコいい男だって思ってる。顔や身体なんて言わずもがな、性格がカッコいいよ。芯が通ってて、強いし、ブレない。…喧嘩したとき以外は。」
海都「ふふ、そんなに褒めたって何も出ないよ。よし、洗い終わったな。(抱き上げて)晶にた くさん褒められてそういう気分になったんだけど…もちろん晶が責任とってくれるよな?(キスを始める)」
晶「ランニングやめちゃうの? 走って発散したらいいじゃない。ほーら降ろして? もうそろそろ行こうよ。」
海都「そうだ、ランニングだよな。晶への気持ちがすぐ昂ってしまっていけない(頭を撫でて降ろす)…それじゃ、一緒にランニングしようか。晶が漕ぐチャリより、俺のほうが早いかもしれないよ?」
晶「うん、前回は速かった。今回はこっちもそのつもりで漕ぐから。帰りは海都が漕いで二人乗りで送ってね?」
海都「ふっ、わかったよ。俺も本気で走るからな?」
晶「よーし、行こ行こ。せっ かくセックスより優先したんだから、成果出さないとね?」
海都「晶とのセックスより優先したんだから成果出さないとな。じゃあ準備できたし外出るぞ。」
公園に続く。