ポルトガルの貴族で医師でもあったルイス・デ・アルメイダ(1525~1583)は、1552(天文21)年に来日し、キリスト教の布教活動に従事した人物だ。
彼は、当時の日本で当たり前のように行われていた間引きの習慣に驚き、豊後(現・大分県)の府内(現・大分市)に本格的な育児所を開設した。
また、アルメイダはキリシタン大名として知られる大友宗麟の支援を受けて、育児所内に病院を併設。やがて、この施設はハンセン病院と内科・外科施設をもつ総合病院にまで発展した。
同病院では医員や助手を育成するための医学教育も行われ、アルメイダはここで日本初となる西洋医学による外科手術を成功させている(1557年)。
現在、大分市の医師会が経営する総合病院は、アルメイダの偉業を顕彰して「アルメイダ病院」と名付けられ、地域医療に貢献している。