遂にTVアニメ「シキザクラ」が中京テレビにて放送がスタートした。

さらにはHuluなど配信サイトで全国配信スタートだ。

 

大いなる第一歩をやっと踏めた中、一番込み上げてきた気持ちがあったので、ここに綴ってみる。

 


今から4年8ヶ月前の2017年1月18日。

この日から僕らのプロジェクトは始まった。

 

「旧名:ナゴヤアニメ創生計画第8特務機関」こと「ナゴヤアニメプロジェクト」

 

この年の年末年始。

膝の「前十字靭帯と内側半月板」の手術入院をし、その時たまたま病床で見つけたネットNEWSが・・・

 

『CGアニメーション会社サブリメイションが名古屋にスタジオを開設』

 

・・・だった。

 

足は動かずとも心と手は動いた。

サブリメイションの公式HP「問い合わせ」にダメ元でメール。すると、翌日には返事がきて「会いましょう!」ということに。

 

そして、会ったのが運命の日。2017年1月18日だった。

 

そこにはサブリメイションの他に、サブリメイションを名古屋に誘致する際に尽力された名古屋のデザイン会社「K&K」の取締「川上博氏」もいた。

 

そんな初めて会うメンバーに松葉杖で行った自分は、もうこの日に全ての想いをブツけ「名古屋からアニメを作るプロジェクトをやりましょう!」と呼びかけた。

それに快く「やりましょう!」と応えてくれたサブリメイション小石川元社長、須貝現社長、K&K川上氏、本当に感謝しかありません。改めてありがとうございます。

 

 

その時の自分は、東海エリアを中心に活動する「一介のアニメ好きタレント」でしかなかった。

多少、アニソンライブイベントを主宰したり、アニメ特化のラジオ番組をやったりはしていたが、あくまでタレントの延長線上。

アニメを「事業・ビジネス」として向き合うというより、「ただのアニメファン」といった印象だった。

 

だからこそ、「表向きのアニメ」しか知らないし、わかっていなかった。

そんな中、アニメ業界で戦っている「サブリメイション」と知り合え、今のアニメの内情や現状、表には出ない深い情報を根掘り葉掘りとにかく聞かせてもらった。

最初はただのアニメファンとしての優越だったが、すぐにそれは戦うための武器を磨くような意識へと変わっていった。

 

聞けば聞くほど、自分は「アニメの本当の姿を何も知らないんだ」ということを痛感した。

 

まず、戦々恐々としたのが「深夜アニメの1クールの平均予算」だ。

 

 

 

皆さんはご存知だろうか?

 

 

 

当時の「平均予算」は・・・約2億円だそうだ。

 

あんなにもバンバン深夜に放送しているアニメがなんと平均2億円…初めは全く信じられなかった。知らないからって嘘を言われているんじゃないか?とさえ疑っていた。

 

が、どうやらそれは本当であり、また今では平均がさらに上がり、2〜3億円だそうだ。

 

 

何をするにも、先立つものが必要なのは世の常。

 

 

その金額たるや、一介のタレントがどう足掻いてもどうにかできる次元ではない。

これは早速、予想外の大きな壁が一歩目からそびえ立った。

 

 

ただ、日本国内でもかなり立派な経済圏でもある「名古屋」であれば、東京のように「アニメを常套ビジネス」にすることもできるポテンシャルは絶対にあると思う。

・・・いや、思っていた。

 

 

が、それがこの上なく難しいことを名古屋とアニメビジネスを知れば知るほど判明していった。

 

 

その大きな理由の一つが・・・「名古屋にアニメコンテンツを使用したビジネスができる企業がほぼない。」ということ。

 

昨今のアニメは「製作委員会」というものが組まれる。

簡単にいうと、アニメを1作品作るのに対し、売れるか売れないかが未知数の初期段階で「出資金」を投じる会社たちのことだ。

主に「製作委員会」に参画する企業は「アニメ制作会社」「レコード会社」「DVD/BD販売会社」「出版社」「パチンコ・パチスロメーカー」「ゲーム会社」「グッズ販売会社」「配信系会社」など。

いわゆるアニメが放送されることでビジネスになる会社ばかりということだ。

 

さて、名古屋に上記のような企業があるだろうか?

 

 

答えは、ほぼない。と言えるのではないか?

 

名古屋は大きな経済圏だが、こと「アニメ」・・・いや、広義で、そもそも「エンタメ」に従属する企業が「ほぼない」ということに気付かされたのだ。

 

 

これは、大きな壁にさらに「向かい風」が吹き荒れた。

 

 

そんな中、我々の無謀とも言える挑戦に最初に呼応してくれたのは…中京テレビ「河原氏」だった。

 

彼は7年前くらいから『2020年東京オリンピックがある時、名古屋はサブカルでインバウンドすべき』と語っており、名古屋に「アニメ」がまったく浸透していない頃から、自分の話、自分が収集した情報に常に興味を持ってくれていた。

 

そして、「プロジェクト」が発足したことを報告すると、自社の配信アプリ「Chuun(現:Locipo)」にて、プロジェクトに密着する番組「ナゴヤアニメプロジェクト」を立ち上げてくれた。

 

立ち上げ当時、第1回の配信では、自分が「アニメの影も形もないです!」と開口一番言っているのだが、本当にそうだったから今思うと笑うことしかできない。

決して、全てが先が仕込まれてて始まった番組ではないというのだから。

 

そして、先日9月をもって配信は一旦終了を迎えた。結局その当時始まった番組で唯一4年半も続き、生き残った番組は我々の番組だけだった。制作スタッフの鬼頭さん、猪原(よしお)、放送作家ハマちゃんなど、いまでは腐れ縁の戦友みたいになった。感謝しかない。ありがとう。

 

 

中京テレビも自社制作アニメはもちろん、深夜アニメも流したことのない唯一のテレビ局であったため、在名のテレビ局の中でも「アニメ」へのリテラシーは正直高くない局だったにも関わらず、河原氏は内部への情報提供や新規事業としてのアニメへの着手など、とにかく孤軍奮闘戦ってくれた。

そのおかげで、「シキザクラ」の製作委員会への出資も決めていただけたわけだ。

いまでは「シキザクラ製作委員会」の主幹事窓口として奔走してくださっている。

本当に感謝しかない。ありがとうございます。

 

 

そして、自分がだれよりも感謝と尊敬をしているのが、パチンコ・スロットの遊技機施設「玉越」の髙木社長だ。

彼は、帰国子女でありスポーツや音楽にも明るく、名古屋にいながら現状のビジネスでの成功だけでなく、多岐にわたる事業を興されている実業家だ。

特に名古屋にあって「エンタメ事業」にも精力的で、愛知県の大型音楽フェス「WIRED MUSIC FES」も共同開催されていたりと「名古屋を面白い街に」という想いを持ってくださっている数少ないエンタメ事業従事者なのだ。

 

そんな彼を知人からご紹介いただき「名古屋からアニメを作り、名古屋を盛り上げたい」という情熱をお伝えしたところ、彼は「アニメの可能性」をすでに感じていたのだった。

 

そのおかげで、我々の取り組みにもとても興味を示してくださり、多方面においてとてつもない尽力をいただいた。

 

まずは、ナゴヤアニメの聖地「KDビル」の誕生だ。

 

名古屋市の天白区に地上3階、地下1階のビルがあり、そこのオーナーになっていただいたのだ。

そして、我々「K&K」「サブリメイション」「TYK」は、そのビルで日夜アニメ事業に従事している。

まさしく「KDビル」はナゴヤアニメの聖地といえる存在だ。

 

 

そして、なんといっても「シキザクラ製作委員会」への参画だ。

自分も法人化し4年目。

とにかく経営者として未熟すぎる自分は、ことあるごとに彼を師と仰ぎ、たくさんのマインドとメンタルコントロールを教えてもらった。

 

彼がいなければ、「ナゴヤアニメプロジェクト」も、「シキザクラ」もこの5年で成果を出せなかっただろう。

心の底から感謝しかない。ありがとうございます。

 

 

さらに名古屋の玄関口「名古屋駅前」にある映画館といえば「ミッドランドスクエアシネマ」であり、そこを運営する「中日本興業」さん。

彼らも製作委員会に参画いただいたのだが、理由は「我々は映画館というハードをもっているが、ソフトはすべて県外のコンテンツ。これからは地元のソフトというものが増えていくことは非常に大事。あとは、夢に掛けたいと思う。」という言葉を役員の方からいただいた時は本当に勇気をいただけた。

その後コロナ禍になり、非常に苦しい時期もあったはずだが、引き続きサポートをいただいており、本当に感謝しかない。ありがとうございます。

 

 

その他、この7年くらいの間、僕の言い続けた夢を馬鹿にもせず、一緒に歩んでくれたり、背中を押してくれたり、時には叱咤をしていただいた東京・名古屋関係なく、公私共に「シキザクラと自分の夢」に期待を寄せ、チカラを貸してくれた沢山の同志の皆さんに心から感謝したい。

 

 

名古屋でアフレコができたのも、そして音効(効果音など)も名古屋でできたのも、全ては「東海サウンド」さんのおかげです。

 

そして、東京の同志たち。

「月刊アクション」連載、コミック出版もしてくれた「双葉社」さん。

 

日本一多忙な宣伝マン前田社長が自分の想いに応えてくれたおかげで、他のアニメと遜色のない素晴らしい宣伝をしてくださった日本有数のアニメ宣伝会社「アクアアリス」さん。

 

いつも名古屋と自分の活動を見届けてくれていて、今回、初の作詞にも挑んでくれたOP主題歌「BELIEVE MYSELF」を歌う妹みたいな存在「亜咲花」。

 

自分の名古屋でのアニメ関連活動の節目節目に必ずお世話になっているED「シキザクラ」を歌う絶大の信頼感とリスペクトを送りたい、世界の歌姫、盟友「May'n」。

 

そして、なんの形もない頃から有志で集まってくれて、「シキザクラ」につながる多くのアイディアとアニメ愛、名古屋愛を我々に与えてくれた「プロジェクト会議」に参加してくれた「ナゴエイト」の皆さん。

 

 

こういった全ての方々のお力添えをいただき、ここまでこれました。

が、まだあくまで「シキザクラ」は第一歩でしかありません。

我々の目標は「名古屋にアニメ文化・産業を根付かせるコト」です。

 

それにはまだまだ遠く及ばないのも事実。

だからこそ挑戦し続けるしかない。

 

是非、今後とも「ナゴヤアニメプロジェクト」と共に夢に向かって走っていきましょう。

 

その為にも是非ともナゴヤアニメ第1弾作品「シキザクラ」をどうかよろしくお願いします。

 

 

TVアニメ「シキザクラ」公式サイトはコチラ

 

 

TVアニメ「シキザクラ」Hulu配信はコチラ

bit.ly/3mtl16x