さ。しばし時が経ったが、後半を書き綴ろう。

 

 

簡単に前回のおさらいだ…。

 

①「名古屋グランパス」というネームバリューは、全国区どころか世界規模である。

 

②テレビやラジオによる「人気の一本化」からネットメディアの台頭により、これからは「人気の細分化」がより進む。

 

③これからの時代は「人気=数」から「エンゲージメント」がキーワードになる。

 

 

…ということを長々と語ってきた。

 

ではその続きを・・・。

 

 

①「名古屋グランパス」というネームバリューは世界規模

 

やはり「スポーツ」の力はすごいと思う。

なぜなら「興味がない人でも多少なりとも知っている」という奇跡的なコンテンツであるということだ。

もちろんその中でも知名度の大小はあるが、ここまで人間のライフスタイルに身近なエンタメコンテンツは少ない気がする。

 

さらに名古屋グランパスは、「スタジアムの観客動員数」をここ近年、選手やリーグ順位に左右されず驚異的に伸ばしている。

これは、SNSの活用の仕方やホームタウンとの連携、広告などの打ち出しや試合当日のアミューズメント的なイベントだったりと、とにかく色々な施策を駆使した結果でもあるが、一番大きな転機となったのは「2016年のJ2降格」だと思う。

 

Jリーグ創設からいたチームであり、世界のTOYOTAがついているチームであり、2010年にはリーグ優勝も果たした日本有数のビッグクラブと称されたチームが、その年、あろうことか降格という史上最低の屈辱を味わったのだ。

もちろん降格が目の前で決まった試合も、自分はDJとして声を出していた。

…が、力及ばず無念の降格…心底無力を感じた瞬間だった。

 

ただ、この年に感じていたことが一つあった。

「世間が名古屋グランパスの話題を口にしている。」ということだ。

 

自分と会う人は必ず…「グランパス、やばいね。大丈夫?」と、日頃サッカーに興味のない人でさえ話題にしてきたくらいだ。

そして、降格が決まり…変な意味で注目と話題が集まったまま翌年へ。

 

2017年。グランパスはそれまで在籍していた選手を大幅に入れ替え、風間監督を迎え、1年でのJ1復帰を目指し一致団結し戦った。

J2での戦いは最後の最後までもつれながらも、なんとか1年で「J1昇格」を掴み取ることができた。

自分も昇格が決まったその瞬間、膝から崩れ落ちるほどの喜びと涙が溢れて止まらなかったことを今でも鮮明に覚えている。

 

 

まさにここまでの出来事は、偶発的でありながらも…「ドラマ」だったなと。

 

 

そう。

「ドラマ」なのだ。

 

 

人間は「ドラマ」が好きなのだ。

 

 

一度は優勝し、ナンバーワンになったチームが、「降格」という絶望の淵へ落とされ、「J2」という舞台でもがき苦しみながら戦い続け、「ラスト」は念願の成功を掴み取り、J1へ返り咲いた。

 

 

およそ2年をかけたこの壮大なドラマは、日頃グランパスを、ひいてはサッカーを愛している人以外の方たちにまで飛び火し、今では、結果や人気選手の有無に関係なく、スタジアムに来てくれる人が増える大きなきっかけとなったわけだ。

 

もちろん、その出来事だけにあぐらをかかず、グランパスの各担当の皆さんが必死にグランパスの魅力を発信し続けているからこそ、今でも「名古屋は集客が難しいエリア」「なごや飛ばし」という異名がつくほど集客できないエリアなのに、10000人〜40000人のファンで毎試合スタジアムを埋めることが出来ているわけだ。

 

 

このことから導き出されるのは…コンテンツに必要なのは「ドラマ」であり、「ドラマ」にあるのは「共感性」。

盛り上がりを維持できているのは、「共に戦っているんだ、支えているんだ」という「共犯性」だ。

 

 

 

これこそ、前述した…「エンゲージメント」に欠かせないキーワードだと思う。

 

 

 

さて、次は・・・

②「人気の一本化」から「人気の細分化」へ

③「人気=数」から「エンゲージメント」がキーワードに

 

「人気の細分化」で起こっている現象は「好きが薄まっている」ということ。

 

例えば…CDだ。

今となっては「CD買うほど、そのアーティストのこと好きなんだね。」と言われる時代となってしまった。

 

一昔前はCD買うことが当たり前だったが、その当たり前はもう終わった。

「CDを買う=だいぶ好き」の証になってしまったようだ。

 

Youtubeやツイッター、インスタなどの台頭で素人が一気に有名人になれる環境ができた。

テレビやラジオは「放送局の数」しかチャンネルがないのに対し、SNSはチャンネル数に限界がない…無限だ。

 

これではテレビやラジオが勝てるはずもない。

つまらないものもゴマンとあるだろうが、面白いものもどんどん出てくるし、どんどん蓄積されていく。

 

こんなの正直「卑怯」である。

自分らの時代にはなかった。

妬ましく思うほど、今の若者は表現の場というものに恵まれてるなと思う。

 

 

・・・・がしかし。

 

逆に、とても難しい時代だな・・・とも感じる。

 

 

なぜなら、コンテンツや発信者がどんどん増えていくため、消費者は1カ所だけに「定着」しなくなるし、コンテンツの咀嚼の仕方や消費速度が尋常じゃないくらいに早い。

 

となると、がんばって、やっと人気が出てきたのに、一瞬で消費され、飽きられて、忘れ去られ、1年足らずで「過去の人」になってしまう恐れがあるということでもある。…これではまるで7年地中にいて、やっと出てきて1週間で生を全うする「セミ」のようだ(いらない情報だろうが…自分はこの世の中でセミが一番大嫌いである。)。

 

これは、もうタレントにとっては恐ろしすぎる。

 

さらに最近ではYoutubeも5分程度の長さが好ましいとか、言葉の間をカットする「ジェットカット」などが生まれているなど、まさに「間も無駄」も省かれ「不定着な時代」になってしまった。

 

そんな消費者の「不定着マインド」をうまく利用したのが「TikTok」や「インスタのリールズ」だろう。

もはや人間が定着できる時間は、今や「15秒」なのだ。これが人の興味が持つリミットとなってしまったのだ。

 

 

戦い方が激動するエンタメ業界。

 

その中で「人気=数」は、多いに越したことはない。

…が、「人気の細分化=好きの不定着」は今以上に進むだろうし、多くの分母を得ることが今以上に困難になると予想できる。

 

だからだろう…Youtuberの中でも海外のユーザーに親和性の高い「バーチャル・ユーチューバー(通称:Vチューバー)」は、すでにBiliBili動画など、中国を中心にアジア圏への進出が、ここ2年顕著だ。

 

そう…数を取りに行くなら、「海外進出」しかないのだ。

 

なぜなら、少子化に歯止めがきかない日本の未来は、必ず人口が激しく減少する。

となると、潜在的ファン数は絶望的観測となる。

 

そこで、「人気=数」の概念をもって戦えるのは「世界」しかないのだ。

5Gがやってこれば、より拍車はかかるだろうし、己の小ささに気づく人も増えるだろう。

 

とはいえ、なんでもかんでも海外に行けば当たるわけでもなく、そこはそこで戦い方が必要になっていくわけだ。

 

 

そんな混沌とした時代に、今回の主題でもある「ネームバリュー」を、これからどうやって作っていけばいいのか?


どうやったら「ナゴヤセイユウ」というタレントたちを…「TYK」という企業を…全国区、果ては世界規模のネームバリューに伸ばせるのか…?

 

それを必死に考えている。

とにかく思いついたら行動してみる。

 

 

とりあえず、今回のポイント①〜③から紡ぎ出される自分なりの今後を生きていくにあたっての見解はこうだ。

 

①「ドラマ性」を加え、「共犯性=エンゲージメント」を高める。


②人気=数で勝負するなら「海外進出」。

 

③消費される存在だけでは消えて終わる。生産者となり、何がなんでもついてくるような「エンゲージの高いユーザー」を生んでいく。

 

 

これらを念頭において弊社の未発達コンテンツ「ナゴヤセイユウ」をどうプロデュースすればいいのか?・・・だ。

 

 

あぁ、考えることがいっぱいだ。