世界秩序は「法の支配」から「ジャングルのルール」に変わるのか?
トランプ政権によるベネズエラ攻撃。デンマーク領グリーンランドの領有権主張。パナマ運河の管理権返還要求。アメリカ第一主義を錦の御旗にして世界中の国々に相互関税を発動し交渉を有利に運ぶ「力を背景にした経済交渉」。イランへの再攻撃示唆。世界を大きな疑念の渦に巻き込みかねない「西半球重視の安全保障政策」の公表。アメリカの中央銀行でもあるFRB(連邦準備理事会)のパウエル議長に対する司法当局を通じた捜査圧力。ICEによる厳しい移民摘発とそれに伴う市民銃殺事件等々。日本の安全保障体制にとって、不可欠な存在であるアメリカ合衆国のトランプ政権。
かかるUSAの権力中枢の変貌とアメリカ社会そのものの分断と混乱は、西側諸国とりわけ我が国にとっては大きな懸念材料になりつつある。
極東の島国で資源小国の日本は、中国、ロシア、北朝鮮という価値観の相容れない核保有国(一部核保有疑惑国)に囲まれている。高市総理の折りしもの台湾発言で中国とは冷戦まがいの対立構造が浮彫りになりつつある。
我が国をとりまく国際政治と軍事情勢は、正に「天気晴朗なれど波高し」の予断を許さない厳しい状況にある。
世界は戦後、自由と民主主義の思想の下で、自由貿易体制を積み上げて平和な通商と経済的な繁栄を遂げてきたが、今やこれらの価値観が大きく揺らいでいるように思う。
三大核強国(米・露・中)による覇権主義の時代に突入しつつあるように思えるのだ。
今日までの国際平和を維持するために国際的に尊重されてきた「法の支配」が衰弱して、「力による支配」が強まれば、政治はジャングルのルール(弱肉強食)が支配する世界に激変するかも知れない。民主主義時代から帝国主義時代に逆戻りする可能性も捨てきれないのである。
こんな時代の転換点で我々は何を見据えて何を感知しなければならないのか。
その答えのヒントの一つを与えてくれる人が政治家、あるいは一定の政治勢力として存在して欲しいと願わざるを得ない。折りしも、現下、衆議院解散に伴う選挙戦の最中である。どの党も金太郎飴みたいに「消費税減税」を公約に掲げてはいるが、厳しさを増す世界政治において日本の基本施策を骨太に主張する政党が少ないのが気にかかる。
今回の選挙は、本当に消費税減税だけを主要かつ共通の争点にすべきなのか、甚だ疑問に思うのである。全くの平時とは言い切れない今の平時。「天気晴朗なれど波高し!」を今一度想起すべきと思うのだが・・・。