2021年を『顧みて!』
2021年(令和3年)も終わろうとしている。顧みて記憶によみがえるのは、コロナとコロナに翻弄された社会の様々な出来事である。思えば日本の世が平成から令和に改まった3年間のうち2年間は、コロナ禍という未曾有のパンデミックに黒く塗りつぶされてしまった。人々の生活はマスクを片時も手放せない異常事態が常態化した。
感染拡大を回避するため政府は1月早々から2度目の緊急事態宣言を発令。4月に3度目、8月には4度目の緊急事態宣言を相次いで発令するとともに、1年延期した東京オリンピック・パラリンピックの無観客開催を決定したのである。皮肉にもこの間、デルタ株による感染拡大がピークに達し、史上最多のメダル獲得を達成した東京オリ・パラであったにもかかわらずその閉幕後、菅首相は辞職に追い込まれた。昨年の安倍政権に次いで二つ目の政権が自壊した格好だ。恐るべしコロナウイルスである。
コロナ禍は政治のみならず人々の生活や社会にも大きな影響を及ぼした。この間、人々はマスク習慣はもとより、3密回避、手洗い・うがい、行く先々でのアルコール消毒や検温要請。職場での飲み会自粛やテレワーク、Zoomによる会議や営業など、否応なしの行動変容を強いられる事になったのである。菅政権から岸田新政権へ移行する過程で皮肉にも猛威を振るったコロナ第5波は急速にピークアウトし始め、「ワクチン接種の効果が現れた!これでコロナを克服できるだろう!」と安堵するいとまもなく、新たな変異株・オミクロン株が南アフリカで発現し、またたく間に欧米を中心に爆発的な感染拡大が始まった。年明けには日本でもこのオミクロン株の感染爆発が懸念される始めている、というのがこの年末の情勢である。変異するたびに感染爆発を繰り返すコロナウィルスの真の恐ろしさに人間はやっと気付き始めたように思えてならない。
しかし、この2年間のコロナウィルスとの戦いの中で、人類はmRNAワクチンという新手法による予防薬を、かつてないスピードで開発して全人類に接種を施し始めた。更に年明には口径服用薬が開発・承認される見込みである。効果のほどは未知数だが人々に大きな安心と希望を与えることは間違いないだろう。少しずつではあるがコロナウィルスへの対抗手段を人類は手にすることになるだろう。コロナ3年目の人類の叡智に期待したい。
さて、コロナで翻弄された1年とはいえ、明るい出来事も結構あった年でもある。特筆に値するのはなんと言っても米メジャーリーグで大活躍した大谷翔平選手の二刀流であろう。日本よりも深刻なコロナ禍の中で大谷選手の超人的な活躍は、米国人の心をわしづかみにしたようだ。結果、イチローに次いで日本人として二人目のMVPを受賞した。
またゴルフでは松山秀樹選手がゴルフのメジャー大会「マスターズ」で日本人初の優勝を飾ったことも嬉しいニュースだった。東京オリ・パラでの多くの日本人メダリストの活躍を含め、若い世代の活躍は何かと暗い話題で曇りがちな社会に一筋の光明を差し込でくれたような希望と期待を感じさせてくれる。この先の未来を確かなものとするためにも新世代への応援を忘れてはなるまい。岸田新政権の掲げる「新しい資本主義」では、是非とも新世代育成をその政策の柱の中心に据えてもらいたいものである。