止まらないコロナ感染拡大! それでも未来は明るいと信じる! | 経営の勘どころ・つかみどころ

止まらないコロナ感染拡大! それでも未来は明るいと信じる!

 コロナ感染が止まらない。世界の感染者確認数は、11月28日現在で6,100万人を超え、死者数も144万人超に及んでいる(米ジョンズ・ポプキンス大公表値)。日本でも、第3波が到来し、28日には一日の感染者確認数が2,684人となり過去最多を更新した。すでに国内の感染者確認数は累計で14万人を超えている。折しも、政府は「経済回復」と「コロナ感染予防」の両立を目論んで、GOTOキャンペーンを展開中であるがその足取りはまことに覚束ない有様である。政府の思惑とは裏腹に、医療専門家や各自治体では警戒感を強めつつあり、大阪府では11月27日~12月11日の15日間、北区・中央区の繁華街の飲食店に午後9時迄の時短要請を発した。続いて東京都も11月28日~12月17日の20日間、都内の飲食店等に対して午後10時迄の時短要請を発している。

 

 緊急事態宣言解除後、政府は、経済のV字回復を目論んで景気刺激策のアクセルを踏み込んできたが、師走を迎えるに当たっては、どうやらブレーキを踏み込む羽目になりそうである。そうなると、2020年は、2月のダイヤモンド・プリンセス号の船内集団クラスター騒ぎに始まったコロナ禍が、年内収束どころではなく感染拡大が制御不能な状態のまま年を越すことになりそうであり、景気回復も道半ばのまま新しい年を迎えそうである。

 

 さて、過ぎた事とはいえ、コロナ禍などがなければ、日本は戦後最長の景気サイクルを持続し、雇用情勢もバブル期並に逼迫して、就職戦線も新卒者にとって我が世の春を味わえたはずである。また、世界中の耳目を集めたであろう東京オリンピック・パラリンピックに多くの国民が熱狂し、かつ陶酔したであろうし、これを政治的遺産として、憲政史上最長を誇った安部政権も、いずれ迎えたであろう退陣の花道が飾れるはずだった。これらすべてを吹き飛ばしたのが、今年の主役、新型コロナなのである。

 

 コロナ禍がもたらしたものは他にもある。とりわけ、人々の心に不安と恐怖を植えつけたうえで、「行動変容」を促したことであろう。今、街中や電車の中に身をおくと、周囲の人ほぼ全員がマスクを着用している。日に何度も手の消毒と検温を求められる。こんな光景や体験は去年までは見たことも経験したこともないのである。

 仕事には職場というものが必要である。その職場とは多くの場合、「同じ場所」と「同じ時間」を人々が同期する所であった。コロナ禍で進行したテレワーク・リモートワークは、仕事における「職場の同期性」が必ずしも不可欠なものでないことを人々に知らしめた。

 折も折り、社会はDX時代の入り口に立っている。今後、DXは三つの軸、すなわち①「クラウドの社会インフラ化」、②5Gという「超高速大容量の通信インフラの実現」、③「ビックデータの資源化」を中心に加速度的に進展するものと予想される。皮肉にも、コロナ禍はこのDX社会到来を強力にバックアップする役割を担うこととなり、デジタル庁の陰の生みの親となった。

 

 やがてコロナ禍も、ワクチンの開発や治療方法の確立を経て克服される局面が必ず来る。人類の長い歴史の中のほんの瞬間の出来事として、コロナも人類の英知で乗り越えることができるであろう。このことを信じて、2021年を迎えたい。