令和の時代という未知の時間をどう生きる! | 経営の勘どころ・つかみどころ

令和の時代という未知の時間をどう生きる!

 皆様こんにちは! 恐縮ですが実は平成31年2月~4月まで、心静かに平成を見つめ直すため、これまで毎月欠かさず書いていたブログを一時的に休止していました。令和も早1ヶ月が過ぎようとしている今、新たな気持ちでブログを再開したいと思います。

 

平成から令和の世を迎えましたが、令和の時代は果たしてどんな時代になるのでしょうか? どんな時代が到来するのか、経営者ならずとも誰もが強い関心をもっているテーマだと思います。

 

皆さんは「論語と算盤」の渋沢栄一(日本の資本主義の父)をご存知だと思いますが・・・ 

5年後、福沢諭吉に変わる新しい1万円札の顔になる人物ですね。

 

 その栄一の玄孫(孫の孫)の渋沢 健氏が、  

社会の行方を見極める方向感覚について、「30年のリズム感」を提唱しておられます。

 

 この「30年のリズム感」とは、極論すれば、世の中は破壊と繁栄を30年毎の周期で繰り返しているとする説です。つまり、破壊の時期が30年続くと、次に繁栄の時期が30年続くという、いわば陰の時期30年と、陽の時期30年を一つの周期とする60年周期説を提唱しています。人生の還暦に似ていますね。

 

 渋沢 健氏は具体的にこのリズム感説を次のように裏付けています。

 

●1870年~1900年の30年は、陰の時代。 

 黒船来航に端を発した江戸時代の「太平の世の常識」が破壊された時代です。

●1900年~1930年の30年は、陽の時代です。

 文明開化、富国強兵と日清・日露戦争を経て日本が先進国の仲間入りした繁栄の時代です。

 ここで陰陽あわせて一回目の60年周期が終結しました。 

 

●1930年~1960年の30年は、第2の陰の時代に入ります。

 日中戦争、第二次世界大戦に続く敗戦と、新しい憲法公布や 戦後復興に至るまでの戦前の国家体制が破壊された時代です。

●1960年~1990年の30年は、第2の陽の時代といえます。

 東京オリンピックを起点とする高度経済成長とバブル経済、世界第2位の位の経済大国に登り詰めた繁栄の30年といえるでしょう。

  ここで2回目の陰と陽の60年周期が終結したといえます。

   

そして、現在の

●1990年~2020年の30年は、第3の陰の時代に当たります。

 バブル崩壊と長期にわたるデフレ経済、グローバル経済に呑み 込まれた「日の丸製造業」の凋落は、まさに破壊の時代の象徴 といえるでしょう。

 

平成から令和へと時代が変わろうとする今・・・

●来たるべき2020年~2050年は、陰から陽へ転換する時代にあたります。

 2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。加えて2025年には大阪万博博覧会が開催されます。 この二つの一大イベントの開催は、昭和における第2の陽の時代の再現です。

  これらを奇貨として日本経済が力強く蘇ればいいのですが、前途は容易ではないと思います。この先の30年には、超高齢社会・人口減少社会が待ち構えています。加えてデータの時代と言われるように、IOTやAIが雇用を脅かしかねない本格的なデジタル文明社会を迎えようとしているからです。

  今までの30年は、渋沢 健氏が提唱しておられる「30年のリズム感」でうまく時代の方向性を説明することができたのですが、これから迎える30年は、誰にも説明ができない、まさに未知の時間が待っていると云えるのではないでしょうか?

 

●このような新しい時代を迎えるに当たって、経営者には何が必要なのでしょうか?

  皆さんはどう思いますか?

  その答えは人それぞれでしょうが、私が今考える答えは一つです。

 

●それは、経営者の心眼を磨くことです。自らの心と眼力を磨くことが、AIにも負けない人としての力を発揮することができるからです。

  そのためには自分の経験にだけ頼るのではなく、多くの人の経験や知識に裏付けられた『本物の知見』を学ぶことが大切だと思います。

 

●「本物の知見」を学ぶということは、いわば未知の時間における「経営のナビゲーター」持つようなものです。

 経営を進める上で困ったとき、迷ったとき、一歩、前に進もうとするとき、必要な知見と勇気を得ることができるなら、経営者にとってはこんな有り難いことはないでしょう。

 

●その意味で令和の時代は、自らの身辺に忍び寄る偽物・フェイク情報を排除し、厳しく本物に向き合いながら、らせん的に発展していく「令和のリズム感」が欠かせないと思います。既に投資の世界では、経済活動を通じて社会との調和を指向する企業に投資が集中する傾向(ESG投資)が色濃くなってきました。

  令和を英語に訳すると「美しい調和」(ビューティフル・ハーモニー)だそうです。令和の時代という未知の時間に向き合わねばならない経営者は、社会への価値還元と持続可能性に資する経営を実現するために、『本物の知見』に裏付けられた勇気あるハーモニー経営を心掛けたいものです。