フルスペックの平成30年だが、そうは簡単に終わりそうもない年のようだ! | 経営の勘どころ・つかみどころ

フルスペックの平成30年だが、そうは簡単に終わりそうもない年のようだ!

今月26日、京都御所から来年10月に予定されている天皇の即位に使用される「高御座」と新皇后の「御帳台」が皇居にトラックで移送されてきた。いよいよ平成の元号から新元号に変わる準備が目に見える形で動き出したようだ。このまま平穏無事に新時代へ移行していければ・・と願いたいものだが、平成30年はそう簡単に終わりそうにない雲行きである。


 そもそも今年は、世の人々の願いも虚しく、いろいろな不穏な出来事が次から次に起こっているのだ。振り返れば、平昌冬期オリンピックを契機に歴史的な米朝首脳会談が開催され、それを受ける形で南北首脳の往来が相次ぎ、にわかに我が国を取りまく国際情勢が流動化してきた。安倍首相も日朝首脳会談に意欲を示す談話を発表したり、この秋には中国を訪問して習近平国家主席との首脳会談を目論んでいる。国際政治はその舞台裏で激しく動き始めている様子が覗える。


 他方、経済面でも今年は、11カ国による米国抜きのTPP交渉が成立し、続いて日・EUとのEPA交渉が成立するなど自由貿易体制が強化される一方で、トランプ政権による鉄鋼・アルミの制裁関税の発動を皮切りに米中貿易戦争が勃発し、今や米国トランプ政権は2500億$に及ぶ制裁関税を中国からの輸入品に課するまでに発展した。心配なのはトランプ政権は制裁の手を緩める気配がなく、相手の出方次第では中国からの全輸入品に制裁関税を課すと息巻いていることだ。

 

 さらに中東では、米国によるイランへの本格的な経済制裁を前に、EU主要国との間の同盟関係にひび割れが生じはじめ、この影響を受けて原油が高騰、9月の国内におけるガソリン小売価格も1㍑150円を突破してきた。

 自由貿易体制を自認する日本ではあるが、米国の勢いに押されるままに日米物品貿易協定(TAG)の交渉入りを約束するまでに押し込まれつつある。自動車への制裁関税を回避するための方便とみる向きもないではないが、それだけで済まされないような気がする。相手はなんと云っても前言を平気で覆すトランプ大統領であるからだ。


 さて、国内に限って目を向けてみても、今年は6月の大阪地震、7月の西日本豪雨災害(死者行方不明者200人超)、オウム死刑囚13人の死刑執行、7・8月には歴史的な酷暑襲来で、熊谷市では気温が41.1度を記録し、国内最高記録を更新した。9月には台風21号によって発生した高波被害で、関西国際空港が水没し、おまけに関空につながる橋梁にタンカーが衝突して交通が遮断されるなどの大被害が発生した。その翌々日の未明には北海道胆振地方で震度7の地震が発生し、大規模な山崩れと全道一斉停電となる国内初のブラックアウトが発生した。訪日客もその後激減し、地方の観光経済にとって大打撃となった。今も台風24号が接近中であるから心配は尽きない。ことほどさように今年はひときわ災害が目立った年になりそうである。

 

 まだ年末でもないこの時期にもう既に書き切れない程の出来事が連続して発生しているのである。今年も残り3ヶ月となったが、この先何が起こるかまったく分からないと云う他はない。
 平成30年! 今年もそう簡単に終わりそうもない年のようである。