ESG投資とは何か?
最近の経済誌や新聞の経済記事の中に、「ESG投資」という単語を良く目にするようになった。このESG投資のESGとは何を意味するのであろうか? 端的にいうと、Eは、Environment(環境)、SはSocial(社会)、Gは、Governace(企業統治)の英語の頭文字をつなげた略語である。
近年、株主資本や企業利益の最大化を目的とする行き過ぎた利益至上主義・株主資本主義に限界が見えてきた。これに変わって注目を集め始めているのが「インパクト投資」という考え方である。簡単に言えば、企業が市場競争の中で優位に立ち、企業価値を長期的に向上させるためには、企業自身が社会的課題を解決するという一定の責任を果たしていくことが大切であるという考え方である。つまり社会的課題解決型企業こそが、社会とともに、長期的・継続的に企業価値を共創できる存在と位置づけ、ESGに取り組む企業に積極的に資金を投資して、投資リターンを追求しようとする投資スタイルがインパクト投資といわれるものである。
日本最大の機関投資家でもあるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)もここ数年、ESG投資を重視し、運用委託先の金融機関に対して、ESGを考慮した投資運用を行うよう求めて始めています。
世界の機関投資家がESGを投資プロセスに取り入れはじめた契機となったのが、2006年国連が提唱したPRI(Principles for Responsible Investment:責任投資原則)といわれています。その後2008年のリーマンショックを経て、短期的利益を追求する投資スタイルに批判が高まるとともに、このPRIに賛同して署名する機関投資家が増加しました。2017年4月時点で1700を超える年金基金や運用会社がPRIに署名しており、これら機関投資家によるESG投資の運用資産残高は17兆ドル(1800兆円)に達している(GPIFホームページ)という。
2015年9月国連で採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:「SDGs」)では、貧困撲滅、格差是正、健康と福祉、気候変動対策など世界を変える17項目の開発目標が明記された。世界のグローバル企業はこの開発目標を強く意識し始め、自らの事業に関連の深い開発目標の課題解決に積極的に取り組む姿勢を強めつつ、ESG投資を呼び込もうと動き出している。ESG投資は21世紀型成長企業の原動力になる可能性を秘めているように思う。今後の動向に注目だ!