日本と世界が震えた7月は、何かの余震なのか! | 経営の勘どころ・つかみどころ

日本と世界が震えた7月は、何かの余震なのか!


 いつになく雨の少ない夏を迎えた7月。日本で世界で実に多くの出来事が報じられた。

 日本では、18歳に参政権を付与した初の参議院選挙が実施された。結果は、与党を含む改憲勢力が2/3の議席を占めた。近年のわが国をめぐる安全保障環境の変化に、今度の選挙結果がいかなる影響を及ぼすのか、注目されるところである。


 南シナ海をめぐっては、オランダ・ハーグの国際仲裁裁判所が中国の領有権主張を完全否定した。

国連常任理事国でもある当事国中国は、裁定を「紙クズ」と言い放ち、完全無視を決め込む。今後関係国の対応次第では、武力衝突の懸念も心配される。


 仏・ニースでは花火見物客を狙ったトラックテロが発生。パリのレストラン襲撃テロに続き、再び多くの犠牲者を出した。ISの過激なテロが終息する気配がないことを世界は改めて思い知らされた。


 中東の大国トルコでは、軍事クーデター未遂事件が勃発。クーデターは失敗に終わったが、その後エルドアン大統領による反政府勢力を含む国内の穏健派への締め付けが始まり、今なお混乱が続く。


 米国では、共和党のトランプ氏と民主党のヒラリー氏が大統領候補者に選出され、11月の本選に向けて熱い戦いが始まった。破天荒で扇動的な発言を乱発する異色の大統領候補トランプ氏が選出された背景には、米国の白人を中心とする中間層の不満が渦巻いていることを示すものだ。それにしても、同盟国米国の国民意識の内向き思考と分裂傾向が強く懸念される。


 Rioオリンピック開催を前に、ロシアの国家ぐるみのドーピング問題が報じられ、これも国連常任理事国の大国であるロシアの恥部が露呈された。ルールを軽視して、自国の利益第一で動かんとする、中国、米国、ロシアの大国の振る舞いや動向には、眉をひそめざるを得ない。


 一方国内においてもいろいろな出来事が世間の注目を集めた月だ。参議院選挙に続き、東京都知事選が告示され、与野党・無党派の三つどもえの選挙戦が展開された。与党候補も、野党候補も組織力を動員した選挙戦を挑んでみたものの、今ひとつ有権者の支持を得られず、結果は無党派層の支持を集めた女性候補が大勝した。そんな選挙戦の真っ最中、相模原市の障害者施設では19人もの入居者が無残にも刺殺される最悪の事件が発生した。すわ、テロか!と思わされるほど、理不尽でやり場のない怒りと不安を誰もが感じたはずである。


 さらに7月には、世界の珍現象として話題沸騰のポケモンGOが日本に上陸した。早速都内の公園やランドマークと目される場所に、ポケモン愛好の老若男女が大挙出現して、昼夜を問わずゾンビの如ごとく街中を徘徊し始め、住民の苦情を集めている。首都圏では地震が頻発!誰しもが恐れている首都直下の大地震の前触れかと、人びとの不安を呼び起こしている。


 日本で、世界で続発する様々な現象は、一つひとつには何の脈絡もないが、何かの余震なのだろうか?・・・と、ついつい不安に苛まれ、思わず身を固くしてしまう。