トライアスロンは決して命懸けのスポーツではない~岩国トラで起きた不幸な事故を悼む | 「最後まで諦めない」~医師、時々作家、そしてランナー

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医師であり、時々作家、そしてランナーである筆者が日々の出来事について徒然なるままに綴っております。「最後まで歩かない」事をレースでも、人生でも目指しております。

今日は月曜日です。

新しい一週間が始まりますが、明日が秋分の日で祝日です。普段ならちょっと気が重い月曜日の朝になる
人達も、きっと今日は少し得した気分ではないかと想像しています。

今日もお休みで、4連休の真っ只中という羨ましい方も少なくないと想像もしています。

尚、昨日危ぶまれた私の山口宇部行き最終便への搭乗ですが、かなり際どい状況ながらも何とか間に
合い、自宅で眠る事が出来ました。

手荷物検査を済ませ、最終搭乗手続きを行う行列に並んだ時は本当にホッとしました。レース以上の感動すら覚えてますw。

本日の山口県西部、朝からよく晴れています。気温もそこそこに上がり、先週末の衣替えは必要なかったなと感じる暑い一日になっています。

本日の「金沢守クリニック」の外来総受診者数は36名でした。

今日は完全休養日にしています。昨日、信越五高原ロングライドで走った分も含めると、9月のトレーニング
記録はラン173.6キロ、バイク310キロ、スイム10.8キロのまま停滞しています。

さて、昨日山口県岩国市で行われた“第27回MCAS岩国トライアスロン大会”に出場した広島市在住の男性がスイム競技中に死亡しています。

岩国基地の鉄人競技で病死 広島の男性、遠泳中に

私のFBでの友人も沢山この大会に出場している人がいましたが、この事故について触れている人はいなかったように思います。

恐らく、後になってこの事故の事を知り、驚いたのではないかと想像しています。

トライアスロンでの死亡に繋がるような事故は圧倒的にスイム競技の序盤で起こる印象があります。

これはトライアスロンに限った事ではなく、OWSの大会での事故は大抵序盤で起こっていますし、マラソン大会での不幸な事故も心拍数が上がりやすい序盤で起こる傾向があります。

勿論、バイク競技でもアクシデントは起きるでしょうが、死亡に繋がるほどの大事故は最近聞いた事がありません。

ランまで競技が進んでしまうと、時間経過と共に暑さなどの気象条件も加わって、熱中症や脱水などが
増える印象があります。

どれだけ沢山の人が大会を楽しく終えたとしても、一人の死者が出たら、その大会は成功したと言えないと思います。

全員が完走する事は難しいかもしれないけれど、誰も死なないための努力を惜しんではならないでしょう。

私自身、スイムが苦手です。今でも、今日の大会で死ぬかもしれないと思う事はままあります。しかし、
最近は自分は遅いからなるべく後方からスタートすれば、危険はかなり軽減出来ると思ってます。

一斉スタートやフローティングスタートはなるべく避けた方がよいと思います。エイジないしは泳力によってウェーブスタートにすれば、スタート時に起こるバトルによるリスクは軽減出来ます。

又、距離が短めの大会ほど、速く泳ごう、或いは速く走ろうという衝動に駆られるせいか、事故が起こりやすいと感じます。

アイアンマンディスタンスのトライアスロンなどでは、むしろスイム競技での事故は少ない印象があります。
これは出場者達の経験値が高い事によるものだと考えています。

勿論、出場する選手達が安全に対する意識を高める事が重要であるのは言うまでもありません。体調に
不安を感じた時にスイムをスキップするなり、DNSを選択出来る人は強いと言えます。

これに加えて、主催者やスイム競技に携わるスタッフが時間が過ぎると共に疲れて溺れるのではなく、まだ体が暖まっていない時、そして沢山の人達が一斉に泳いでいる時に事故が起きる事を忘れない事が大切
です。

鉄人レースと言われるトライアスロンですが、実は3種目により負担の掛かる箇所が違うので、十何時間
競技を続けても故障し難い競技なのです。

フルマラソンやウルトラマラソンの方が余程体にはよくないのです。単純な動作の繰り返しは確実に体を
蝕みます。

武田鉄矢のドラマでの名台詞に「僕は死にません」という言葉があります。トライアスロンに出場する人達は
記録云々よりも、この言葉を体現する事の方がずっと大切だと思います。

あの曲を思い出してしまうけど、あの人はこの曲を作った時にも既に薬を使っていたのかなと思う今夜の私です。