潰れてもいいから、世界のトップに食らいつけ!~安全運転に終始した女子マラソン日本代表 | 「最後まで諦めない」~医師、時々作家、そしてランナー

「最後まで諦めない」~医師、時々作家、そしてランナー

医師であり、時々作家、そしてランナーである筆者が日々の出来事について徒然なるままに綴っております。「最後まで歩かない」事をレースでも、人生でも目指しております。

今日は月曜日です。

今日から又新しい一週間が始まります。早いもので12日(日)にはロンドンオリンピックも閉幕します。今週は大会も佳境に入り、俄然盛り上がってきそうだなと感じています。

ロンドンとの時差に苦しむ一週間になりそうですが、4年に1度のスポーツの祭典です。仕事やトレーニングに支障を来さない程度にライブで見たいと思っています。

山口県西部、今日も曇りの予報を裏切って、終日強い日射しが照り付けています。非常に暑い一日でした。本日の「金沢守クリニック」の外来総受診者数は31名でした。

昨日出場した“SWIMRUN in 多伎”のレースでの距離を合わせて、現時点でラン42.1キロ、バイク55.4キロ、
スイム6.9キロです。今朝は休足しましたが、夜10.5キロ走ろうと思っています。

さて、昨夜は日本でもゴールデンタイムに放送された女子マラソンに見入った方も多かったと思います。
TBSとフジが同時刻に全く同じ映像を流すという異常事態w。私も男子卓球団体戦とチャンポンで見てました。

五輪女子マラソンの平均視聴率は22・5%。その影響を受けた「平清盛」は過去最低の7.8%だったようです。しかし、結果は大変失礼ですが、“惨敗”でした。メダルどころか入賞さえも遠い結果に終っています。

女子マラソン 日本人最高は木崎の16位 尾崎は19位


アフリカ勢と互角に渡り合うのは困難かもしれません。金メダルを獲得したのはエチオピアの選手、銀メダルを獲得したのはケニアの選手でした。しかし、銅メダルはロシアのペトロワ選手でしたし、アジア選手では中国のジュ・シャオリンが6位入賞を果たしています。

アフリカ勢の強さは際だっていましたが、序盤レースを引っ張ったのはイタリアのヴァレリア・ストラネオ選手
でした。彼女は勝負してました。解説の有森裕子さんもその頑張りを評価していました。

それに引き替え、日本選手3名は余りにも不甲斐なかったです。テレビ画面に映る事さえ少なかったと思い
ます。

「もう駄目だと思ったら、その選手は残り2人のペースメーカーになろう」 と日本女子マラソンの尾崎、重友、木崎の3人は、悲壮なまでの覚悟で昨日の決戦に臨んだようです。

誰かが犠牲になっても、「日本チーム」として入賞を狙いにいったのです。しかし、世界の厚い壁にはね返され、木崎選手の16位が最高という惨敗に終わりました。 

スタート約1時間前に大雨が降り出した悪条件。しかし、雨は出場選手全員に等しく降っています。序盤は大集団になり、18キロ過ぎで右足首を痛めていた重友選手が早々と脱落しています。

尾崎、木崎の両選手も24キロ過ぎのアフリカ勢のペースアップについていけませんでした。19位の尾崎選手は「後半に順位を上げるプランだったが、足が動かなかった」とレース後に話しています。

木崎選手も「一人でも入賞しようという目標を果たせず、申し訳ない」とうなだれたようです。

結局、一度も勝負に絡めず、2大会連続でメダルを逃しています。北京五輪後、世界は急激にレベルが
上がっています。昨日のアフリカ勢の30キロ過ぎてからの走りは、女子のフルマラソンに革命が起きている
事を感じさせるものでした。

4大会連続で五輪に代表を送り込んだ天満屋の武冨豊監督は「代表3人を上回る選手が30人はいる」と厳しい認識を持っていたようです。

今回の代表3選手は代表として危機感を共有し、6~7月に米フラッグスタッフで初の合同合宿を行っています。給水を融通できるようボトルの中身も打ち明け合ったそうです。 

これだけの共闘態勢は、日本勢同士が金メダルを争っていた時代には考えられなかったとの事です。日本が積み上げたノウハウを結集して戦うことに希望をつないでいただけに、敗戦のショックは大きいと伝えられています。

「想定していた以上に、世界との差が開いていた」と河野匡ヘッドコーチも語っています。日本女子マラソンが、あまりにも厳しい現実を突きつけられた昨日のレースだったようです。

私もそうですが、日本人はマラソンが大好きな人種でしょう。東京、大阪、神戸、京都などの都市型マラソン
はどれも人気が高く、出場するまでの道程がレースだったりします。

スポーツブランドも男性よりも女性の心をいかにくすぐり、捉えるかが勝負だと感じていると思います。日本の女性は長距離走に確実に向いている事は間違いないでしょう。

フルマラソンを3時間を切るスピードで走る女性市民ランナーも決して珍しくありません。トラック競技では、とても海外勢とは対等に渡り合えない日本人選手が、世界の舞台で勝負出来るとしたらフルマラソンしかないと信じていましたが、その考えも改めなければならないと感じています。

昨日のレースを制したエチオピアのゲラナ選手が出したオリンピック新記録は日本の高橋尚子さんが、シドニーオリンピックで出した記録でしたものです。高橋尚子さんや野口みずき選手のような圧倒的な強さを持った日本人選手はもう出ないのかとも感じます。

オリンピック前の選手選考レースだけが盛り上がって、肝心のオリンピックのレースでは惨敗するという悲しい結果が男女ともに続いている日本マラソン界のジレンマ。オリンピック最終日である12日に行われる男子
マラソンでは、昨日のリプレイのような“見逃し三振”のレースだけは見たくないと思います。

藤原新選手を始めとする男子の代表3選手には空振り三振でもいいし、途中で潰れてもいいから、レースに絡んだという戦いをして欲しいと切に願う今夜の私です。