骨粗鬆症の治療が今日から変わる!~「テリボン」デビュー! | 「最後まで諦めない」~医師、時々作家、そしてランナー

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医師であり、時々作家、そしてランナーである筆者が日々の出来事について徒然なるままに綴っております。「最後まで歩かない」事をレースでも、人生でも目指しております。

今日は金曜日。今週はあっと言う間に週末が訪れます。

今日の「金沢守クリニック」の外来総受診者数は50名でした。開業してから、50名の壁を破ったのは初めての事
です。インフルエンザワクチン接種のために受診される方も、最近の冷え込みに伴って増えています。

今朝の山口県西部はとっても寒かったです。寒風の中、今朝も走っています。10.5キロを47分14秒99かけて走りました。676カロリーを消費しています。キロ4:28分のペースでした。11月の月間走行距離は230キロに達しています。

つくばまで後2日なので、何も無理をする必要はなかったと思います。それでも走っているのは、つくばが最後の
レースではなく、今季エントリーしているフルマラソンの内の一つである、即ち通過点に過ぎないと自身が考えて
いるからです。

例え、つくばでいい記録を残せなかったとしても、次のレースに繋げて行けるようなレースをしようと固く心に誓って
います。

さて、今日11月25日に旭化成ファーマから「テリボン」という腰椎圧迫骨折リスクの高い骨粗鬆症に対して用いる
事の出来る週1回の皮下注射製剤が発売され、日常臨床での使用が可能となっています。

「テリボン」の特徴を以下に記します

1.週1回投与の骨形成促進剤です。
日本で創薬された週1回投与の骨形成促進剤です。
・骨吸収を亢進させることなく骨形成を促進します。

2.日本人での骨折抑制エビデンスを有してます。
新規椎体骨折の発生を78.6%抑制新規椎体骨折の相対リスク減少率(対プラセボ、72週後)は78.6%でした。
(第Ⅲ相試験)
・49週目以降での新規椎体骨折の発生は認められませんでした。

3.腰椎および大腿骨の骨密度を増加腰椎および大腿骨近位部の骨密度を増加させます。

4.大腿骨頸部の皮質骨厚を増加大腿骨頸部の皮質骨厚を増加させます。

これまで「フォルテオ」という毎日自己注射するタイプの、テリボンと効果は全く同じ製剤があり、私の診療所
でも何名かの患者さんがお使いになっています。

自己注射が苦にならない、或いは家族が毎日注射をしてくれる環境にある方の場合は、「フォルテオ」もいい薬
だと感じています。

テリボンは毎週1回病院なり診療所なりに行かねば投与する事が出来ない点が難点と言えば難点です。
遠方から通院されている患者さんにはお勧め出来ても、自分の診療所で投与は出来ません。

そして、テリボンの最大の欠点はそのお値段です。薬品の定価は12.971円なのです。これが3割負担の方だと
1回3618円になります。月に4回注射すれば14.475円も掛かってしまいます。

テリボンの投与期間は1年半と決まっています。これを1年半続ける経済力がある方は内服薬よりもずっと効果
は期待出来ますので、投与する事は悪くないと思います。

ちなみに1割負担の場合は1回が1287円、4回なら5188円とかなり経済的な負担は下がります。これぐらいなら
何とかと考える方も少なくないかもしれません。

経口のビスフォスフォネート製剤も随分進歩したと感じてはいます。しかし、長年服用しても一向に骨密度が
上昇しない方も沢山いるのも又事実なのです。

何にせよ、自己注射に抵抗がなければ「フォルテオ」、自己注射に抵抗があり、近くにテリボンの使用に対して
吝かでない病院ないしは診療所があれば「テリボン」を使うというように選択肢が増えた事は患者さんにとって
は福音だろうと思ってます。

私は勿論、今日にでも患者さんからのリクエストがあれば、テリボンを投与させて頂くつもりでした。

確実に骨粗鬆症の治療にパラダイムシフトが起こりつつあると思う今夜の私です。