映画の中の人が観る「映画」と「演技」 -2ページ目

映画の中の人が観る「映画」と「演技」

映画の魅力とは何か、演技に魅了されるのはなぜか、を考えます。


『チャッピー』

★★★★★
ニール・ブロムカンプ監督。
TOHOシネマズ新宿で観た。

美術がカワイイ!!
廃墟の隠れ家の壁の落書きとか、同じく廃墟のベッドの足がパステルカラーのレンガだったり! ムーア(ヒュー・ジャックマン)がロボを操縦するときのヘルメットに動物の絵のマークが描かれてあったり、黄色に塗った機関銃や、試し撃ちをする瓶もカラフルでいい!
それらが浮いてないのが凄いよなあ。

ストリートギャングのニンジャ(ワトキン・チューダー・ジョーンズ)が隠れ家に戻ってくるシーンで、車で乗り付けるのだが、カーステレオで爆音でかけてる曲がニンジャの歌だったので笑っちゃった。
で、エンドロールを観てたら「Enter The Ninjya」という曲だったので調べたら、なんとニンジャ役のワトキン・チューダー・ジョーンズと相方のヒロイン・ギャング、ヨランディが本当に歌っているではないですか!
もともとアーティトで、歌が先だったみたい。
「ディー・アントヴアルト(Die Antwoord)」というグループだそうです。
『Enter The Ninjya』
映画にはそのアーティスト名のまま出演してる!
監督は南アフリカ、ヨハネスブルグ出身で、このお二人も南アフリカのミュージシャンだし、同じ南アフリカの人たちを出演させたりするのが素敵。
舞台もヨハネスブルグだし本当に素敵。
地元愛だね。

製作がコロンビア映画/ソニーピクチャーズだけに、PS4とVAIOが大活躍してるのが微笑ましかった。
まあ毎度のことですが。

あとはカーアクションがさりげなくていい。
一台にぶつかりハンドルを取られスピンするのみと控えめ。
CGでなんでもアリの時代にあえて、やらないという選択肢がいい。



ここからはネタバレ。
登場人物がみんないいヤツら。
ニンジャらが、ロボットのチャッピーを騙し、強奪をさせる。でも強奪したあとにすぐ本当のことを言ってしまうとか悪いことをしてるんだけど人間味があっていい。

アメリカ(ホセ・パブロ・カンティージョ)が敵のロボットに胴体を引きちぎられるシーンのカット割りが変だったなあ。
ちぎれる瞬間は見せずにニンジャのリアクションを映してるんだが、サイズとカメラ位置が中途半端。
次のカットで、ロングショットで壁に投げつけられるアメリカの上半身。
想像だけど、本当は胴体がちぎれるショットがあったんじゃないかな。
倫理規制で完成後に入れ替えられたとしか思えないような変な編集だったな。

主人公のデオン(デーヴ・パテール)も最後にロボットになって、チャッピーとロボ同士で感動的なシーンをやるのは笑えた。いやもちろん感動するんだけど、そうきたか! とおもわず笑っちゃった。
いい映画でした。


事前チェック映画
『第9地区』 クリックするとYouTubeで冒頭の5分間が観られます。
言わずと知れた同監督の代表作。
ヨハネスブルグにあの宇宙船が浮かぶショットは衝撃的でした。
この映画で主演したシャールト・コプリーはチャッピーのモーションキャプチャーと声を担当したそう。

『ラン・オールナイト』

★★☆☆☆
ジャウマ・コレット=セラ監督。
TOHOシネマズ新宿で観た。

何と言ってもエド・ハリス(マフィアのボス)の顔! これが素晴らしい。
次の瞬間に何が起こるかわからない、あの目と顔。決して表情での説明芝居をしないところもいい。
エド・ハリスといえば傑作『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(2005年 デヴィッド・クローネンバーグ監督)のときの顔も凄い。あれは脳裏に焼きつく。
忘れがたい顔を持っている俳優。

撮影自体はカメラの位置や無駄に割りすぎた編集にイマイチ乗れなかったが、空撮の真俯瞰からそのままスピーディにぐんぐん登場人物の家にカメラが寄っていくのが良かった。

物語的にも引っかかるところが多く、たとえば主人公のジミー(リーアム・ニーソン)がカーチェイスでパトカーを追い詰めるのだが、そのパトカーには連行されている息子(ジョエル・キナマン)が乗っているにもかかわらず、それを無視してパトカーを横転させてしまうという、せっかく息子が乗っているという枷(カセ)をぜんぜん生かしきれていないところや、パトカーが逃げ惑うという不自然さもすっきりとしない。
バーでジミーがショーンに「息子を許してくれ」と交渉するシーンでは、せっかく賑わっている場所でいくらでも予想外で派手なことができるはずなのに、話し合いだけで終わってしまう。人が多い華やかな場所で、陰惨なことが起こったりするのが映画なのにな。あとこのシーンの撮影が、二人の周りをカメラが一周するとか、衝撃的にダサい。古い。
エド・ハリスの最期ももっと他にやり方はなかったのかなと思う。
そして途中から出てきた殺し屋が、警官を殺しすぎてリアリティが失われていく……。

と、まあ褒めるところは少ないのだけれど、ぜひエド・ハリスを観に足を運んでほしい。

ハリウッドのカーチェイスってこうやって撮ってるのね! と感心した動画。
『ラン・オールナイト』カーチェイス撮影メイキング映像
そしてエド・ハリスさんインタビュー。
『ラン・オールナイト』リーアム・ニーソン&エド・ハリスインタビュー映像

僕も教えてもらったのだが、TOHOシネマズのシネマイレージ会員になると映画を一本観るたびに上映時間分のマイルが貯まり、6000マイルを貯めたら一ヶ月フリーパスがもらえるとのこと。
120分の映画を2年間で50本ほど観ればいい計算。ということは月に2~3本。それなら貯められそう!
シネマイレージ マイル交換特典


事前チェック映画: 『蝋人形の館』
ジャウマ・コレット=セラ監督の2005年の作品。
この監督のデビュー作にして傑作。

AmazonでのDVD『蝋人形の館+特別版』
演技について考える。その2「リアクション」の大切さ。
①相手が話しているときにただ待っているだけになってしまうのはNG。
話を聞きながら何を考え、何を思い出し、何を言いたくなるのかが大切。
言われていることに対して無理をして表情を作るのではなく心が反応すること。
そうすれば表情は勝手に現れるもの。
観客はしばしばセリフよりも聞いている相手の表情で、どれぐらいのことが起こっているのかを判断します。
たとえばお笑いでも芸人さんが言ったことに対し、松本人志さんが笑っていたら「あ、これ面白いんだ」と見ている側も思うことがあります。
それは信頼できる人のリアクションがものさしになっているからです。
演技にもそれは当てはまります。
②次に何が起こるかがわかっているため、感情が先回りして次の準備をしてしまうのはNG。
たとえば相手に3行のセリフがあり、最初の2行が笑い話で残り1行が自分に対する嫌味だったとして、最初の2行のセリフを聞いているときにすでに3行目を意識して苦い顔になってしまう人が多いこと多いこと。
せっかくいろんな心の移り変わりを表現できるのにもったいないなあといつも思います。
先回りというのはネタばらしと同じ!
ネタバレしてしまうと観客が「次はどうなるんだろう?」というドキドキがなくなり「やっぱりそうなるよね」と感じてしまいます。
後の展開は登場人物も知りません。
「役を生きる」というのはそういう意味です。
2015年5月現在の映画館の割引サービスデーをまとめてみました。
映画館に足を運ぶ機会が増えてくれればと思います。
金額が書いていないものは1,100円です。
3Dなどは別途料金がかかります。
曜日や金額はそれぞれのHPでご確認下さい。
間違いがありましたらやさしく教えてください。

月曜日
イオンシネマ海老名
イオンシネマ新百合ケ丘
イオンシネマみなとみらい(桜木町)
イオンシネマつきみ野
イオンシネマ茅ヶ崎
イオンシネマ港北ニュータウン(センター北)
【メンズデー】
横浜シネマリン(関内)  1,000円
小田原コロナシネマワールド(国府津)

火曜日
【レディースデー】
MOVIX橋本

水曜日
【レディースデー】
チネチッタ(川崎)
TOHOシネマズ川崎
109シネマズ川崎
TOHOシネマズ海老名
109シネマズ港北(センター南)
横浜ニューテアトル(関内)  1,000円
横浜シネマリン(関内)  1,000円
横浜ブルク13(桜木町)
シネマ・ジャック&ベティ(黄金町)  1,000円
港南台シネサロン  1,000円
109シネマズ湘南(藤沢)
シネプレックス平塚
横須賀HUMAXシネマズ
TOHOシネマズ小田原(鴨宮)
TOHOシネマズららぽーと横浜(鴨居)
TOHOシネマズ上大岡

木曜日
【メンズデー】
アルテリオ映像館(新百合ケ丘)  1,000円
横浜ニューテアトル(関内)  1,000円
シネマ・ジャック&ベティ(黄金町)  1,000円
MOVIX橋本

金曜日
【レディースデー】
ムービル(横浜)
アルテリオ映像館(新百合ケ丘)  1,000円
小田原コロナシネマワールド(国府津)



毎月5日・16日・27日
小田原コロナシネマワールド(国府津)

毎月10日
109シネマズ川崎
ムービル(横浜)
109シネマズ港北(センター南)
109シネマズ湘南(藤沢)

毎月14日
TOHOシネマズ川崎
TOHOシネマズ海老名
TOHOシネマズ小田原(鴨宮)
TOHOシネマズららぽーと横浜(鴨居)
TOHOシネマズ上大岡

毎月20日
MOVIX橋本

毎月23日
チネチッタ(川崎)
2015年5月現在の映画館の割引サービスデーをまとめてみました。
映画館に足を運ぶ機会が増えてくれればと思います。
金額が書いていないものは1,100円です。
3Dなどは別途料金がかかります。
曜日や金額はそれぞれのHPでご確認下さい。
間違いがありましたらやさしく教えてください。

月曜日
イオンシネマ茨木
イオンシネマりんくう泉南
イオンシネマ大日
【メンズデー】
シネマート心斎橋
第七芸術劇場(十三)
淡路東宝

火曜日
【メンズデー】
MOVIX堺
布施ラインシネマ

水曜日
テアトル梅田
シネ・リーブル梅田
シネ・ヌーヴォ(九条)
【レディースデー】
TOHOシネマズ梅田
大阪ステーションシティシネマ(梅田)
梅田ブルク7
TOHOシネマズなんば
なんばパークスシネマ
MOVIX堺
シネマート心斎橋
あべのアポロシネマ(天王寺)
布施ラインシネマ
TOHOシネマズ泉北
ユナイテッドシネマ岸和田
第七芸術劇場(十三)
淡路東宝
高槻アレックスシネマ
109シネマズ箕面
MOVIX八尾
シネプレックス枚方
TOHOシネマズくずはモール
TOHOシネマズ鳳(堺西)



毎月10日
布施ラインシネマ
109シネマズ箕面

毎月14日
TOHOシネマズ梅田
TOHOシネマズなんば
TOHOシネマズ泉北
TOHOシネマズくずはモール
TOHOシネマズ鳳(堺西)

毎月20日
MOVIX堺
MOVIX八尾

毎月25日
シネマート心斎橋  1,000円

毎月第2金曜日
シネプレックス枚方

『ブラックハット』

★★★★☆
マイケル・マン監督。
TOHOシネマズみゆき座で観た。

オープニングは大気圏から見た地球。続いてPCの電子経路を映像化していて美しかった。
マイケル・マン監督の映画はとにかく色と光が素晴らしい。特に赤とグリーンの配置。
色使いに品があって、うっとりする。
香港のマーケットを俯瞰で撮ったショットやマレーシアの白い土地にも目を奪われた。

主人公のハサウェイ(クリス・ヘムズワース)とヒロインのリエン(タン・ウェイ)があまり会話を交わさず、すぐにキスをして一夜を共にするのがいい。
日本映画だと、そこへたどり着くまでにくだらない会話で長々と理由付けをするので、観客はただ待たされるだけになってしまう。それは女優(というより事務所)に対する敬意のつもりか、脚本家が説明しすぎなのか……。
『ブラックハット』は愛を視線だけでサラッと表現していて潔し。
でもリエンは軽い女じゃないよ! という前振りとして、バーで別の男にナンパされるシーンがあり相手にしないことでくだらない男にはなびかない、という性格描写もされていて、これも悪くない。
その女が選んだ男だからこの選択は正しいのだ、という説得力になっている。

大作にしては上映館が少な過ぎるのとYahoo!映画の評価が低すぎる(5/11の段階で2.31、前日は1点台だった)のは、香港の原子炉が爆破され放射能漏れが起こるシーンがあるからかなと邪推してしまう。

『ブラックハット』撮影メイキング映像


事前チェック映画:『コラテラル』
マイケル・マン監督の2004年の作品。
トム・クルーズと今や超売れっ子のジェイミー・フォックスが出演しているサスペンス。
トム・クルーズが殺し屋になりきっていて無駄のないアクションが素晴らしい。
セル用のDVDにはメイキングの他に、ヒロインのジェイダ・ピンケット=スミスのオーディション風景や、トム・クルーズとジェイミー・フォックスのリハーサル風景などが盛り込まれていて必見。リハーサルはタクシー内のシーンなのだが、監督の事務所でパイプ椅子を並べタクシーに見立てて練習していた。ハリウッドも日本と変わらないんだ! と驚いた。

Amazon『コラテラル-スペシャル・コレクターズ・エディション-Blu-ray-』
2015年5月現在の映画館の割引サービスデーをまとめてみました。
映画館に足を運ぶ機会が増えてくれればと思います。
金額が書いていないものは1,100円です。
3Dなどは別途料金がかかります。
曜日や金額はそれぞれのHPでご確認下さい。
間違いがありましたらやさしく教えてください。

月曜日
イオンシネマ板橋
イオンシネマ多摩センター
イオンシネマむさし村山
イオンシネマ日の出
【メンズデー】
シネマート新宿

火曜日
ル・シネマ(渋谷)
下高井戸シネマ  1,000円
【メンズデー】
ニュー八王子シネマ  1,000円

水曜日
YEBISU GARDEN CINEMA(恵比寿)
角川シネマ有楽町
ヒューマントラストシネマ有楽町
ヒューマントラストシネマ渋谷
アップリンク(渋谷)
テアトル新宿
シネマカリテ(新宿)  1,000円
新宿武蔵野館  1,000円
角川シネマ新宿
シネ・リーブル(池袋)
キネカ大森
ラピュタ阿佐ヶ谷  1,000円
【レディースデー】
TOHOシネマズ渋谷
渋谷シネパレス  1,000円
渋谷TOEI
渋谷HUMAXシネマズ
シネクイント(渋谷)
TOHOシネマズ新宿
シネマート新宿
TOHOシネマズ六本木ヒルズ
池袋HUMAXシネマズ
シネマサンシャイン池袋
池袋シネマ・ロサ  1,000円
TOHOシネマズ日劇/スカラ座・みゆき座/シャンテ(有楽町・日比谷)
丸の内ピカデリー(有楽町)
丸の内TOEI(銀座)
東劇(銀座)
TOHOシネマズ日本橋
吉祥寺オデヲン
吉祥寺プラザ
TOHOシネマズ錦糸町
新天地シネマズ錦糸町
船堀シネパル  1,000円
テアトル蒲田
蒲田宝塚
ユナイテッド・シネマとしまえん
ユナイテッド・シネマ豊洲
T・ジョイ大泉
品川プリンスシネマ
TOHOシネマズ西新井
TOHOシネマズ南大沢
TOHOシネマズ府中
シネマメディアージュ(お台場)
MOVIX亀有
MOVIX昭島
シネマサンシャイン平和島
109シネマズ木場
109シネマズグランベリーモール(南町田)
109シネマズ二子玉川

木曜日
【メンズデー】
渋谷シネパレス  1,000円
【レディースデー】
ニュー八王子シネマ  1,000円

金曜日
【レディースデー】
シネスイッチ銀座  950円



毎月10日
109シネマズ木場
109シネマズグランベリーモール(南町田)
109シネマズ二子玉川

毎月14日
TOHOシネマズ日劇/スカラ座・みゆき座/シャンテ(有楽町・日比谷)
TOHOシネマズ新宿
TOHOシネマズ日本橋
TOHOシネマズ六本木ヒルズ
TOHOシネマズ渋谷
TOHOシネマズ西新井
TOHOシネマズ南大沢
TOHOシネマズ府中
TOHOシネマズ錦糸町
シネマメディアージュ(お台場)

毎月20日
MOVIX亀有
MOVIX昭島

毎月25日
シネマート新宿

『マップ・トゥ・ザ・スターズ』
★★★★★
デヴィッド・クローネンバーグ監督。
ファーストカットはバスの車内。運転席側から乗客を撮っている。カメラがそのまま前進移動するとシートに深く体をうずめて寝ている女が映し出される。
これが素晴らしい。この映画の呼吸をワンカットで教えてくれる。
その映画が面白いかどうかはファーストカットでほぼわかる。
それが良くても尻すぼみになることもあるが、ファーストカットがダメな映画は最後までダメだ。

説明なしに現れる幽霊たちがいい。幻覚のように扱ってはいるが13歳の少年が、会ったこともない溺死した子どもを見てしまうシーンで、これはただの幻覚ではないとわかる。溺死した子は別のシーンで出てくるが、この少年との接点はない。だから観客だけがそれに気づくのだ。
言葉ではなく映像で観客に発見させてくれる良質な映画。粋だなあと思う。

DVDレンタルが開始されたのでぜひ。