映画の中の人が観る「映画」と「演技」

映画の中の人が観る「映画」と「演技」

映画の魅力とは何か、演技に魅了されるのはなぜか、を考えます。

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「本当にあった怖い話」のサイトに、演技レッスン中に撮った短編2作品を取り上げていただきました。
トップページより「短編ホラー動画特集」でご覧いただけます。
夏だね!
本当にあった怖い話
前回、YouTubeからホラー動画が削除されたことを書いたのですが、また別のホラー動画が削除されてしまいました。

違反警告のメールが届くのって心臓に悪いんだよねえ。
怒られてるわけだし。

そして「異議申し立て」をしたところ「詳しく調査した結果、お客様の動画は YouTube のコミュニティ ガイドラインに違反していないと判断いたしました。動画は再開されており、アカウントもこれまでどおりご利用いただけます」
とのこと。

YouTubeで働いている人も大変だなあ。
興味のない動画や見たくない動画もチェックしなきゃいけないわけだし。
しかもほとんどが興味のない動画だろうし。

今回削除されたのはパート1の方。
https://youtu.be/kJMHoe2bw34
英語字幕を付けてもらったら海外からの視聴がかなり増えたのでうれしい。
きのうYouTubeから
「あなたがアップロードした 1 つ以上の動画について、不適切であるという報告が YouTube コミュニティから寄せられました。 コンテンツを審査した結果、この動画がコミュニティ ガイドラインに違反していると判断いたしました。そのため、次の動画を YouTube から削除しました。
あなたのアカウントに対し、1 回目のコミュニティ ガイドライン違反警告が送られました。この警告は 6 か月間有効となります。違反が繰り返された場合は、YouTube にコンテンツを投稿することができなくなることがあります。また、アカウントが停止されることもあります。」
というメールが届いた。

演技レッスンで撮った英語字幕版のホラー動画についてだった。
https://youtu.be/KpraS176wQs

まったく意味がわからなかったので「異議申し立て」をしたところ返信が来て

「動画の異議申し立てを YouTube にお送りいただきありがとうございます。 さらに詳しく調査した結果、お客様の動画は YouTube のコミュニティ ガイドラインに違反していないと判断いたしました。動画は再開されており、アカウントもこれまでどおりご利用いただけます。
今後とも YouTube をよろしくお願いいたします。」
とのこと。

ナゾ!
なんで不適切だという報告がされたのだろう。
最初のメールがけっこう強気だったからドキドキしちゃったよー。

YouTubeのガイドラインを見てもどれが当てはまりそうになったのかがわからない。
http://www.youtube.com/yt/policyandsafety/ja/communityguidelines.html

「暴力的で生々しいコンテンツ」かなあ。
いや暴力的っていっても、手を踏んづけるぐらいだし笑
怖いから! っていう理由ならうれしいな。
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
★★★★☆
ジョージ・ミラー監督。
TOHOシネマズ新宿で観た。
ジョージ・ミラー監督は1979年から続く第1作~第3作の『マッドマックス』シリーズの監督であり、今作が第4作目。
すべて自分で監督していて、70歳になってもここまでハードロックな映画に仕上げてしまう狂気に脱帽。世界観が細部まで素晴らしい。
とくにイモータン・ジョー(ヒュー・キース・バーン)のマスクの口がぱかっと開いたり、ハリネズミ車とか、高飛び棒でぴょーんとかに製作者側の愛があって可愛かった。
敵対する武装集団が、トラックのフロント部分に巨大スピーカーとギタリストをぶら下げ、後部に太鼓軍団を乗せながら、戦闘車と並走させるのだが、これは音楽と宗教の密接な関係性を表していて興味深い。
「撮影予定地だった荒野が大雨による影響で緑化して花畑になってしまい撮影出来なくなった」というエピソードも可愛い。

『したくて、したくて、たまらない、女。』(1996年)
★★★★☆
沖島勲監督。
ラピュタ阿佐ヶ谷で観た。
沖島監督は「まんが日本昔ばなし」の脚本家。
温泉街に美女の生き霊(もしくはドッペルゲンガーかな)が出てきて男(といってもおじいちゃんとか、冴えないおじさんなど)と寝たがるという「ピンク映画版 日本昔ばなし」。
でも、どぎつい内容かと思っていたらファンタジックで素敵な映画だった。
監督のどの映画にも共通する、息の長いゆったりとしたカットはそれでいて緩慢にならずに独特のリズムを生み出していて心地いい。
黒沢清監督が、俳優として結構重要な役で出演しています。

『ニクラスハウゼンの旅』(1970年)
★★★☆☆
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督。
アテネフランセで観た。
映画というより舞台のよう。
廃車場での火あぶりの刑が、火をつけてからも長回し。
やっぱりそうしたいよね。そういう演出が好きだ。

『ホワイティ』(1971年)
★★★☆☆
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督。
アテネフランセで観た。
なかなか喋らないと妙な間が空く。
しかしそれが映画のリズムを作っていく。
監督とは編集でリズムを作る仕事だと改めて思った。

『トイレット部長』(1961年)
★★☆☆☆
筧正典監督。
ラピュタ阿佐ヶ谷で観た。
池部良さんの、体をくの字に曲げ頭から布団に突っ込む、酔っ払い演技が素晴らしい。
池部さんが、仲人として話している姿に感動。
それはストーリーとは別で、肉体とセリフがあまりにも一致しているためそれだけで観客の心を揺さぶるから。

『出張』(1989年)
★★★★☆
沖島勲監督。
ラピュタ阿佐ヶ谷で観た。
男はとことん情けなく、逆に女を狐狸妖怪のように描くという沖島監督の真骨頂。
石橋蓮司さんと原田芳雄さんのセリフのやり取りが、表情での説明演技を一切しておらず素晴らしい。
難しいセリフも体で言えているので違和感が全く無い。
石橋蓮司さんのモノローグが入るのだが、説明セリフではなく心の声として人間味を表していて面白い。

『現代人』(1952年)
★★☆☆☆
渋谷実監督。
ラピュタ阿佐ヶ谷で観た。
美術がいい。広々とした階段がむき出しの会社や山田五十鈴さんが経営するバーの階段。
山田五十鈴さんがバーの通路で池部良にフラれた後、サバサバと強がるのが素晴らしい。
ガラッと空気を変える演技。
俳優はセリフを喋るだけではなく、空気を変えなければならないのだ。

『ニュー・ジャック・アンド・ベティ モダン夫婦生活讀本』(1969年)
★★★★★
沖島勲監督。
ラピュタ阿佐ヶ谷で観た。
ひたすら格好いい映画。
社会的地位のあるもの(高貴なもの)が一瞬にして下品なものに成り代わるという世界観がいい。
高貴なものと低俗なものは紙一重ということ。
小さな糸口をガバッと広げる。酔った重役が社長に「お前!」と食ってかかる。止めに入った妻に向かって「うるさい! スケベ!」と叫ぶ。重役は別室に連れて行かれる。静まり返るリビング。突然、社長の娘が「スケベだって!」と大笑いしだす。周りは動揺するも感化され社長が「あいつはスケベだ!」と怒り出す。そこから社長の妄想で、重役がどれだけスケベなことをしてきたかを話す。その妄想に対して社長の妻も口を挟む、などなど。混沌としてくる。ものすごいエネルギー。
タブーに触れ、理性の向こうを見せてくれる。
現実の薄皮一枚を突き破る映画。
その日の ツムギ の演技レッスンは二人だけの参加で、施設も自由に使えたので「短編ホラーを撮ろう!」と思い立ちました。
台本は、ルーレットアプリ「Decide Now!」を使って、事前に入力しておいた場所や二人の関係性や何が起こるかを選んで、ストーリーを決めて書きました。
つまりルーレットで出たお題を使う、ということです。
たとえば「どんな幽霊?」のルーレットでは「若い女・老婆・女の子」などホラーに出てきそうな設定をあらかじめ入力して作っておく。
今回は「女の子」になりました。
あとは場所が「廊下」。職業が「医療関係」。二人の関係性が「同僚」に決定しました。

【三人で相談しながら書いた台本】

  病院の廊下を歩いている山口と吉野。
吉野「あ~」
山口「なにしてんの。行くよ」
吉野「ヤダ」
山口「(笑って)オバケなんてただの噂だから。早く」
吉野「噂じゃないですよ、絶対。もう~ヤダヤダヤダこわいよー」
山口「……なにやってんの。ほら、もう朝まで仕事山積みなんだから、行くよ」
  吉野、あまりに平然としている山口を驚かそうと思い、
吉野「うわっ!」
  と声を上げる。
山口「なに?」
  吉野、玄関を指して。
吉野「ほら、あそこ! 女の子!」
山口「は? (玄関に近づき確認するが誰もいない)」
吉野「(笑って)びっくりしました?」
山口「した」
吉野「ウソばっかりー」
  笑う山口と吉野。
  山口、階段を上ろうとすると、踊り場に女の子が見える。
山口「(女の子に)ん? どうしたの?」
  山口と吉野、目を合わせる。
吉野「(見えていない)ハイハイ」
  山口、階段を駆け上がる。踊り場でしゃがみ、
山口「どうしたの? どっから来たの?」
  吉野、山口が逆に怖がらせようとしているのかと思い、
吉野「ちょっと、もういいですよ。山口さん、(ふざけて怖がる振りをして)怖い怖い怖いなー。ね?」
山口「トイレ?」
吉野「山口さん! そういうのいいです。怒るか怒らないかでいうと、怒りますよ」
女の子の声「だれもあそんでくれないの」
  女の子が階段を駆け上がる足音。
吉野「え?」
山口「待って。お部屋まで一緒に行こう。上にはお部屋ないよ。おいで」
吉野「気持ち悪いから本当にやめてください。もう。もう!」
  吉野、階段を上がる。
山口「(女の子に)え? ダメダメ!(と手で制止する)」
  山口、吉野を見て。
山口「危ない!!」
  吉野の目の前に、階段の上から何かが落ちてくる。
  金属音と笑い声。
吉野「なんすか? ……え!?」
山口「ちょっと、待ちなさい!」
  山口、階段を駆け上がる。
  山口を追う吉野。
吉野「山口さん!? ちょっと、山口さん! 待ってください!」
  山口を追う吉野。
  部屋に入るが誰もいない。
吉野「山口さん!?」
  部屋を出て階段に戻る。
  と、急に山口が飛び出してくる。
  驚き、階段から転げ落ちる吉野。
  吉野、絶命している。
  しばらくして、吉野の足が引っ張られ、闇に消えていく。


そして撮影時間は1時間半、機材はiPhoneのカメラだけという身軽な撮影で、3分ほどの短編ができました~。

『短編ホラー 江川千絵さん×佐藤智幸くん』