横浜夢座の過去の公演を紹介するシリーズ、横浜夢座ヒストリー。 

 

第4回は、「山本周五郎の妻」です。

 

 空襲の激しさが増す終戦末期、きんは防空壕の中で、近所に住む小説家・山本周五郎

から「これは貴女をモデルにした小説です」と短編を渡される。

 

それは、世界でたった一つしかない物語、「そんなものを生み出せる小説家ってなんて

素敵!」と、きんは単純に感激したのだが、これが周五郎のプロポーズだった。 

 

きんは周五郎の後妻になって横浜・本牧海岸の新居に住むが、さあそれからが大変、

結婚したこともないきんがいきなり3人の子供の母親になる。

 

その上、周五郎は文壇でも有名な偏屈、頑固、家では亭主関白なくせにさみしがりやで

扱いにくく、金銭感覚が全くないので金の苦労も人並みではない。

 

 しかし、明るくて欲が無いきんの存在は、周五郎の作品に登場する女性像に大きな

影響を与え、周五郎の戦後の小説はどんどん社会的評価が高くなっていく。

 

 やがて数多くの連載を持つようになった周五郎は、ほとんど自宅に帰ってこなくなる。

 

遠のく夫婦の距離。次第に疲れてきたきんは、「自分の人生は一体なんだろう」と

考え始める。 

 

果たして、きんは、昭和の文豪・山本周五郎の妻として、どう生きていこうと決意

するのか……。

 

 

 

 

 

 

横浜夢座第7回公演 山本周五郎の妻 

 

2008年2月14日~2月18日 ランドマークホール

 2008年2月21日~2月22日 丸ビルホール 

 

脚本:小松與志子 演出:遠藤吉博 

 

出演: 五大路子   増沢望   松井工  加瀬慎一  剣持直明  加山到 

    高橋和久  家紋健太朗  長浜奈津子  今橋由紀  福田麻恵  

    由愛典子  井田智美

 

美術:加藤ちか 

照明:高山晴彦 

音響:小原木克郎 

衣装:東京衣装 ヘ

アメイク:中川由利子、菱木和子 

舞台監督:谷澤拓巳 

演出助手:K2(高橋圭) 

制作助手:高嶋惠子 

宣伝写真:森日出夫 

宣伝美術:岩方慎二朗

Edited by 高橋和久