静岡の清水市に作家の畑先生と一緒に行って来ました。



日本平にあるきみちゃんときみちゃんの母のかよさんの銅像の前で清水市の観光課の方と待ち合わせをしました。
ここ静岡県清水は かよさんの生まれたところなのです。
伺った日は寒い日でしたが、観光課の方がご親切に一緒に調査に参加して下さって、たくさんのことが見えてきてドキドキしました。



何年か前に読み芝居をした時もひとりで来たことがあるのですが、かよさんのお顔はその時とは違った顔に見えました。
あの時は優しくきみちゃんに微笑んでいるように見えたのですが、今回しみじみと顔を見るときみちゃんと別れる時の決意の目を持って、悲しみをこらえ、我が子を見つめている眼差しが私の胸を突きました。



「どんな思いで小さな我が子と別れ、そのあとを生きたのだろうか。。。」
そんな思いで胸がいっぱいになりました。



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銅像の写真を撮り、近くのお土産物屋のご主人が観光協会の方だったのでお話を伺えることになり、日本平のホテルに向かいました。



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そこからは富士山と海が一望に見渡せて、その下に「宮加三(みやかみ)」というかよさんの生まれた場所が見えました。ホテルでお話を伺い、たくさんの資料を頂きました。



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かよさんの従妹の息子様ともコンタクトが取れたのですが、現在ご病気のためご静養中とのことでお話を伺うことは出来ませんでした。
けれど、観光課の杉山さんが車でかよさんが生まれ、住んでいた場所に連れて行って下さいました。



今、その場所は「赤い靴」というアパートが立っているのみでしたがとってもドキドキしました。
アパートの前を見ると古い道があり、その先には神社がありました。



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かよさんも歩いたであろう道をたどるように神社まで行ってみました。
かなり古くからある神社でかよさんはこの場所に確実に来ていたことがわかりました。
お祭りもあったようで、どんな思いでこの神社に来ていたのでしょうか・・・
お参りの手を合わせながら心の中で「かよさんがお芝居のしてくれてよかった」と言ってもらえる作品を作りますからねと話しかけていました。



海が間近に迫るこの町で富士山と5月になれば新緑に燃えるお茶畑、みかん畑に囲まれて【清水の次郎長さん】とみんなが尊敬する次郎長のいるこの町で生きていたかよさんの少女時代を想像しました。
(次郎長さんは英語塾を開いたりもしていたようです)
三保の松原はすぐそこで、富士山がいつも見えるこの場所にいたんですね。。。



又、鳥居坂教会でお聞きしたメソジスト系の教会もお訪ねしました。



かよさんの住んでいた土の匂い、海の匂い、その土地の歴史を感じ、今回の芝居にどうやって表現していこうかと考えると胸がわくわくします。



さて、もうひとつお土産が出来ました。
実は横浜ローザがうまれたての頃、つまり22年前、この静岡でも私は確か公演をしたことを思い出しました。



車の中で「どこだったかなあ 確かこのへんで横浜ローザを公演したんだけど」と静岡の街に出た私が記憶をたどっていると、静岡の観光協会の方が乗り込んでこられて「私 見ました!」と。
「とても素敵な女の一生でした!忘れられません」と。
びっくりしました!!



「静岡のどこで公演したんだろう」と思っていたら「今、五大さんが通って来たあの大きなホールですよ!」と言われ「えええええ」ともっとびっくりでした。



20年経った今も彼女の心のその時のローザの姿が刻まれていることに感謝と感動と驚きで涙が出そうになってしまいました。



たくさんの女性たちのイキザマを描いてきた私たちの舞台は忘れ去られることなく、観て下さった方の心に寄り添っているのだと思うと感無量です。
そして又新たに挑むこの秋の芝居への活力になります。 「素晴らしい芝居にする!」



静岡をあとにして、横浜に帰る道中もふたりの銅像の画像を見ながら、
「かよさんは何をきみちゃんに話し、きみちゃんはどんな思いでお母さんの言葉を聞いていたのか」
「何を伝えたらかよさんは喜んでくれるだろう」とずっと考えていました。



静岡の取材の旅はとても大きな土産と課題をくれました。 がんばります!!