いつも応援して下さっている皆様へ




今年は長い間思い続けていた「夢」に皆様からの大きなパワーを注いで頂き、奇跡と呼べる出来事がふたつも起こりました。




まずは、横浜ローザのニューヨーク公演です。




終戦70周年にあたり、「この横浜で敗戦後に、凛として生きたひとりの老娼婦の思いを日本の戦後史として伝えたい。」




その強い思いと共にあった「恐怖や不安」を、たくさんの方の応援がパワーに代えてくれて、一緒に道を開いてくれました。



ニューヨーク公演を実現させることが出来たことは皆様が起こしてくれた奇跡だと思っています。




ブログの応援団の皆様、フレンズ倶楽部の皆様、たくさんの人たちのお心の支えによって実現したものと心から感謝しています。






たった二日間の公演にも拘わらず、ニューヨークタイムスが大きく写真を3枚入りで紹介してくださいました。





「居場所もなかった彼女に今この芝居は居場所を与えた。」という見出しを私は一生忘れることはないでしょう。





日本の国連大使も楽屋まで訪ねて下さり、力強く抱きしめて下さいました。




日本からもたくさんの応援団が来てくれてなんと心強かったことか。





インターネットやLINE、ブログのコメントなど、日本からも大きな応援は確実に届きました。





「夢は信じて歩めば叶う」

このことを実感出来た大きな奇跡、ニューヨーク公演でした。





日本でも、ニューヨークでも観劇されている方の中にローザは生きている。





たくさんの方が涙を流し、私も涙を流し、「心に国境はない!」と思えた瞬間の感動も私は決して忘れない。






日本に帰り、1月に上演した「奇跡の歌姫 渡辺はま子」の地方公演をさせて頂きました。





もう一つの奇跡は8月のローザの稽古の最中に1通のメールからでした。




「私のおじいちゃんはモンテンルパで処刑された1人です。その時私の母はまだ小さい子供でした。死後母は親戚に預けられたそうです。



私はおじいちゃんは処刑されたのだから、悪いことをしたのだとずっと思っていました。

母は倒れてから記憶も遠ざかり、知る術もありません。でもふと、もしかしておじいちゃんは本当に悪いことをしたのだろうかと思うようになりました。





渡辺はま子さんを演じている五大さん、おじいちゃんの最後の辞世の句があったと昔聞いたことがあります。ご存知では無いでしょうか。」




というものでした。





その名前は確かに私たちの舞台で冒頭で処刑された方の名前を挙げた時にありました。衝撃でした。





そしていろいろ調べ訪ねて、80代の登場してる人から、辞世の句も、最後の様子も「モンテンルパに祈る」という本に書かれていることがわかりお知らせしました。




そして横浜夢座の舞台のDVDを送らせて頂きました。



寝たきりになっている母に贈りたいとおっしゃってくださいました。




「無実の罪」であると言うことがわかってもらえたことはおじいちゃんの叫びを受け取ったことと重なります。





私は涙が溢れて止まりませんでした。




終戦70周年の2015年。

長い間、時の中に置き去りにされた「無実の罪」を解ってもらえて本当によかったと思いました。





この奇跡のメッセージはひとつ

「戦争は二度と起こしてはいけない」





私たちはだからこそ命を大切に、今を大切に、そして人を大切に生きなければとしみじみ感じた1年でした。





武蔵屋のおばちゃんも、93歳で元気に頑張っています。





昭和を生きたおばちゃん、そして笑顔の素敵なおばちゃん、神奈川学園私の先輩。

来年は、昭和の戦後史をたくましく生きた女性たちを描けたら・・・と思っています。




まだ何も決まっていませんが、皆さんにだけ心の内をチラッとお知らせします。どうなるか、ご期待ください。







長文になりましたが、最後までお読みいただいてありがとうございました。







今年もたくさんの応援を頂き感謝しております。








皆様、よいお正月をお迎えください。






ありがとうございました。

  





           2015年12月31日 五大 路子