第1回|2026年、お金の常識が変わった
──FP視点で見る「年代別に正解が分かれる理由」
ファイナンシャルプランナーとして相談を受けていると、
ここ数年、ある変化を強く感じています。
それは、
「同じお金のアドバイスが通用しなくなってきた」
ということです。
2026年を迎える今、
20代と60代に同じお金の考え方を当てはめることはできません。
なぜなら、
お金の役割そのものが、年代によって変わるからです。
■ FPの基本は「お金の役割を分けて考える」こと
ファイナンシャルプランニングの基本は、
お金を金額で見るのではなく、役割で分けて考えることです。
たとえば、
-
生活を守るお金
-
将来に備えるお金
-
使うためのお金
これらは本来、
同じ場所に置いて考えるものではありません。
ところが現実には、
「全部まとめて貯金している」
「なんとなく不安だから減らしたくない」
という状態の方が非常に多いのが実情です。
■ 2026年は「役割を分けないリスク」が顕在化する年
物価上昇が続く2026年では、
お金の置き方によって“意味”が変わります。
-
すぐ使う予定のお金
-
数年使わないお金
-
老後まで使わないお金
これらを区別しないまま持っていると、
-
必要以上に不安になる
-
使ってはいけないお金を使ってしまう
-
逆に、使っていいお金を使えない
といった問題が起こりやすくなります。
FPの立場から見ると、
これは運用以前の整理不足です。
■ 年代が違えば「お金の時間軸」が違う
同じ1万円でも、
年代によって意味はまったく変わります。
-
20代:取り戻す時間があるお金
-
30代:家族と共有するお金
-
40代:出口が見え始めるお金
-
50代:残り時間を意識するお金
-
60代:生活に使うためのお金
これは優劣ではなく、
時間軸の違いです。
FP相談では、
この時間軸を無視したまま情報だけを集めてしまい、
かえって不安を大きくしているケースをよく見かけます。
■ 制度は「年代×使い方」で意味が変わる
税制優遇や年金制度は、
「使えば得」「使わなければ損」という単純な話ではありません。
-
どの年代で
-
どの目的に使うのか
によって、評価は大きく変わります。
FPとして重視するのは、
制度そのものより「その人のライフプランに合っているか」
という視点です。
■ 人生は想定通りに進まない、が前提
FP相談で必ず確認するのが、
-
収入が変わったらどうするか
-
働き方が変わったらどうするか
-
予定外の支出が出たらどうするか
という「想定外」の部分です。
2026年のお金の計画は、
完璧に当てることよりも、
途中で修正できるか
が重要になります。
■ このシリーズで整理したいこと
このシリーズでは、
「いくら貯めれば安心か」という答えは出しません。
代わりに、
-
今の年代では
-
お金にどんな役割を持たせるべきか
-
どこで無理をしないか
という FP視点の整理 をお伝えしていきます。
■ 次回予告|20代のお金
次回は
「20代のお金」をテーマにします。
FPとしてお伝えしたいのは、
20代は「増やす」よりも前に、
やっておくべきことがはっきりしているという点です。
失敗できる年代だからこそ、
お金とどう向き合うか。
そんな話をしていきます。