■アウトソーシングの利用価値

 アウトソーシングを用いることで、自社の活動で付加価値の低い部分を外部に委託することができる。これにより人員を自社の本流である事業に集中させることが可能だ。

 どういうことかというと、優秀な社員が誰でもできるような事務作業に時間を取られるという、機会損失をなくすことができる。例えば金融業界のサラリーマンが「クレジットカードの退会申込受付」を行なうのは損だと思う。なぜならその作業には業務知識はあまり必要ではないからだ。

 

■アウトソーシングの中毒性

 まずアウトソーシングのほうが費用がかからない。産業革命の頃から「分業は生産性を高める」と言われているように、専門部隊に任せることでそこそこ安く結果が返ってくる。

 面倒な人員管理もいらない、作業量が増えてもアウトソーシング先に、「なんとかがんばってください」でどうにかなる。

 アウトソーシングにのめり込んだら最後、もうあの頃には戻れない。戻そうと思っても人員が足りなくなっている。ノウハウも失われているだろう。

 

■アウトソーシングは見えない

 自社で作業を行う場合と違って、アウトソーシング先ではなにをやってるかが分からない。例えば、顧客の氏名、電話番号一覧が誰でもアクセスできるパソコンに放置されていることだってありえる。

 もちろんアウトソーシング先に要求することで何をやっているかが分かるような体制を築けるかもしれないが、全体として必要なコストが増えてしまう。

 

■アウトソーシングの目的を見失う

 アウトソーシングを続けることで業務本来の目的を見失う。既存案件をアウトソーシングする場合は「1000万円の費用が800万円になってよかった」という具合に何がどれだけ解消されたのかを把握することが可能だ。しかし、最初からアウトソーシングを基準に業務を進めていると、アウトソーシング先の費用が妥当かどうかの判断ができなくなる。

 目的を見失わないためには、業務知識をもった人材を確保しておく必要がある。発注元はは業務の要件を全て把握していないといけない。要件を定義するには業務の優先順位、必要なプロセスといった知識と、要件によって得られる付加価値を算出する判断力が求められる。

 

■アウトソーシング拡大

 昨今、非正規雇用の割合が増加してきているが、アウトソーシング企業で働いているオペレーターは非正規雇用が多い気がする。どうも大企業で今まで事務員として働いていた人たちがどこかへ消え、代わりにアウトソーシングの非正規雇用労働者に置き換わっていっている気がする。単純な人件費削減の仕組みとしてアウトソーシングが拡大しているとしたら社会の役に立っているとはいえないのではないだろうか。

 そしてアウトソーシング業界は拡大の一途を辿り、現在人手不足に陥っている。必要な業務に対して人員が足りていない。