五月天「搖滾本事」レビュー | 没問題!

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<収録曲>

搖滾本事
生命有一種絕對



2001年から2003年にかけて、メンバーの兵役に伴うバンド活動休止がありました。
その期間に、今までの五月天の活動の様子がまとめられたドキュメント映画が製作されました。それが「搖滾本事」。先の来日ライブ(2007年10月7日@Zepp Tokyo)の開演前にも会場で放映されていたのをご覧になった方も多いかと思います。このDVDは、日本盤も出ていますが、台湾盤にも日本語字幕が付いています。台湾盤の日本語字幕はなんだか怪しくおぼつかない感じ。「メーディー」(五月天)、「みんな待ってるわよ!」(怪獣のセリフなのに)、「かっこいいハーしー」(ハーレー…)とか突っ込みどころ満載ですけれど、聞くところによると、日本盤もこの字幕らしい(ヒドイな…)。でも、内容はすごく良いのです。

で、その映画の、同名主題歌が収められたミニアルバムがこちら。偏平足だか何だかで、半年ほどで戻ってきた(「傷物のように返品された」とは本人談)阿信と怪獣と違い、瑪莎だけはきっちり2年間行っていたので、瑪莎抜きで発表されました。MVにも瑪莎おらず(MVは映画「搖滾本事」DVDに収録されています)。4人でも出しちゃうんだなぁと、意外に思いました。初回盤は、映画のフィルムケースを模した缶ケース入り。収納しにくいけども、お洒落です。
兵役がどんなものかも分からない日本歌迷の私は、もう兵役を懲役と勘違いしてるんじゃないかという感じに思い描いていたので(失礼…)、活動休止中に新曲が出るなんてびっくり。むさぼるようにネットで聴き、「かっこいい!」とか思ったものでした。
が。
落ち着いて聴いてみると、なんだか変だよ「搖滾本事」。

だって和太鼓なんだもん。

「搖滾本事」は、なんだかもう五月天の皆さんストレスですかと言いたくなるような、風変わりな曲。和太鼓とスクラッチのコラボです。阿信の高音も、ギターもかっこいいんだけど、和太鼓がドンカッカ言っています。度肝を抜かれたね。今でこそあまり珍しくもない阿信のラップですが、彼はこの活動休止中にどうやらラップに開眼したらしく、活動休止中から復帰にかけて発表された曲はラップ率が高いです。(「搖滾本事」、「我」、「王子麵」、「賭神」)

2曲目は静かなバラードでちょっとホッ…。阿信の伸びの良い声が堪能できます。「♪等待我 請等待我」あたりは泣ける。さらに「♪靠近我 再擁抱我 不要走 請不要走ぉぉぉー」と盛り上がっていくのだから、さらに泣ける。

しかし3曲目はまた何か変だよ。ノリはいいけど…このリズムはあれだ、ヒップホップというやつだ。五月天がヒップホップ…。ほんとに君たちどうしちゃったの、何か悪いものでも食べたんか、と言いたくなるような、「人生海海」までの学生バンドのノリを覆す曲の数々。何か思うところでもあったんでしょう。まぁ、でもいろんなジャンルの曲を、うまいことやってると思います。結果的には、「五月天の曲」にしちゃうんだもん。
この「我」は、もともと、陳水扁総統の写真集発売時(当時、日本は小泉純一郎首相。写真集発売は絶対その影響かと)に、写真集のオマケとしてくっつけていた曲です。

まぁ、そんな、当時は「なんか変だよ」と思っていたこの曲も、「離開地球表面」ツアーにて高らかに演奏され、ああいう大きなお祭りの中で聴くと、「あれれ、この曲って全身でリズムとりながら聴くとすごく気持ちいい」ということに気づいたのでした、ヒップホップっちゅーやつは、体が動くようにできてる音楽なのですね。「離開地球表面」CDにも、めでたくライブVer.が収められています。

そして、最後は「闖」。これは、「人生海海」に収録されている「永遠的永遠」の國語版で、ストリングスが大幅にプラスされていて、ゴージャスな感じになっています。これも、今でこそ珍しくない言語違いVer.ですが、当時は「永遠的永遠」がえらいことになっとる…とショックを受けたものでした。

「闖」の歌詞は、自分の夢や未来に向かって、焦ってもがいて苦しんでいるような印象です。「どうして脈打つ心臓だけ与えて、羽ばたける翼はくれなかったんだよ?」なんて、やりたいことがあるのに、それができない状況、まさに、歌いたいという気持ちがあって、成功を掴みかけていたのに、兵役によって翼をもがれて焦っていた、当時の苦しい気持ちなのではないかなと思います。

「感覺自己蒸発 慢慢從這個世界上」(自分がこの世界から、ゆっくりと蒸発するような気がするよ)っていう歌詞なんて、毎日少しずつメディアから自分たちの報道が消えていくのを目の当たりにしながらこんなことを思ったのかな、と考えると、なんだかいたたまれないですね。
復帰した後どうなっちゃうんだろうって、どんなに不安だったろうと想像すると、活動休止前よりも更に大活躍できてよかったね、と心から言いたくなります。