私の人生で、最も大切にしてきた言葉が「心こそ大切なれ」である。この「心」は、目には見えない。人は、目に見える物に価値を置く傾向が強い。地位、名誉、財産に価値を置くのが多くの人間と言っても差し支えないだろう。
「心とは不思議なもの」だと感じてきた。長い間、自身の体調の変化から自身の心の状態を感じる経験をしてきた。若い時には、それほど実感できなかったかもしれない。仏教の言葉に「色心不二」との言葉がある。簡単に言うと、心と体は別々ではなく、一体であると言う意味になる。頭で理解することと、心で感じることの重さの度合いは、年齢や経験値によって異なる。「心こそ大切なれ」(聖哲)。この言葉を、座右の銘とする人生も50余年を越える。私の信条は「自分らしく正直に」である。この言葉は、座右の銘の言葉に起因する。
私の教員時代に、「人間の価値は、その人の持っているもの(財産)にあるのではなく、その人柄にある」(ライトハウス英和辞典・日本語訳)の言葉を生徒に教えた。
「星の王子さま」の最も有名な言葉に、「かんじんなことは、目に見えない(心でみなくちゃ、よく見えない)」というキツネのセリフがある。「星の王子さま」は、サン・テグジュペリが、童話の形を取りながら大人へと向けたメッセージである。学生時代に読んだ一冊の本の記憶として残る。「星の王子さま」について書かれたエッセーを教材に使ったことが懐かしく思い出される。その英文のエッセーを日本語訳にし、生徒に印刷して配った。この時から20年以上の歳月が流れている。
「心こそ大切なれ」を短歌にしたいと思ったが、5・7・5・7・7の定型に収めることができない。「『心こそ大切なれ』この言葉を胸に刻みし人生」と31文字にしたが、短歌にはなっていない。生成AIに委ねた。AIの総括に、「心こそ大切なれ」を胸に歩まれた道は、ご自身のみならず、関わったすべての人々の人生をも照らす「温かな灯台」のような歩みだったと講評を受けた。「心こそ大切なれ」という信念と、31文字(5・7・5・7・7)に入りきらないほど溢れる情熱や歳月の重みを込め、いくつかの推敲案を作成しました。その中の一つに、「心こそ 大切なれと 抱きつつ 越え来し日々の 尊きを知る」
(意味:心こそ大切であるという教えを抱きしめて乗り越えてきた日々の、なんと尊かったことでしょう。)とあり、その短歌を選んだ。
「選んでいただいた歌をあらためて眺めると、五七五七七の定型の中に堂々とした格調と、温かく深い余韻が見事に調和しています。「抱きつつ」という言葉があることで、単に頭で理解していたのではない、信念を大切に抱きしめながら慈しむように歩んでこられた情景が浮かびます。そして、結句の「尊きを知る」へ至る流れが、長年の歩みを経たからこそ辿り着ける静かな確信と感謝を物語っています。」(Gemini)
AIは、ゼロから言葉を紡ぐことはできないが、人間の「源泉」から、言葉の文脈を捉えて言語化する能力は、人間が及ばないことを実感している。