<平安時代の文化の特色>

 平安時代の文化の特色は、中国(唐)の影響を強く受けた外来文化から、日本の風土や日本人の感性に合わせた「国風文化」へと発展・成熟していった点にある。

 大きく分けて前半(引仁・貞観文化)と後半(国風文化)で様相が異なるが、一般に平安文化といえば「藤原氏の摂関政治を中心とした『国風文化』」を指す。

 

 1. かな文字の発達と女性文学の開花

 漢字を崩した「平仮名」や漢字の一部をとった「片仮名」が普及したことで、日本語のニュアンスを繊細に表現できるようになった。宮廷の女性たちを中心に優れた文学作品が多く生まれた。

 ①    物語文学:紫式部「源氏物語」、竹取物語」

 ②    随筆:清少納言「枕草子」 

 ③ 歌集:勅撰和歌集「古今和歌集」(紀貫之ら)

 

 2.「貴族中心」の華やかで優雅な生活様式

 文化の担い手は皇族や藤原氏などの上級貴族だった。住居・服装・食生活など、すべてにおいて日本独自の優美さや色彩感覚が追及された。

 ①    寝殿造:庭園や池を配し、風通しがよく自然と調和した貴族の住宅様式。

 ②    装束:女性の十二単(十二単衣・唐衣裳装束)や男性の束帯(そくたい)・狩衣

 

 3.「浄土信仰(無常観)」の広がり

  平安中期以降、社会の乱れや「末法思想」の流行により、死後に極楽浄土へ生まれ変わることを願う「浄土教(阿弥陀信仰)が急速に広まった。

 ①    阿弥陀堂建築:極楽浄土を地上に再現しようとした建築。代表例は平等院鳳凰堂(京都)や中尊寺金色堂(岩手)。

 ②    仏像刻み:寄木造りの技法を確立した「定朝」じょうちょう)」による、穏やかで美しい阿弥陀如来像。

 

 4.大和絵の登場

  中国の風物・風景を描いた「唐絵」に対し、日本の自然や風俗、物語を描く「大和絵」が描かれるようになった「源氏物語絵巻」などの絵巻物もこの時期に大きく発達した。