「古事記」は、「日本という国がどのように生まれ、天皇の血筋がどう続いてきたか」を描いた、日本最古の歴史・神話本です。
712年に太安万侶(おおのやすまろ)が、天武天皇などの命を受けて編纂した。内容は大きく「上巻・中巻・下巻」の3つに分けられており、ストーリーは神様の時代から人間(天皇)の時代へと進んでいく。
「古事記」全体の大まかな流れ
上巻:神様の時代(神話)国生み、ヤマタノオロチ退治、国譲り、天孫降臨
中巻:人間の時代(初代~15代)神武天皇の東征、ヤマトタケルノミコトの冒険
下巻;人間の時代(16代~33代)仁徳天皇の治世、皇位継承をめぐるドラマ
<3大エピソード>
1. 国生みと神様の登場(イザナギとイザナミ)
男神イザナギと女神イザナミのカップルが、矛で海をかき混ぜて日本の島々(淡路島や本州など)を作り出す。その後、火の神を生んだことでイザナミが亡くなり、死の国(黄泉の国)へ追いかけていくという愛憎劇が繰り広げられる。
2. 天の岩戸とヤマタノオロチ(アマテラスとスサノオ)
イザナギから生まれた太陽の女神アマテラスと乱暴者の弟スサノオ。
*天の岩戸:スサノオの暴虐に怒ったアマテラスが洞窟にひきこもり、世界が真っ暗に。
他の神々が踊ったり祭りをしたりして、好奇心で顔を出した彼女を引っ張り出す。
*ヤマタノオロチ退治:地上に追放されたスサノオは、8つの頭を持つ大蛇「ヤマタノオロチ」に酒を飲ませて退治し、生贄にされそうだったクシナダヒメを救って英雄になる。
3.国譲りと天孫降臨(神から天皇へ)
地上を治めていたオオクニヌシ(スサノオの子孫)から、アマテラスの使者が「この国を天津神(天の神)に譲ってください」と交渉(国譲り)。無事に国が譲られた後、アマテラスの孫であるニニギノミコトが地上に降臨し(天孫降臨)、そのひ孫が初代天皇となる神武天皇。
<なぜ作られたのか?>
当時の天皇が「皇室の正当性を示し、国内をひとつにまとめるため」に作らせた。「天上の太陽の神様(アマテラス)の子孫が地上に降り立ち、代々日本をおさめてきた」というストーリーを確立することで、国内の豪族たちを納得させる目的があったとされる。
<三種の神器のいわれと象徴>
1.八咫鏡(やたのかがみ)
いわれ:アマテラスが天の岩戸に隠れた際、彼女を外に誘い出すために作られた鏡。ニニギノミコトが降臨する際、アマテラス は「この鏡を私だと思って祀りなさい」と授けた。
象徴:「知恵」や「正直」。真実をそのまま映し出す鏡の性質に由来。
2.八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)
いわれ:天の岩戸隠れの際に作られた大きな玉(宝石)の連ね。古代から魔除けや霊力の象徴として扱われてきた。
象徴:「慈愛」や「仁徳」。丸みを帯びた柔らかな形状に由来。
3.草薙の剣(くさなぎのつるぎ)
いわれ:スサノオノミコトが出雲国でヤマタノオロチを退治した際、その尾の中から出現した宝剣。アマテラスへ献上された後、天孫降臨の際にニニギノミコトへ授けられた。
象徴:「勇敢」や「果断」。災いを断ち切る武威に由来。
これらは現在、実物が各地に祀られており、八咫鏡は伊勢神宮、草薙の剣は、熱田神宮、八尺瓊勾玉は皇居に納められている。