戦前は、「日本には旧石器時代は存在しない(縄文時代から始まった)」とされていたが、1949年に群馬県の「岩宿遺跡」から氷河時代の地層である関東ローム層から打製石器すなわち人の痕跡が発見されたことで、日本にも旧石器時代があったことが証明された。

 旧石器時代(約3万8000年前から約1万6000年)は、大陸と陸続きだった寒冷な時代(氷河期)に人類が日本列島へ渡り、厳しい環境の中で知恵を絞って暮らしていた時代です。

 

   <主な特徴>

1. 道具と技術:打製石器の発達

 ①土器が存在しない:煮炊きをするための土器がまだ作られていなかったため、食べ物は直火による加熱していた。礫群(焼けた石の集まり)を使って肉を焼くなどの調理を行っていた痕跡が見つかっている。

 ②打製石器の使用:石を打ち割って作った「ナイフ形石器」や「尖頭器」などを使い、獲物を解体したり加工したりしていた。

  ・ナイフ形石器:獲物の解体や皮はぎに使われた、ナイフのような鋭い石器。

  ・細石器(さいせっき):旧石器時代の終り頃には、小さな石器を木や骨の柄に埋め込んだ複合ツール(細石器)が登場し、

 技術が高度化した。

  

2. 生活:狩猟・採集と移動生活

  ・食物の獲得:大型哺乳類(ナウマンゾウ、オオツノシカなど)の狩猟が中心でしたが、植物の採集や小動物の捕獲も行われ

 ていた。

  ・移動生活:獲物を追いかけて移動するため、固定の集落は作らず、洞窟や簡単な竪穴状の簡易テントを拠点にして暮らして

 いた。

 

  <旧石器時代の終わりと縄文時代へ>

 約1万6000年前になると地球の気候が温暖化し始める。海面が上昇して日本列島が孤立し、大型動物が絶滅・減少する一方で、豊かな森林と中小動物が増加した。これに伴い、人々は土器(縄文土器)の利用や弓矢の発明、そして定住生活する縄文時代へと移り変わっていく。