私は、スウェーデンについて知識があるわけではないが、福祉国家として関心を持っている。「スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む」の本を手にした。帯に書いてある「投票率85.8%の国では、小学生に何を教えているのか」に興味を持った。
内閣府による若者の意識調査によると、政治への関心の高さは、日本とスウェーデンでは、それほどの違いはない。「私個人の力では政府の決定に影響を与えられない」と思うかでは、日本の若者の7割に対し、スウェーデンの若者は4割程度のようだ。彼らは、自分の行動が政府の決定に影響を与える可能性に期待感を持っている。この点が決定的な違いと言える。国政選挙における日本の若年層の投票率は、33%程度に留まっている。大人の投票率も5割程度の低投票率ではあるが。残念ながら、日本人の大人も若者も、個人の影響力のなさや政治への失望感を抱いているのが現状ではないか。
以下、この本について簡単な紹介する。
第1章 社会(総論)
本章には、本文全体のイントロダクションとして、「社会とは何か」「社会は何で構成されているのか」「社会にはどのような問題があるのか」そして、それらについてどのように考えていけばよいのかについて、総論として記されている。
とても大切な問題であるが、日本の大学生は考えているのだろうか。現在、日本の多くの大学では、アクティブ・ラーニング「能動的学習」が実践されてきていると聞く。歓迎すべき教育の流れである。従来の知識の伝達から、学生の興味・関心を喚起して「自分で考える力」をつけ、社会及び世界が抱えている困難な問題に「主体的な解決能力」を養うことが目的とされている。簡単に言うと、「思考力」と「表現力」が求められているということだろう。
「社会とは何かということを、あなたは深く考えたことがあるでしょうか。それから、社会とは何か、また社会がどのように成り立っているかについて、同じような考えをもっているかどうかを、クラスの友達と確かめてみましょう。おそらく、実際には目に見えるものが頭に浮かぶことでしょう。でも、社会には、目に見えないものもあります。たとえば、法律、男女の役割、男女平等、民主制、そして税金などです。これらは、社会にあるものですが、目には見えません。
みなさんも思いついたかもしれませんが、目に見えるものの例としては、学校や病院、道路、家、車、牢屋などがあります。もちろんこれらも、社会の重要な一部です。私たち人間もそうです!
わずか100年の間に、多くのことが起こりました。今日、私たちの大多数が町の中、あるいはその近くに住んでいます。スウェーデンの大都市にはとても多くの人が住んでおり、彼らには毎日、新しい出会いがあります。」