ようやく、心が外に向いてきた。トンネルに閉じ込められているような日々がつづいていた。昨年の冬は、心が元気だった。散歩していても、寒さを感じない。そんな日々が、春まで、続いていた。心が喜んでいた。散歩に、富沢のコースを選ぶことが多かった。裾野市の中でも、世帯増の地域だ。新しい住宅地ができたからなのだが。古い地域の一画に、家が建ち、小さいが、落ち着いた住宅が並んでいる。住むのにいい場所になっている。便利さの点では、私の地域の方がいいのだが。歩いて買い物に行くには、便利がよくない。子供たちも、小学校までは、3キロを越えているだろう。低学年の子どもは、通学時間がかかる。私の住む地域も住宅地だが、高齢化地域になっている。通学には、手頃な場所なのだが、子どもたちが少なくなってしまった。私の家の隣に、長男が住んでいる。孫は、4年生の煌と6年生の翔の二人だ。私の家の周りに、4世帯が新築し、移住してきた。子どもの声が聞こえるようになった。10人ほどの小学生がいる。小学校に通うには、手頃な場所に位置している。そもそも、36年前に、この土地を選んだ理由でもある。
昨日は、1年ぶりに、富沢へと散歩に行くことにした。このコースを往復すると、6000歩をやや超える程度で、ちょうど良い。隣の長泉町に、「珈琲舎」がある。そこで、休憩する。美味しいコーヒーが飲めるカフェだ。そこでは、カウンターに座って、マスター夫妻とも話しをする。昨日は、あとからきたお客さんとマスター夫妻との会話に割り込んで話しをした。農業経営をしているそうだ。楽しい時間を過ごせるカフェになっている。ここでは、器にも気遣いがある。マグカップを買って来た。
散歩の往復で、俳句形式で、二首詠んでみた。恥ずかしい出来なのだが。
「芝桜 心軽やか 散歩する」
「新芽に 心の扉 開いている」
私には、歌を詠むような才はないし、知識もない。しかし、自分の気持ちを表現したいとの思いが出てきている。やっと、約半年に及ぶトンネルから外の景色を見られるようになった。身体の衰えはひどいものだが、「楽しむ心」が戻ってきて嬉しい。
