英語の「動詞の使い方」はとても難しい。ネイティブは、自動詞と他動詞の

使い方を考えることはないだろう。私たちが日本語で漢字の「音」と「訓」を

無意識に使い分けているようなものではないだろうか。外国語として学ぶため

には、その言語の「しくみ」を理解する必要が生じてくることは避けられない。

すでに書いたように、英語の大部分の動詞は自動詞と他動詞の両方の使い方を

する。自動詞だけや他動詞だけの使い方をする動詞は少ない。

簡単な基本動詞の例をあげると、go, come が出てくる。普通の使い方では、

完全に自立している動詞で、前に主語をおけば、「文」になる。I go. You come.

が「文」である。では、like はどうだろうか。I like. (好きだ)だけでも

「文」は成立するが、何を好きなのかは伝わらない。I like music. となれば、

音楽が好きだと伝わる。日本語では、「音楽が好きだ」と普通は主語を表わさ

ない。ここにも言語の違いがあり、文化の違いが出てくる。目的語動作の対

となる語)を持つのが、「他動詞」で、目的語を持たないのが、「自動詞」と

言うことになる。大部分は単語そのものでは決まらないと考えたほうがいい。

単語そのもので決まる動詞は例外と見なしていい。「ディスカッション」の日本語

は定着しているので、それを例に挙げる。英語では、discussion となり、その

動詞は discuss であるが、I discuss. では文として成立しない。「~を」話

し合うのかわからない。I discuss the problem. (その問題について話し合う)

としなければならない。中学では、I talk about the problem.と使えばいいの

だが、ここに一つの問題点が生じている。前置詞と呼ばれる about の存在だ。

文法的に説明をすれば、discuss は「他動詞」、talk は「自動詞」となる。

上の二つの文は同意である。discuss の次に来る語は「話題」だけであるが、

talk の次には、about や to が来る方が普通だ。I talked to my friends. 

(友達と話した)となる。talk about, talk to を一つの単語のように見るのが

熟語」となる。自動詞と言っても単独に使うことは少ない。go (come) to school, 

go there,come here のように使う. 基本動詞の使い方が大切になってくる。

日本語でも「ゲットする」との言葉が使われているが、もちろん英語の get 

であるが、名詞ではないので、日本語の使い方は間違っている。しかし、なじ

みのある語なので、例として使う。英語の get の基本的な意味は「手に入れる」

である。代表的な例文を挙げてみる。

 ① I got a call from him.(彼から電話があった)

 ② I got a book yesterday.(昨日本を買った)

 ③ I got a full mark at math.(数学で満点を取った)

 ④ It's getting colder.(寒くなっている)

 ⑤ I got up at six this morning.(今朝6時に起きた)

 ⑥ I got to Tokyo this morning.(今朝東京に着いた)

 ⑦ I got on a bus yesterday.(昨日バスに乗った)

① ~ ③ は「手に入れる」「~を得る」に相当する。

④ は「~になる」の意味。

⑤ ~⑦ は熟語と考えればいいのだが、基本的な意味は「~になる」だと考え

ていい。このように易しく見える動詞の方が、使い方は難しいが、大切な動詞

だ。従って、「基本動詞」と呼び。中学の教科書に出てくる。この基本動詞を

使えれば、日常の会話表現には困らないと言っても過言ではない。

中学で最初に出てくる「be動詞」も大切な基本動詞である。文法的に説明すれ

ば、「状態」と「存在」を表わす。状態」を表わす動詞の代表が「be動詞

である。

① She is a pretty girl.(彼女はかわいらしい女の子だ)

②  The girl is pretty. (その女の子はかわいらしい)

③  She looks pretty.  (彼女はかわいらしく見える)

① は She = a pretty girl の関係になる。

② は The girl = pretty の関係になる。

③ は ② の「be動詞」の変形である基本動詞だ。

She = pretty の関係になる。この = を代表するのが「be動詞」なのだ。

存在」の例として「壁に一枚の絵がかかっている」を英語に直すとどうなる

だろうか。「机の上に一冊の本がある」と同じ表現なのである。

 There is a book on the desk.

  There is a picture on the wall.

結論すると、英語と日本語では、英語の方が語彙と表現が少なく、日本語の方

が語彙が多く、表現が豊富だということになる。