Nさんとは今月の2日に知り合ったばかりだ。

ある「年寄りの会合」に誘われて出かけて行った。私は年寄りだが、年寄り

の集まりがあまり好きではない。自分の紹介を兼ねてそれぞれが話しをした。

Nさんは私の話しをよく聞いてくれていた。Nさんの話しに私もきちんと耳を

傾けて聞いた。私の反応を見ながら話しをしていた。海外への旅行での話で、

現地の人との「触れ合い」が楽しみだというのが話しのポイントだった。

私は海外旅行の経験もほとんどないので、話しの内容に興味を持って聞いて

いた。個人的に話す機会がほしいと思った。名前も知らない初対面の人だ。

仕事でアメリカ駐在が5年間あったそうだ。英語力はどのくらいだろうと考え

てみたがわかるわけがない。5年間仕事をしていたのだからそれなりだろうと

は思った。20数国を訪れているそうだ。そこでの人との「触れ合い」が楽し

みで旅行しているという。単なる観光旅行とは違っている。穏やかそうな感じ

の人で、ほぼ同世代との印象を受けた。Nさんも私の話しに関心を持った様子

だった。10人程度の会合だ。ちょうど隣り合わせになった。お互いに年金

暮らしだ。私が年金暮らしはきついと言い、「よく海外へと行けますね」と

と声を掛けた。「きついですよね」と返ってきた。

とても楽しく有意義な会合であった。それぞれが気持ちは青年の気概を持って

いた。心が若い人たちの元気な会合で、参加してよかったと思った。

帰宅してから、責任者のWさんの携帯に電話を入れ、名前と携帯番号を教えて

ほしいと言った。私の携帯に登録しておいた。

10日の日に私の家に訪ねてきた。あいにくその日は「須山のウオーキング」

へ行き2時過ぎに帰宅した。Nさんは2時ごろ来たらしく会えなかった。

妻から聞いて残念な思いがしたので、電話を入れた。「大歓迎ですのでまた

来てください」と言っておいた。私は話しがしたかった。

一昨日の朝に電話して「午前中に来ませんか」「用事がありますが午後に回し

て行きます」とのことだった。8時頃に訪ねてきた。2階の私の部屋へと案内

して話し始めた。お互いに自己紹介のような話しから始まった。Nさんは神戸

の出身で、三田学園で、渡瀬恒彦が6年生の時に1年生だったと。中高一貫の

学校だったということだ。「何年生まれですか」と尋ね、「24年生まれ」

とのことで、私の2歳年下の「団塊の世代」であることがわかった。

甲南大学を卒業後、教授の紹介で、裾野の「矢崎」でITの仕事をするために

来たことを聞いた。いくつの時かは聞き落としたが、アメリカに5年間役員と

して派遣され仕事したと聞いた。「英語はどうですか」と敢えて尋ねた。

「あまりできません、日常会話程度なら」と言っていた。「仕事が英語での

会話は大変でしたでしょうね」と私は言った。「大変でした」と。電子辞書を

携帯して使ったと言う。私は英語を教えていたが、聞き話すことは苦手だと

と話した。「英語ですか」と言っていた。高校の教員をしていたことは他から

聞いて知っていたようだが、教科までは知らなかったと。「英語は難しい」と

の話しになった。私は正直に話した。私の世代を含め、上の世代は「文法」

と「読む」ことが中心で、聞いて話すことができない英語の教員はごく普通に

いる」と。「大学の英文科の教授は全く駄目ですよ」とも。「世間一般が誤解

している」ことだと。私を含めほとんどの英語教員が留学の経験がないのだか

ら無理のないことだと思っていると。矢崎の創業者は英語が堪能であるが、

「私の英語は10%程度」と言っていると聞き驚きと共にすごい人だなと思っ

た。その会長にNさんはかわいがられたそうだ。Nさんの「人柄」だと思った。

Nさんは「量子力学の本」と「世界地図」を持ってきていた。地図を広げて

訪れた場所を話してくれた。私は「どこが一番よかったのか」と訪ねた。

「アメリカ西海岸のサンディエゴ」とすぐに答えた。「アメリカで一番よい

都市」だと。すべての面で良いとのことだ。行ってみたい気持ちになったが。

「アパークラスが住んでいるのでしょ」と言うと「そうです」と答えた。

私はアメリカに行きたいと思ったことはない。彼らの人種差別はひどいことと、

歴史が浅いのが理由だった。行くならイギリスを含めてヨーロッパだと思って

いた。イギリスでも湖水地方に行きたいと思っていた。私のイメージの世界で

は、北欧、旧東ドイツ、スイス、イタリア、ギリシャ、カナダである。

Nさんは、私が名前を上げた国は「いいです」と答えてくれた。しかし。

イタリアの話しになり、ローマ、ミラノ、フィレンツエの都市が話題になった。

オードリーヘップバーンの「ローマの休日」のイメージが強いの私だ。

「憧れ」のようなものを抱いている。Nさんによると、人が大勢来ているが、

「治安が悪い」と聞いた。話しが関連しているが、治安はコロンビアが最悪だ

と。命の危険を経験しているそうだ。Nさんは、アフリカ、中東、コロンビア

以外の南アメリカには行っていないと言う。話題が「世界」なのだ。

Nさんは量子力学から人間の血に関する話しから、宇宙と生命の話題になった。

人間は「小宇宙」と言われる。宇宙も人間も「生命体」なのだ。

「生命の不思議」には私も関心がある。「生命とは」科学の分野でも研究が

進んでいるが、哲学、宗教の分野に入ってくる。「生命哲学」に関心を持って

いる私だ。勉強しなければならない。人間は学ぶ限り、成長すると信じる

私だ。「宇宙と生命」を学びたい。Nさんは科学的アプローチの本を読んで

いるようだ。やはり「理系」の人だ。私は典型的な「文系だ」

社会における「成果主義」が話題になった。競争が激しい時代には結果が求め

られるようになり、「目的」と「手段」の区別がなくなり、「手段が目的化」

する。どこの世界でも同じようなことが言える。またその手段が「慣例化」

されるようになる。成果や結果を否定するすもりはない。プロの勝負の世界は

結果が全てだ。将棋の棋士がスマホでコンピュータの指す手を参考にしている

疑惑が生じているが、本来の「目的」を失っているからだ。「勝利至上主義」

の盲点になっている。どの分野でも「何のために」との「目的」を忘れてはな

らないということだ。「原点」に戻れとはそのことを意味する。「原点」のな

い人は問題外である。「一人のひとのために」の心が「自分を大切にすること」

になると、信じる私である。

一人の友と出会い、語らい有意義な時間を過ごすことができたことに「感謝」

の思いがする。人生はこれからだ。友を大切にして、「学び」続ける人生で

ありたいと願う日々だ。