井山裕太九段(26)が囲碁界初の7大タイトルを獲得した。素晴らしい

偉業である。将棋の世界では、羽生善治名人(45)が1996年、25歳

で7大タイトルを達成している。二人の天才棋士は前人未到の頂点に立った。

プロの世界で、一つのタイトルを取ること自体が難しいのだが、7大タイトル

を独占することは至難と言える偉業である。

井山7冠は5歳頃に、父親が買ってきたテレビゲームで囲碁を覚えた。祖父

から手ほどきを受け、6歳の時に、テレビの番組「ミニ碁一番勝負」で大人を

相手に5人抜きをする。解説の石井邦夫九段の目に留まり、主にネット碁で指

導対局をしてもらう。プロ棋士が弟子に直接指導対局するのは、入門の時と、

止める時の2局ぐらい言われる。石井邦夫九段は井山少年の天才的な才能に惚

れ込んで、1000局を超える指導対局をして鍛えた。「打ちたいように打て」

と型にはめず、自由に打たせた。小学生の頃は、負けず嫌いの井山少年は負け

るたび泣いていた。石井九段は、手紙で「負けて泣いているだけでは強くなら

ない。なぜ負けたか、自分なりに反省して打たないと成長しないよ」書いた。

以来、対局後に「自分の碁」と向き合う作業は欠かさない。「つらい作業でし

たが、きちんと反省した上で、気持ちを切り替えらえるようになりました」。

師匠の教えは井山の躍進を支えている。井山は「先生との出会いがなければ、

今の僕はいない」と断言している。

井山少年は1997年、少年少女囲碁大会で優勝した。小学校2年での優勝は

山下敬吾九段と並ぶ最年少記録で、翌年2連覇を果たす。この時の、井山少年

の顔を覚えている。

2002年、中学1年生12歳10カ月でプロ入り。

2005年、阿含・桐山杯全日本早碁戦初優勝。16歳4カ月は最年少記録。

2007年、新人王戦優勝。棋聖・名人リーグ入り。

2008年、史上最年少で名人挑戦者となる。八段に昇段。

2009年、20歳4カ月で史上最年少名人となる。九段に昇段。

2011年、十段天元を奪取するが、名人を失う。

2012年、本因坊碁聖を獲得し、史上2人目のを達成。

2013年、棋聖を獲得し史上初の6冠大三冠(棋聖・名人・本因坊)を達

      成したが、十段を失う。

2014年、王座、天元を失い4冠に後退する。

2015年、王座天元をを奪還して6冠に復帰する。

2016年、4月、十段を奪取し、史上初の7冠を達成する。

師匠の石井邦夫九段「気持切れぬ強さ」二十五世本因坊・趙治勲「世界に出る

環境を」羽生善治将棋名人「まだ余力多く残す」井山は「究極は世界一」と語

る。「アルファ碁とも戦いたい、強い相手と戦いたい」」と言う。

全宇宙の原子数をはるかに超える10の360乗の局面変化を見せる囲碁の宇

宙である。「ヒカルの碁」の塔矢名人の「神の一手」を目指してほしい。

平成生まれの「ヒカルの碁」世代の井山裕太7冠に期待する。

<七大タイトル>               (優勝賞金)
 
・棋聖  4期(2013-16)        4,500(万円)

・名人  5期(2009-10・13-15)  3,700

・本因坊 4期(2012-15)        3,200
 
・王座  3期(2012・13・15)      1,400

・天元  4期(2011-13・15)      1,400
  
・碁聖  4期(2012-15)          800

・十段  3期(2011-12・16)       700