昨夜のTV番組「人間とは何だ」のスペシャル番組を興味深く見た。

「人はなぜモメるのか」は大きなテーマであった。

一般的に、人は外見で他人を判断する傾向性が強いと感じているが、実験で、

写真とはイメージの違う「異性」への反応を見ると、男女の差が出ている。

「男」はウエストラインの外見で判断し、「女」は優しさや経済力で判断する。

それは人間の「本能」からきていると言う。ウェストラインが太っていること

は、「妊娠」のイメージを抱くようで、自分の子孫を残す相手ではないと判断

するようだ。女は生きていくためには、愛情と経済力を本能的に求めるようだ。

男と女では「価値観」が違う。男と女が価値観が合わずに、なぜモメるのか。

生物学的に見ると、男の精子は小さくて数が多いが、女の卵子は大きく一つで

ある。その中で一対一の結合によって受精が成立する。多くの精子は死んでし

まう。男の浮気の原因も本能的なものだと考えられる。女は男の浮気を許さな

い。もめることで離婚まで発展していく。

最近は男性からの「DNA鑑定」の依頼が増えているそうだ。自分の本当の子

かどうかを知りたいからだ。その結果2~3割の親子関係が成立しないことが

判明しているようだ。そのために、泥沼の裁判になる。男と女のトラブルは芸

能界に限らない。「オシドリ夫婦」は仲の良い代名詞として使われているが、

オシドリも浮気をしてもめるのが事実のようだ。生きる物は浮気がバレたら、

喧嘩」をするのが当然のようだ。生物の「防衛本能」ということだ。



毒母」という言葉を初めて知った。母親が加害者で、娘が被害者の構図にな

っている。母親が娘の人生を決定したいとの欲求が強く表れ、娘を「束縛」す

る。娘はその「束縛」に堪えれなくて、カウンセリングを求めるようになって、

顕在化した問題のようだ。その根本的原因は母親の娘への「嫉妬」にあること

がわかった。「嫉妬」は女性だけにある感情ではない。「毒父」も存在する。

毒母によって、人生を壊された娘の告白である。その年齢が30代から60代

にまで及ぶというから驚きである。じっと耐えてきた気持ちが爆発したのだが、

そのような「苦しみ」を抱えている人がかなりいるというのが現実のようだ。

親の子どもへの「虐待」は報道されて知っているが、これ程までとは知らなか

った。また「虐待」が脳に悪影響を与えることが脳科学の研究でわかってきて

いるようだ。



パーソナりティー障害」との言葉も初めて知った。自分の考えを他人に押し

付け「モメごと」を起こす人が増えているようだ。自分の基準を変えずに、

物事の原因を「他人の責任」にしてモメごとを起こしているようだ。その感情

をコントロールできないそうだ。典型的な「自己中心主義」と言える。自分の

思うようにいかないと「怒り」を露わにするタイプだ。社会不適応とも言える。

そういうタイプは嫌がられる。手のかからない人が「良い人」となる。

社会問題になっているストーカー(ストーキング行為)を含めて、問題行動を

止められない人への治療(カウンセリング)が行われている。薬物依存症の治

療も同じであるようだ。「ドーパミン」という快楽ホルモンが大量に分泌され

コントロールが効かないといことが共通点となる。まさに人間が動物の本能化

している時代になっている。人間は長い時間をかけて「脳の進化」を遂げてき

た。つまり「前頭葉」が進化してきた。人間が他の動物と違うことを表わす人

間の特性が「前頭葉前野」の脳の働きである。



茂木健一郎氏は「男性と女性のミスマッチを解消する術としては、異性と話し

をする機会を持つことに尽きます。その時に重要なポイントは、あまり異性に

対する偏見を持たないことです。すると、『ああ、何か発想が違うんだ』とい

う、気づきが生まれるはずです」(男脳と女脳より)

茂木氏も言っているが、男と女は「異文化交流」である。その交流によって、

摩擦」も生じるが、お互いを「高め合う」こともできるのだ。

男性は、どちらかといえば左脳優位の「オタク脳」、女性はどちらかといえば

右脳優位、「きずな脳」と言えるそうだ。「オタク脳」と「きずな脳」が協力

して「ハイブリッド脳」を手に入れることができ、人生をうまく生きていくこ

とができるはずです。(男脳と女脳より)



俗に言う「キレル」は「怒り」を表わし。頭に血が上る。怒りは「偏桃体」か

ら「アドレナリン」「ノルアドレナリン」という「戦う」ホルモンや「ステロ

イド」が出てくる。「防衛本能」とも言える。動物固有のホルモンである。

人間は「前頭葉」(理性)でその怒りを抑えている。「セロトニ」というホ

ルモンがブレーキ役を担っている。深呼吸や笑いで、でてくるホルモンのよう

だ。アクセル系とブレーキ系の「バランス」の問題となる。



人はなぜモメるのか。遺伝との関係があるのかを脳科学が研究している。

3組の5歳の双子を別々のグループに分けて観察すると、それぞれに主張、反論、

仲裁の役割をするようになる。両方のグループの役割が、双子で全く同じであっ

た。子どもは争うが、最後は仲直りする。遺伝の影響とも言えるが、胎内では、

すでに環境(母親)の影響を受けている。

オキトシン」は信頼と「愛情」のホルモンで、出産時に大量に分泌するようだ。

母親の子どもへの「愛情」が強くなる証しである。このホルモンは人の「社会性」

に影響する。仲間との「信頼関係」に不可欠である。犬は人間にとって最初の

仲間である。その犬との交流でも、「オキトシン」が分泌することがわかって

きているそうだ。目と目を合わせ、見つめ合うことが大事であり、「スキンシ

ップ」が愛情表現となる。



自閉スペクトラム症」の自閉症の人は、物事へのこだわりが強い。人との関

わりが苦手であるが、周りの人に支えられ、一緒に頑張ろうとの気持ちになる

と、支える側にまわり、自分でできたという実感を得ると大きく「成長」す

ることがわかる。「可能性を信じること」「あきらめないこと」がポイントと

なる。人とつながるのが下手だからこそ「つながりたい」と思っているのだ。

 母とのつながり方の例として、「ギフテッド(gifted)」(授かった能力)

の高さを表わす子どもがいた。学校に通わせないで、母親が全ての責任を負う。

その子どもがバイオリンで特別な能力を表わした。才能を伸ばすことで母親と

つながったのだ。自閉症の子どもは人との関わりの「経験」を積むことで、

コミュニケーションを広げられるということだ。自閉症はその子の「特性

と見ればいいということだ。

 私の先輩教員の子どもさん(I君)が自閉症で、その男の子が10代の時に

関わったことあるが、脳の伝達回路に障害があり、やはり一つのことにこだわ

りが強く、そのことに関する「記憶力」は常人の記憶力をはるかに超える。

それが「特性」となっている。性格的にはとても真面目で、心がきれいである

と言える。そのI君も50代になり、医療検査技師として社会生活を送ってい

る。喜ばしいことだ。



 人間は「生存」のために争ってきた歴史があるが、争いモメることで、進化

してきた。その一方で、モメごと、争いごとを解決する能力も身につけてきた。

人とモメる力と抑える力の「バランス」を保てるかどうかの問題である。

その「バランス」が崩れてさまざまな問題が、病理として生じているのが現代

と言える。

人はモメながら育つのだ。子どもの喧嘩を黙って見ていれば、子どもたちが自

ら解決の道を探していく。大人が口を出すからこじれてしまうのだ。子どもの

持つ「可能性」を信じるということだ。子どもたちはモメても、最後はつなが

りたいと思っている。

人間は、人と人との間に生きる動物である。一人では生きていくことはできな

い。他の人との「共有」・「共感」を求めている。「社会的動」と言われる

所以である。自己を主張するだけではなく、他の人も自分と同じ存在であるこ

とを理解し合うことが大事ではないか。それには対面での一対一の対話が最善

の道あると私は考えている。「多様性」とは「個々の違い」を認め合うことで

はないだろうか。