B:仏教の歴史を学んで行く上で、大事な視点は何だと考えていますか。

A:そうですね。仏教の本流支流を区別して見分けることがポイントになる

と思います。仏教の水源はあまりにも膨大な量、つまり膨大な数の教えがあり

ます。どの教えを拠り所にし宗派が作られ、さらにその解釈によって、分流

つまり分派してきた事実を知ることが必要だと思います。

B:もう一つ大事な視点があると思います。時代背景の中で、仏教と国家権力

及び為政者との関係を見ることです。国家権力者は仏教を利用してきた側面と、

仏教者の僧が権力者に取り入り、迎合し、あるいは介入し、権力者を後ろ盾に

してきた側面を見る必要があります。それは仏教の特性ではなく、人間に内在

する特性と考えた方が分かりやすいのではないかな。

A:そうですね。仏教の現代的意義を考える大事なポイントだと思います。

二つのポイントを踏まえて、仏教の歴史を勉強していきましょう。

B:奈良時代では、仏教の宗派に南都六宗があるが、当時は、興福寺を中心と

する学問所の色彩が強かったと言われています。現代の大学のような場所と考

えられます。僧は知識階級であり、現代に当てはめると大学教授だと考えられ

る。その学問に諸派があったと考えれば分かりやすいと言えます。

A:三論・法相・華厳・律・成実・俱舎の六宗派のことですね。この時代では、

唐の学僧鑑真が著名で、日本律宗の祖、東大寺に戒壇院を設立、唐招提寺を

創立した。興福寺・法隆寺・薬師寺(法相宗)、東大寺(華厳宗)等が南都

七大寺としてよく知られているね。

B:奈良時代は、710年、平城京に遷都し、以後、平安京(794年)に移

るまでの約80年間だが、政治的にはドロドロの権力闘争時代であったと言わ

れる。奈良後期の称徳天皇の時代に、僧道鏡を筆頭とする仏教勢力が強く政治

に介入した歴史があるそうだ。

A:平安時代(桓武天皇の平安遷都から約400年)を代表する僧が、最澄

(伝教大師)と空海(弘法大師)となる。時代は、平安の「貴族社会」から、

朝廷の存在を脅かす武士が台頭し、「武家社会」へと移行し、頼朝が鎌倉に

幕府開設(1185年)から、頼朝後、実権を握った北条氏の滅亡(1333

年)に至るまでの約150年間が鎌倉時代と言われている。

教科書では、イイクニ(1192)作ろう鎌倉幕府と習ったことを覚えている

けれどね。

B:仏教において、日本では、平安末期に末法(仏の教えの効力が消え、教法

だけが残るとされる)の時代(1052年)に入ったとされている。その仏教

の流れの中で、鎌倉時代に「新6仏教」が生まれた。

浄土宗系・法然(1133~1212)の浄土宗、親鸞(1173~1262)

の浄土真宗、一遍(1239~1289)の時宗、日蓮(1222~1282)

の日蓮宗、禅宗・栄西(1141~1215)の臨済宗、道元

(1200~1253)の曹洞宗。歴史の教科書にでているね。