一昨日のテレビ番組で、織田信長が本能寺の変(1582年)前夜に、囲碁

の御前対局の観戦をしていたことを知った。対局者が初代本因坊の称号を持つ

算砂であった。算砂は織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の囲碁の師である僧と。

 大辞泉の解説によると、本因坊は囲碁の一流派。碁所四家の筆頭。安土桃山

時代の算砂を祖とし、21世秀哉まで継承。昭和14年(1939年)以降、

囲碁の専門棋士による選手権者に与えられる称号とある。現在は、毎日新聞が

主催しているのが本因坊戦である。朝日新聞主催の名人戦、読売新聞主催の

聖戦
が三大ビッグタイトルと呼ばれている。現在、大三冠の保持者は井山裕太

九段(26歳)である。私の知る過去の大三冠は、趙治勲九段(59歳)で、

25世本因坊の名誉称号を持っている。私が囲碁を覚えた頃は日本囲碁界の

全盛期で、強豪棋士として活躍した代表的棋士が趙治勲九段だった。

 この3大棋戦のリーグ入りが一流棋士の証明と言われている。今年度第40

期棋聖リーグの新システムへの変更について、大竹英雄名誉碁聖は「若い人に

いい目標ができました。皆、目の色が変わっていますよ。リーグに入ることは

棋士にとって誇りです。その参加枠が増えたんですから、大きな励みになりま

す。リーグは独特な緊張感があって、とても勉強になるんです。そういった場

で打つことが血となり肉となる。これからは特別な思いを持って棋聖戦に臨む

ことになるでしょう。全体のレベルアップにつながるし、囲碁界がいい方向に

変化していくきっかけになると期待しています。」と語る。本因坊リーグが8

名、名人戦リーグが9名から挑戦者を決定し、タイトル保持者との7番勝負と

なる。挑戦手合いは8時間2日制となっている。優勝賞金は、棋聖が4500

万円、名人が3300万円、本因坊が3200万円である。したがって、大3

冠の賞金総額は、1億1000万円となる。井山裕太世代が読んだ漫画「ヒカ

ルの碁」がある。その漫画で江戸時代の伝説の棋士本因坊秀策が一般に知られ

た。現代でも、本因坊道策の棋譜とともに、プロ棋士の研究教材になっている

と聞く。井山裕太4冠に続く若手の活躍を期待している。

 他の4棋戦のタイトル保持者は、碁聖(800万)・井山裕太九段、十段

(700万)・伊田篤史八段(21歳)、王座(1400万)・村川大介八段

(24歳)、天元(1400万)・高尾紳路九段(38歳)である。テレビで

囲碁ファンが見る早碁のNHK杯選手権者は伊田篤史八段で、賞金は500万。

このNHK杯選手権出場者は50名で、前年度の賞金ランキングが基準になってい

るので、若手の棋士が出場するのは難しいと解説のプロ棋士が語っていた。

トーナメント方式のために、優勝するには勝ち上がるしかない。近年の連覇

は結城聡九段(41歳・2008-2009)、3連覇は、結城聡九段

(2012-2014)、依田紀基九段(49歳・1998-2000)で、

連覇も難しい。伊田篤史八段の連覇を期待したい。準優勝の一力遼七段

(18歳)は今期2回戦で敗退した。

 尚、井山本因坊は今期4連覇を果たした。来期5連覇すれば、永世本因坊を

名乗る資格を得ることになる。2013年に、囲碁界史上初の六冠王を達成

している。