大学入試の新制度に関する文科省専門家会議の中間報告案が公表された。

2020年度から導入する新共通テストはコンピューターを使って、出題・

解答する方式(CBT方式)を採用する。試行を経て24年度を目標とする。

これがコンピューター時代の流れであろう。私のようなコンピューターの操作

もままならない人間は不要なのだろうか。10年くらい前に、「これからの

時代は、コンピューターと語学を道具として使えなければならなくだろう」と

生徒に言ったことを記憶している。「時代の流れ」というものだろう。

 大学入試改革は常に議論の話題になっている。大学入試は高校の授業内容に

大きな影響を与え続けてきている。定時制や専門高校で教えている時には、意識

していなかったが、普通科の女子高校(男女共学校に変更)や進学校で教えて

いた時には、常に頭の中にあったことだ。

 大学が個別に入試を行っていた時代から、国公立大学志願者を対象に、

1979年に「共通一次試験」が導入され、1990年(平成2年)から現在に

至る「大学入試センター試験」に変更された。現在では、ほとんどの私立大学

が参加し、選抜方式の一つとして利用されている。

私の中では「共通一次試験」の記憶は薄い。1999年に進学校の御殿場南高校

に転勤になってから、「大学入試センター試験」を意識するようになった。

定期試験等でマークシート方式の問題を取り入れたり、3年の後期には民間の

出版社の問題集を演習教材として授業で使っていた。この演習の授業は、単調で

内容のない授業との印象が残っている。普通科の高校は、大学入試の影響を受けて

いる。生徒の関心は、試験に必要であるかどうかである。試験に必要のない科目

や知識には無関心と言える。ここに教育と試験との問題があり、永遠のテーマと

なっている。入試改革が行われてもこの問題の解決にはつながらない。教員の多

くも実利や効率を求める成果主義の考え方が根強い。試験に必要な知識と生きる

力として必要な知識とは必ずしも一致していないのが事実と認識している。

 今日の毎日新聞によると、「中間報告では、今後若者に求められる資質・能力

として①十分な知識②思考力、判断力、表現力③主体性、協働性―を挙げ、この

学力の3要素」を多面的・総合的に評価する入試へと転換することを求めた。

国は大学入試センター試験に代わり、新たに「学力評価テスト」を入試の学力試験

として導入する。次期学習指導要領下で実施される24年度入試以降はコンピュー

ター上で解答する方式の導入を目指す。」とある。

教育先進国・フィンランドの教育改革の新教育課程の柱は、肯定的な感情を生み

出す経験、共同作業、他人との交流、創造的な活動を向上させる学習とある。

重視することは、「学ぶことの楽しさ」である。

私も、子ども・生徒が「学ぶことの楽しさ」を感じる教育が大切だと考える。

その教育を可能にする大学入試改革が重要なポイントになると、私は考える。

もちろん試験の結果や評価への意識を否定するつもりはない。ただ「その偏り

に問題があると思っているのである。