戦後70年の安倍首相談話は、物議を醸しだすことのない無難なものとの評価

と感じている。米政府が「歓迎」の意向を表明、中国メディアは村山談話からの

後退、韓国の朴大統領は「注目する」との一定の評価と報じられている。

 本日の毎日新聞・[安倍談話と戦後70年]論点で、3氏の意見が掲載された。

21世紀構想懇談会座長代理の北岡伸一氏は、「侵略」明記の懇談会に沿うとして

評価している。作家の保阪正康氏の意見は、偏った歴史観片りんのぞくとの見出し

がついている。保阪氏は「戦争の原因について、欧米諸国による『植民地経済を

巻き込んだ経済のブロック化』に求めている。それに対抗して日本は『力の行使に

よって解決しようと試みた』としているが、満州事変、日中戦争、そして太平洋戦争

はそれだけが原因なのだろうか。違う。日本国内の軍事ファシズム、超国家主義思想

の台頭があった事実、経緯が全く説明されていない。これが安倍晋三首相の『認識』

だとすると一面的すぎる」述べている。私はこの捉え方に賛成である。

 新指導要領案では、「近現代史」を教えることになっているが、歴史的事実に立脚

した教科書の作成と教員の養成に力を入れる教育行政を望んでいる。「近現代史」

を「客観的視点」で教える「必要性」を常々感じている。歴史から学ぶためには、

「偏った歴史認識」ではならないと思う。

 米ハーバード大学教授のアンドルー・ゴードン氏は、「植民地支配の責任」を避け

たと語っている。引用すると、「談話は日露戦争の勝利が植民地支配に苦しめられた

人々を『勇気づけた』と評価した。確かにそうだろう。だが、日露戦争が朝鮮半島

における日本の占領と植民地支配の始まりだったという事実を無視したことには、

あぜんとした。軍人や労働者として動員された朝鮮半島の人々の苦痛には触れなかった。

いわゆる慰安婦の女性が傷つけられたことに遠まわしに触れたが、日本軍がこの強制的

な制度を生み出したことには一切言及しなかった」とある。この指摘にも歴史認識の

問題がある。

 私が「安倍談話」を耳で聞き、文で読み、違和感を覚えたのは、やはり「歴史認識」

の部分である。全体としては安倍カラーを抑え、各方面に配慮されたとの印象を受けて

いるが。私は、歴史の「負の部分」にも真摯に向き合い、「歴史教育」を正確に行う

べきだと考える。