安保法制の議論が参議院の特別委員会で行われている。今回の安保法案に

関する「歯止め」が懸念される発言を耳にしている。

 礒崎首相補佐官の「法的安定性は関係ない。法的安定性では国を守れない」

との発言は、首相の側近の発言として大きな問題となり、参考人招致で訂正し

謝罪されたが、問題の解決にはなっていない。「法治国家」において容認する

ことはできない。このような議員が安保法案の作成に関わっているのである。

 自民党若手の武藤議員のツイッターでの発言も問題である。戦争反対の

学生グループSEALDsに対して、「戦争に行きたくないという利己主義」と非難

した。「国民の権利及び義務」に書かれている第21条を知らないのか。「集会

の自由」及び「表現の自由」である。議員としての資質に欠けていると言わざ

るを得ない。国家権力を持つ議員としての自覚がない。

 参議院特別委員会での中谷防衛大臣の発言内容に疑問を感じる。「後方支援」

に関しての質疑の中で、弾薬の定義から「核ミサイル弾道弾」の輸送も可能で

あると答弁した。唯一の被爆国として、「非核3原則」を厳守し、「核廃絶」

を世界に発信続ける責任を担うのが日本の使命である。

 安倍首相はこの問題に関して、「法理上可能」であるが、「政策上」は行え

ないとの答弁をしている。「法的安定性」とは「法理」の安定性の問題であって、

「政策」の問題ではない。「法律」に基づいて「政策」が行われるのである。

権力及び法律を規制しているのが「憲法」である。

 麻生副総理の発言もおかしい。自派の会合で、「法案が成立してから、発言

すればよい」と発言し、武藤議員のことを言っているのだが、法案が成立すれば

いいのであって国民を刺激しないようにとの趣旨であろうが、大事な「国民の

理解」の視点が見られない。

 政治家の発言や安倍首相の答弁から、「安保法案」に関する「歯止め」が

かかっているのか疑問を感じざるを得ない。この法案を白紙に戻して、今後の

「日本の安全保障」のあり方の根本的議論に時間をかける必要があると感じる。

国際環境の変化に対応する国防の論議と不戦を発信する平和国家としての日本

を維持し、国際平和へ貢献するための議論をしていかなければならない。

与党議員は、国民の代表として国政を担当しているとの「自覚」をし、国民の

声にしっかりと耳を傾けてもらいたいと願う。野党及びメディアの役割と責任

も重い。世論を煽るような議論や論調・報道であってはならない。

 被爆70年を迎えた広島と長崎の原爆の日を風化させることなく、「核廃絶」

と「平和への願い」を継承し続けなければならないと感じる。