安保法制国会審議に注目している。特別委員会の論議がNHKで中継
されている。率直に言って、論点がかみ合わず非常にわかりにくい
論戦である。集団的自衛権が行使できる場合は、新3要件が満たされ
た時の政策判断となる。「新3要件」を確認しておく。
1)我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、我が国と密
接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の
存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆
される明白な危険がある場合に、
2)これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために適当な
手段がない時に、
3)必要最小限度の実力を行使すること。
「我が国に対する武力攻撃が発生した場合」は、当然「個別的自衛権」
の行使の根拠となることに異存はない。我が国と密接な関係にある他国
に対する武力攻撃が発生し、の文言にある「我が国と密接な関係にある
他国」とは米国のみではなく、首相の答弁によると、豪州も想定される
とのことだ。つまり日米豪の3国による軍事協力関係と解釈される。
日米同盟が日本の安全保障の基軸であるので、密接な関係にある他国と
は米国と理解していたが、米国だけではないことが明らかになっている。
しかし、その点の論議は明確ではない。
「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃」が発生し、我が
国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から
覆される明白な危険がある場合とは、どんな場合なのか私には理解でき
ない。この文言が集団的自衛権行使の第1要件である。これを排除し、
我が国の存立を全うし、国民を守るために適当な手段がない時に、
必要最小限度の実力を行使すること。と文言が続く。この「新3要件」
が満たされた場合に武力行使が可能であるとし、一般には、集団的自衛
権の行使はできないと、総理は繰り返し答弁している。例外として、
ホルムズ海峡の機雷掃海の事例を挙げている。この事例が「新3要件」
にあたるかどうかは明確ではないし、例外事例を拡大すべきではない。
日本国憲法の前文には、「国民主権」と「平和主義」の理念が謳われ
ている。前文の中に「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、
われらの安全と生存を保持しようと決意した」とある。しかし、平和を
愛する諸国民の公正と信義に信頼できる国際社会とは言えないことも
現実である。
第2章第9条は「戦争の放棄」である。条文の確認をしておきたい。
「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権
の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決
する手段としては、永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、
陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認
めない。」この条文を「戦争の放棄」と「戦力の不保持」と解釈するのが、
普通の理解と考えられるが、「自衛権の放棄をするものではない」という
のが、歴代の政府の解釈である。この解釈を拡大し、集団的自衛権を可能
とする「憲法改正」(改正の言葉は適切だとは思はない)を党是としてい
るのが自民党であるが、国民はそれを望んではいない。しかし、自衛隊を
認知し、「専守防衛」を認めているのが一般的な国民の理解である。
北朝鮮の弾道ミサイル開発や中国の軍事力増大と南シナ海問題等のアジア
情勢の変化や中東の不安定な政治状況と過激派組織自称イスラム国による
残虐なテロ行為など国際的安全保障環境は悪化しているとの認識は共有で
きる。
日本の安全保障の基軸は「日米同盟」にある事実を否定することはでき
ない。米国の世界の警察力としての機能が低下するとともに、日本の果た
す役割が求められる状況になっている。軍事バランスによる「抑止力」を
強化することが日米両政府の安全保障政策である。日本政府は、安全保障
法案の成立により「抑止力」を高め、「自衛隊」の任務及び活動範囲の拡
大を目的にしている。従来の「憲法解釈を変更」して、限定的にせよ集団
的自衛権の行使を容認する閣議決定を行い、それを具体化した法案が提出
され国会審議に入ったのだ。後方支援の拡大による自衛隊の海外派遣は、
リスクが高まることを認めようとしないこと自体が理解できない。
公明党は、「自衛隊の海外派遣」に関して、①国際法上の正当性 ②国民
の理解と国会の関与など民主的統制 ③隊員の安全確保の3原則を掲げ、
特に新法に基づく後方支援は「国連決議」を絶対条件とし、「国会の例外
なき事前承認」を義務付けるなど、厳格な歯止めをかけている。「新3要件」
の厳守及び「自衛隊の海外派遣3原則」を厳格に守るべきだと考える。
一番大切なことは、紛争解決を軍事的手段に求めるのではなく、あくまで
も外交努力によって平和的な解決をはかることに貢献することが、日本国
憲法の理念であり、戦後日本が平和国家として歩んできた歴史であり、
その歩みを変えることはないことを世界に発信すべきだと考える。
日本の安保法制に注目しているのは同盟国だけではない。中国をはじめと
するアジア諸国や国際社会への軍事的脅威を感じさせない論議をすること
を願っている。繰り返すが、紛争の解決に武力を行使することは、憲法違
反であり、「戦争行為」である。また自衛権を行使することになる場合は、
「戦争」状態と認識しなければならない。その戦争を未然に防ぐために、
あらゆる外交努力を尽くすべきである。「世界の平和」に積極的に貢献す
るのが、日本の国際社会での役割と考えるのが、日本国憲法の「平和主義」
の理念である。この理念を変えるような法案であれば、絶対に賛成するこ
とはできない。
されている。率直に言って、論点がかみ合わず非常にわかりにくい
論戦である。集団的自衛権が行使できる場合は、新3要件が満たされ
た時の政策判断となる。「新3要件」を確認しておく。
1)我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、我が国と密
接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の
存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆
される明白な危険がある場合に、
2)これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために適当な
手段がない時に、
3)必要最小限度の実力を行使すること。
「我が国に対する武力攻撃が発生した場合」は、当然「個別的自衛権」
の行使の根拠となることに異存はない。我が国と密接な関係にある他国
に対する武力攻撃が発生し、の文言にある「我が国と密接な関係にある
他国」とは米国のみではなく、首相の答弁によると、豪州も想定される
とのことだ。つまり日米豪の3国による軍事協力関係と解釈される。
日米同盟が日本の安全保障の基軸であるので、密接な関係にある他国と
は米国と理解していたが、米国だけではないことが明らかになっている。
しかし、その点の論議は明確ではない。
「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃」が発生し、我が
国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から
覆される明白な危険がある場合とは、どんな場合なのか私には理解でき
ない。この文言が集団的自衛権行使の第1要件である。これを排除し、
我が国の存立を全うし、国民を守るために適当な手段がない時に、
必要最小限度の実力を行使すること。と文言が続く。この「新3要件」
が満たされた場合に武力行使が可能であるとし、一般には、集団的自衛
権の行使はできないと、総理は繰り返し答弁している。例外として、
ホルムズ海峡の機雷掃海の事例を挙げている。この事例が「新3要件」
にあたるかどうかは明確ではないし、例外事例を拡大すべきではない。
日本国憲法の前文には、「国民主権」と「平和主義」の理念が謳われ
ている。前文の中に「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、
われらの安全と生存を保持しようと決意した」とある。しかし、平和を
愛する諸国民の公正と信義に信頼できる国際社会とは言えないことも
現実である。
第2章第9条は「戦争の放棄」である。条文の確認をしておきたい。
「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権
の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決
する手段としては、永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、
陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認
めない。」この条文を「戦争の放棄」と「戦力の不保持」と解釈するのが、
普通の理解と考えられるが、「自衛権の放棄をするものではない」という
のが、歴代の政府の解釈である。この解釈を拡大し、集団的自衛権を可能
とする「憲法改正」(改正の言葉は適切だとは思はない)を党是としてい
るのが自民党であるが、国民はそれを望んではいない。しかし、自衛隊を
認知し、「専守防衛」を認めているのが一般的な国民の理解である。
北朝鮮の弾道ミサイル開発や中国の軍事力増大と南シナ海問題等のアジア
情勢の変化や中東の不安定な政治状況と過激派組織自称イスラム国による
残虐なテロ行為など国際的安全保障環境は悪化しているとの認識は共有で
きる。
日本の安全保障の基軸は「日米同盟」にある事実を否定することはでき
ない。米国の世界の警察力としての機能が低下するとともに、日本の果た
す役割が求められる状況になっている。軍事バランスによる「抑止力」を
強化することが日米両政府の安全保障政策である。日本政府は、安全保障
法案の成立により「抑止力」を高め、「自衛隊」の任務及び活動範囲の拡
大を目的にしている。従来の「憲法解釈を変更」して、限定的にせよ集団
的自衛権の行使を容認する閣議決定を行い、それを具体化した法案が提出
され国会審議に入ったのだ。後方支援の拡大による自衛隊の海外派遣は、
リスクが高まることを認めようとしないこと自体が理解できない。
公明党は、「自衛隊の海外派遣」に関して、①国際法上の正当性 ②国民
の理解と国会の関与など民主的統制 ③隊員の安全確保の3原則を掲げ、
特に新法に基づく後方支援は「国連決議」を絶対条件とし、「国会の例外
なき事前承認」を義務付けるなど、厳格な歯止めをかけている。「新3要件」
の厳守及び「自衛隊の海外派遣3原則」を厳格に守るべきだと考える。
一番大切なことは、紛争解決を軍事的手段に求めるのではなく、あくまで
も外交努力によって平和的な解決をはかることに貢献することが、日本国
憲法の理念であり、戦後日本が平和国家として歩んできた歴史であり、
その歩みを変えることはないことを世界に発信すべきだと考える。
日本の安保法制に注目しているのは同盟国だけではない。中国をはじめと
するアジア諸国や国際社会への軍事的脅威を感じさせない論議をすること
を願っている。繰り返すが、紛争の解決に武力を行使することは、憲法違
反であり、「戦争行為」である。また自衛権を行使することになる場合は、
「戦争」状態と認識しなければならない。その戦争を未然に防ぐために、
あらゆる外交努力を尽くすべきである。「世界の平和」に積極的に貢献す
るのが、日本の国際社会での役割と考えるのが、日本国憲法の「平和主義」
の理念である。この理念を変えるような法案であれば、絶対に賛成するこ
とはできない。