「労働者派遣法改正案」審議入り。

過去2回の廃案に続き3回目の審議で、政府は今国会での成立に

こだわる。改正案は同じ職場での派遣労働者の受け入れ期限(最長

3年)を事実上、撤廃するもので、「臨時の仕事」という派遣労

の性格が変わる可能性があり、労働者側や野党は強く反発している。

一方、企業は派遣労働者を使いやすくなる。安倍政権の成長戦略の

一環で経済界は評価している。

 改正案の最大のポイントは「派遣期間制限の見直し」だ。現行では

通訳秘書などの専門26業務は無期限、その他の業務は最長3年だが、

専門26業務を廃止し、「一律に3年」とする。ただし人が代われば

同一職場でも継続が可能となる。同じ派遣労働者でも事業所内で働く

課を替えれば、更に3年延ばせる。事実上、派遣を使える期間制限は

なくなる。派遣会社に無期限雇用されている派遣労働者は、無期限で

派遣先で働ける。

 今回の労働者派遣改正法案は、「臨時的、一時的」という派遣労働

制度の原則が失われる転換点となる可能性がある。この原則が崩れれ

ば、正社員の仕事を派遣社員に置き換える「常用代替」が進み、「正社員

の道」狭まる恐れがある。

「バブル経済」が崩壊し、長い経済不況、「デフレ経済」が20年以上

続いている。「デフレ脱却」が安倍政権の重要課題であり、国民の経済好転

への期待は高いが、現実の壁は厚い。一部の大企業の社員の給与が上がり、

消費拡大へとの思惑どおりにはいかない。「経済格差」が広がっているのが

現実である。労働者の9割は「中小企業」で働き、大企業の下請けである。

しかし、日本の経済は9割の「中小企業」が支えているのも事実である。

その「中小企業」で働く労働者の給与・賃金が上がる状況には至っていない。

 「労働者派遣法」は、30年前の1985年に成立し、翌86年7月に施工

された。当時、派遣は「原則禁止」で、通訳や秘書など専門性のある13

業務だけを例外的に認めていた。例外はその後、26業務まで拡大した。

 派遣制度の最初の転機は「99年の法改正」だ。当初とは逆に、建設など

5業務だけを禁止とし、「原則自由」に転換した。03年には禁止されて

いた製造業への派遣が認められるなど規制は大幅に「緩和」された。

 ただ、この時も「派遣労働は臨時的、一時的」との原則は維持された。

現在、専門26業務以外では、一つの仕事に派遣社員を使える期間を

「最長3年」と期限を切っているのは、そのためだ。

 派遣制度の企業側のメリットは、人件費の削減であり、契約解除をしや

すくしている。労働者側にとってのメリットは、何であろうか、臨時的、

一時的な職の確保としか考えられない。多くは「正社員」を希望している。

仕事の安定」は、「収入の安定」であり、それなしには「将来の設計

は成り立たない。若者は、「結婚」し家庭を持ち「子ども」を育てることが

できない。「少子化」の根本問題の解決は、ここにしかないと考える。

 「派遣労働の拡大」は、日本の将来にプラスに作用するとは考えられない

のである。私の認識、考え方は間違っているだろうか。業種にかかわらず、

正規に働く場所」があり、真面目に働くならば、それに応じた報酬を受け、

社会生活を営むことができる社会の構築にと、政治家や財界人は努力する使命

があると、私は考える。選挙の当落や経済的利害のことしか考えないのは、

リーダーとは言えないのだ。日本一国のことを考えるような国際社会ではない。

国際社会に平和的、経済的貢献を果たす日本の国家像を示し、国内外の諸問題

に真摯に対処するリーダーを待望している。