S:不定詞の基本について教えてください。
T:まず、不定詞の形から入ろう。
S:to + 動詞の原形 to doですね。
T:不定詞は動詞の働き+アルファの働きをしている。アルファの働きとは、① 名詞的 ② 形容詞的 ③ 副詞的な働きを言う。
S:① 名詞的用法から説明して下さい。
T:名詞的な働きとは、文の中で、1)主語(S)・2)目的語(O)・3)補語(C)のどれかの働きをしていることを意味する。
S:例をあげて説明してくれませんか。
T:「本を読むこと」を例にして考えてみよう。
S:to read a bookですね。
T:1)「本を読むことは大切です」英語に直しなさい。
S:1) To read a book is important.
    (S)
T:O.K. この場合、形式主語のItを最初にもってくることが多い。
S:1) It is important to read a book. ということですか。
T:そうです。この形は、頻繁に出てくる必修構文です。
  2)「私は本を読みたい」(本を読むことを望んでいる)は言えるね。
S:2) I want to read a book.
       (O)
T:3)「私が今したいことは本を読むことです」は英語で言えるかな。
S:3) That I want to do now is to read a book.でいいですか。
T:違っているね。
S:どこが違いますか。
T:thatが違うよ。関係代名詞のwhatを使えばいいのだよ。
S:What I want to do now is to read a book.ですね。
     (S)    (V) (C)
T:次に疑問詞+to不定詞の用法を学習しよう。この形は名詞の働きになる。
1) I don't know what to say.
S:「何を言うべきかわからない」の意味で、S + V + Oですね。
T: I don't know what I should say. と同意である。
2) Do you know where to get it ?
3) Please tell me when to start.
4) The problem is how to study.
S:2) それをどこで買えるかわかりますか。
3) いつ出発すべきか言って下さい。
4) 問題は勉強の仕方です。
S:② 形容詞的用法について説明して下さい。形容詞の働きは、名詞を説明することですね。
T:そうです。もう少し詳しく言うと、1)名詞の前後に位置し、その名詞の意味を限定(直接的な説明)する場合と2)補語として間接的に名詞について説明する場合がある。
S:不定詞にもその2つの働きがありますね。
T:そのことを、例をあげて説明しよう。英語に直すとどうなるか、考えるように。
 1)「私は本を読む時間がほしい」
  2)「私は君たちにその本を読んでほしい」
S:1) I want (some) time to read a book.
S V O
2) I want you to read the book.
S V O C
T:よくできるね。1) to read a bookは、timeを説明している。
 2) you とto read the bookには、意味上S+Vの関係が成り立っている。つまり、「君たちが読むこと(を)」の意味です。また後で。このことに触れるが、ここでは、1)についてもう少し深く考えてみることにするよ。
S:はい。お願いします。
T:4つの例をあげるので、英語で考えなさい。
  1)私は何か飲み物がほしい。
  2)私には助けてくれる友がたくさんいる。
  3)私には話しができる友がいる。
  4)私は彼と会う約束をした。
S:① I want something to drink.
② I have a lot of friends to help me.
 ③ I have some friends to talk to.
④ I made a promise to see him.
T:よくできるね。ここで、名詞と不定詞の間にどのような関係があるかを考えてみなさい。それが分かれば、不定詞の形容詞的用法は卒業です。
S:よくわかりません
T:難しいかもね。では簡潔に説明するよ。
S:はい。
T:名詞は不定詞とは、次の関係があるのがポイントだ。
① something to drink drink something 『意味上目的語の関係』
② friends to help me friends help me 『意味上主語の関係』
I have a lot of friends who help me. と同意である。
③ friends to talk to talk to friends 『意味上目的語の関係』
④ a promise to see him a promiseの内容 『同格(~という)の関係』
S:難しい!
T:③ 副詞的用法について説明しよう。
S:はい。お願いします。
T:次の日本文を英語に直しなさい。
 「私たちは勉強するために学校に行っている」
S:We go to school to study. です。
T:そうです。副詞的用法の代表が「目的」の意味です。
 目的の意味をはっきりさせるために、in order to do, so as to do の表現もある。
S:We go to school in order to study. ですね。
T:次は原因・理由の意味です。次の日本文を英語に直しなさい。
1) 私たちはその知らせを聞いて驚いた。
2) 君はそんなことを言うとは馬鹿じゃないの。
S:1) We were surprised to hear the news.
2) You are foolish to say such a thing.
= It is foolish of you to say such a thing.
T:Good. You are right.
S:他の意味もありますか。
T:限定・条件・結果を付け加えよう。次の日本文を英語に直しなさい。
 3)英語はマスターするのが難しい。
 4)彼女はそれを聞けば喜ぶだろう。
 5)彼女は成長して良い先生になった。
S:③ English is difficult to master.
④ She would be glad to hear that.
⑤ She grew up to be a good teacher.
T:優秀だね。別の言い方を教えておくよ。
S:お願いします。
T:③= It is difficult to master English.
④= She would be glad if she heard that.
⑤= She grew up and became a good teacher.
S:不定詞はたくさん意味があって、理解して覚えるのが大変ですね。
T:そうだね。頑張れ!
S:まだ知っておくべきことがありますか。
T:ここからが、更に大事なことだ。不定詞も動詞の働きをするので、意味的に、
「誰が~する」・「誰が~したか」が重要です。これをどう表すのか分かれば、卒業
です。
  不定詞の意味上の主語と時制の表し方です。
S:例文で説明して下さい。
T:次の二文の意味の違いはわかるね。
① He seems to be very busy now.
② He seemed to be very busy yesterday.
S:はい。① 彼は今とても忙しそうだ。
     ② 彼は昨日とても忙しそうでした。
T:同じ意味を、Itを主語にした表現を知っているかな。
S:知りません。
T:動詞のseemは、①人を主語・②Itを主語の二つの用法がある。Itを主語にすると不定詞の変化がわかる。
S:どうなりますか。
T:① It seems that he is very busy now.
② It seemed that he was very busy yesterday.
不定詞to beが、that節では、S+Vに転換されている。
S:はい。
T:不定詞が、文のVとの時間的な関係を表す形を不定詞の時制と言う。
 不定詞の時制には、単純不定詞(to do)と完了不定詞(to have done)があり、その区別が大事だ。単純不定詞(to do)は、Vと同時or未来(これからの動作)を表している。一方、完了不定詞(to have done)はVよりも前の時を表している。今度は、日本文で例をだすので、英語に直しなさい。
③ 彼は今日ここに来るらしい。
④ 彼は昨日ここに来たらしい。
S:はい。③ He seems to come here today.
④ He seems to have come here yesterday.
T:そうです。Itを主語にするとどうなるのかな。
S:はい。③ It seems that he will come here today.
④ It seems that he came here yesterday.
T:Good !
S:わかりました。
T:次は、不定詞の意味上の主語(Sense subject)について考えてみることにしよう。
S:よろしくお願いします。
T:英語の例文を出そう。
S:はい。
T:次の各文で、不定詞(to do)の動作主は誰か、わかってほしい。
① I want to do it.
② I want you to do it.
③ It is necessary for you to do it.
④ It is kind of you to do it.
S:わかります。
T:日本語に直してみなさい。
S:① 私はそれをやりたい。
  ② 私はあなたにそれをやってほしい。
  ③ あなたがそれをする必要がある。
  ④ あなたにそれをしていただいてありがとう。
T:③と④は、言い換えができるので、辞書で確認しなさい。
S:はい。③ = It is necessary that you (should) do it. (Itが主語の構文)
④ = You are kind to do it. (人が主語)
T:「私は君たちがベストを尽くすことを期待している」を2つの言い方で、英語に直してみなさい。
S:① I expect you to do your best.
② I expect that you will do your best.
T:「君たちがベストを尽くすことが大切です」を英語で。
S:① It is important for you to do your best.
② It is important that you (should) do your best.
T:不定詞の意味上の主語は理解できたかな。整理すると、
  1)S+V+O+to (do) 「Oがすること」
  2)for A+to (do)    「Aがすること(ための・ために)」
3)形容詞+of A + to (do) 「Aがするとは…」
S:大丈夫です。
T:意味上S+V(不定詞)の関係は、接続詞を使って言い換えると、形の上で、S+V
 の関係が成り立つことを理解してもらいたい。
S:はい。
T:確認のために、不定詞の時制に関する問題を出す。英語に直しなさい。
 ① 彼女は来年結婚すると言われている。
 ② 彼女は昨年結婚したそうです。
S:① She is said to get married next year.
(= It is said that she will get married next year.)
  ② She is said to have got married last year.
(= It is said that she got married last year.)
   (= They say that she got married last year.)
T:Very good ! そこまでわかれば, 不定詞の基本は卒業です。

<原形不定詞>
T:原形不定詞に関してポイントを説明しておく。
  知覚動詞( see, hear, feel, etc)・使役動詞( let, make, have)がVの時
  S+V+O+原形不定詞( do )の構文になる。
S:知覚動詞の例で教えて下さい。
T:次の日本文を英語で表現しなさい。
  ① 昨日彼がその店に入っていくのを見たよ。
  ② 彼が他人の悪口を言うのを聞いたことがない。
  ③ ちょっと前に家が揺れるのを感じた。

S:① I saw him go into the store yesterday.
② I've never heard him speak ill of others.
③ I felt the house shake a moment ago.
T:see, hear が受動態の時に注意することがあるよ。
S:それはどういうことですか。
T: toの点滅とか言われているけど, be seen ( heard ) to doのように原形から
  to不定詞に変化することです。
① He was seen to go into the store.
② He has never been heard to speak ill of others. {現在完了受動態}
S:使役動詞の例を教えて下さい。
T:次の日本文を英語で表現しなさい。
  ① 親は私を大学に行かせてくれた。
  ② 親は私を就職させた。
  ③ 私は先生に作文を直してもらった。
S:① My parents let me go to college.
② My parents made me get a job.
③ I had my teacher correct my composition.
T:Oと原形に意味上S+Vの関係があることを確認すること。
  また, 上記のことを一般動詞を使っても同じような意味を表わせる。
  ① My parents allowed me to go to college.
② My parents forced (compelled) me to get a job.
③ I got my teacher to correct my composition.
S:使役動詞は受動態がありますか。その時, 原形は変化しますか。
T:知覚動詞の場合と同じです。使役動詞の受動態は, ただひとつ, be made to(do)
  を知っていればいいのです。②の場合, 私の意志ではなく,「私は就職させられた」
ことになる。
1) 使役動詞 I was made to get a job.
2) 一般動詞 I was forced to get a job. (私は就職しなければならなかった)
1)と2)は同じ構文になり, 基本的な意味の違いはない。要するに, 知覚動詞や
使役動詞は動詞の中で, 語法的には例外なのです。
S:基本動詞として大切ですね。

<慣用表現>
T:次に不定詞を使った慣用的な表現の学習をしておこう。
S:まず, その中で必修の表現を教えて下さい。
T:3つの重要な表現を学習していくよ。英語に直しなさい。
  ① 彼女は私を手伝ってくれるほど親切です。
    (彼女は親切だから私を手伝ってくれる)

  ② この本は私が理解するには難しすぎる。
    (この本は難しすぎて私には理解できない)
③ 私の姉は大学に入るために努力しました。
S:① はenough to doの構文ですね。
    She is kind enough to help me.
= She is so kind as to help me.
= She is so kind that she helps me.
② はtoo ~ to doの構文ですね。
This book is too difficult for me to understand.
= This book is so difficult that I can't understand it.
③ はin order to doの構文ですね。
My sister worked hard in order to enter a university.
= My sister worked hard so as to enter a university.
= My sister worked hard so that she could enter a university.
T:次は、不定詞の慣用表現be+to不定詞を学習しよう。
S:複数の意味がありますね。
T:1) 予定2) 義務3) 可能の意味だね。
S:例文でお願いします。
T:① They are to get married next month.
② You are to hand in your homework.
③ Not a star was to be seen in the sky.
S:① 二人は来月結婚する予定だ。
② 宿題を提出しなければならない。
③ 空には星がひとつも見えなかった。
T:① They are going to get married next month.
② You must hand in your homework.
③ Not a star could be seen in the sky.
最後に、原形不定詞の慣用表現の学習をする。
① can't but (do) 「~せざるをえない」
I couldn't but laugh at his jokes.
② do nothing but (do) 「~してばかりいる」
She did nothing but read a book all day.
S:① 彼の冗談に笑わずにはいられなかった。
② 彼女は一日中ただ本を読むだけで何もしなかった。
不定詞は学ぶべきことが多すぎますね。大変です。
T:だから、高校生には、高いハードルと言える。しかし、越えなければならない。