元同僚と、1年半ぶりに会い、話しをした。話しは約4時間に及んだが、話しは尽きない。二人には、7歳ほどの違いがある。出会いは10年くらい前と記憶している。静岡県立御殿場南高校在職中である。その人の名前は、岩田眞光さん、国語の教師だ。昨年退職され、お互いに時間の余裕は、充分にあるが、私の体調不良のために、半年前に電話があった時に、会って話すことができなかった。私の体調がやや回復したので、話しをしたいと思っていたタイミングで、昨日電話があり、岩田宅に出かけて会い、話しをする機会が持てた。お互いの歩んだ人生を率直に語り合った。お互いの心に響く言葉のキャッチボールができると、感じ合っているからだ。話しは、受容力のない人とは、深い話しはできない。
理解し合えないと話しはすすまない。私の身近には、話しができる同志がいる。その人とは、時間を忘れて話しができる。私には、話しができる学生時代の親友が数人いる。その友とは、なかなか会う機会を作れないが、最近、メールで連絡を取り、携帯を使って話しをしている。私の教師生活で、趣味を通じた人間関係はあるが、深い話しをする人は、ほとんどいないと言ってもいい。近いうちに、2歳年下の元の同僚の友と話しをする予定になっている。彼とは話しができる。対話は、お互いの触発である。
二人は、相手の話すことを聴き、自分の思いを話すことができる。このような話し合いができる関係は、すでに述べた。共に語ったことは、教員としてスタートした頃のことや教師としての歩みの活動経験及び中学・高校時代のことなどだ。一方が話し手に、もう一方が聞き手になり、発信と受信の繰り返しのなかでの話しの仕方だ。お互いの思いと経験を本音で語りあった。とても有意義な時間であった。時間の経過を忘れて、相手の心に届く言葉での対話であった。
私の岩田さんに対する見方は、個性の強い人間性にある。彼の個性を形成するものは、読書にあると、さらに言うと、子どもの頃からの読書の質と量だと認識していた。読書によって、心が啓発されることだ。ここに世界の良書を読む必要性がある。読書が、彼の最大のバックボーンであると思う。一方、私には、全くその部分が欠けている。私自身も個性が強い人間だとは思っている。私は、大学においても、学問と言える勉強はしていない。しかし、いかに生きるか、「人間とは何か」を宗教を通じて、大学時代に学んだ。そのことが、私のバックボーンになっている。また、私は「経験は良師なり」の言葉を好む。お互いの歩みは、全く違うが、人間に対する視点には、共通する。教師としての実践においても全く違うが、お互いに、自分の個性を発揮してきたと言える。共に、教師としてのスタートした3年間の経験が、その後の教師生活の土台になったことも共通している。その経験の内容は違うが、困難な状況を乗り越えることで、培われた経験である。それは、他の教師に対する見方にも表れている。教師の在り方にも触れた話し合いだった。これからも、さらに深く話しをしたいと願っている。


岩田さんから一冊の本をいただいた。その本は、今年の6月発行の自費出版された貴重な本である。 
「青春百歌」岩田眞光編 創英社/三省堂書店。2004年度~2008年度の静岡県立御殿場南高等学校生徒短歌集です。「創造的表現活動」実践記録集でもある。ここに出てくる作者の生徒の中には、私が英語を教えた生徒が入っている。その生徒の名前を見て、懐かしさを感じている。とても良い生徒たちだった。この本の序をそのまま引用して、紹介します。
 短歌は歌である。人はだれでも歌を歌う。鳥も花も命あるものはそれぞれにふさわしい歌を歌う。風も光も歌を歌う。日本列島に住み着いた人々は、それら自然の声を聴き、人間の心を見つめ歌を歌ってきた。千年二千年という長い歳月をかけて、心の表現にふさわしい自分のふさわしい日本語を求め、ことばを磨いてきた。自分の心にふさわしい自分の歌を歌う。そのために先人は短歌に工夫を凝らし、それぞれの時代の心にふさわしい表現を求めてきた。だから日本語はとりわけ短歌として表現される時、最も美しく最も生き生きとした表情を見せる。
 授業で短歌の創作をすると、思いがけないような作品に出合うことがある。心の成長と言葉は密接に結びついている。心が成長することで言葉が深まり、言葉が深まることで心が成長する。自分では気づいていないかもしれないけれど、君たちには短歌の形式を満たすだけの心の成長がある。青春という“今”にふさわしい表現、自分らしい表現、自分らしい歌を歌えるということは無条件で素晴らしいと思う。※『青春短歌集・第一集』より
私の感想を一言で表現すれば、“生徒の素直な心”の表現集である。卒業生の目に触れられることを願って、紹介しました。

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〒410-1115 裾野市千福が丘3-4-1 岩田眞光