紅蓮の炎に焼かれた[面喰い]がもがき苦しむ姿に消滅したと核心して三人は安堵の表情を浮かべる。

それから幾年月あの忌まわしい事件も過去となり人々の記憶から忘れ去られた。

そんな頃南米チリで惨殺された男性の遺体が発見されたが現地では古くから未確認生物(UMA)チュパカブラの仕業に間違いないないと現地の人々は信じて疑わなかった。

しかし顔面の損傷のみで他にこれといって致命傷と思われる傷がない事を皆不思議に思っていた。

その数は次第に増え全世界にまで広がり始めて異様な光景がニュースショウや情報番組に取り上げられるようになると一気に犠牲者は増え始めた。

靖子の怨霊は[面喰い]の体を捨て隠れ家の埋葬された墓地棺おけの中で深い眠りについていたのだ。成仏できなくても祟られる心配は皆無のはずだった。
「これを食らえ」佑介の金切り声が闇に響く必至の形相額に汗が滲む。闇に蠢く影の正体は紛れもなく[面喰い]と化した靖子とあの時射殺された雌ライオンを取り込み獣に擬態した恐ろしい姿であった。

その影はいつの間にか消え失せだが佑介の正面にいた小春はまた目を閉じた。中から恐ろしい呻き声が聞こえ始めると空間を支配し凄まじいエネルギー磁場を持って小春の周りにバリアを作っているように見えた。

ここで全てを終わらせようと捨て身で小春はまた今度は靖子を我が身に憑依させたのだ。

小春の思いを察してこのチャンスを潰すわけにはいかないと考える。紫外線ライトも試したが案の定届かない。

佑介と謎の除霊師は小春の体を太陽の光に浴びさせ[面喰い]の息の根を絶とうという考えで一致した。

そこで暗がりに浮かぶ様々な硝子の中の景色を手当たり次第に見て回りようやく風景画のような景色の一枚に辿り着いた。

そして小春をそこまで運ぶとそこは眩しい程の日の光で満ち溢れていた。そこに彼女を静かに仰向けに横たえて暫くすると黒煙とともに中の靖子の[面喰い]は苦悶の声をあげ消滅していった。

靖子の呪いが解け病室に戻った三人には厳しい局面に打ち勝ったことで誇らしい表情とともに悲運の死を遂げた万里子に弔いの念を新にする佑介だった。

靖子の怨霊が消滅したことで全ての呪いが解け[面喰い]は姿を消し街には哀れな犠牲者の残骸だけが虚しく狂気に満ちた[面喰い]の所行を都市伝説として語り継ぐことも無くなりいつしか忘れ去られた。
身の丈程もあるその大鏡はやがて縦中心を軸に右回転を始めブラックホールのような黒い闇がぽっかり現れ凄まじい勢いで3人は吸い込まれてしまった。

謎の除霊師と佑介また小春は意識を取り戻した。どうやら除霊は成功したらしく[面喰い]と化した敏子の霊はありがとうの笑みを浮かべ静かに天に召された。

安堵の表情を見せる除霊師。小春と佑介も顔を見合わせ一つ息を吐いた。

しかしここは[面喰い]靖子が作り出した暗黒の鏡の中の世界鈍く光る大小無数のガラスには外の現実の世界が見える。どうやらここから全ての鏡を抜けて自由に行き来しているようだ。

現実の世界では靖子の呪いで増強された敏子の[面喰い]により呪いをかけられた犠牲者は次の獲物を求めて一人歩きし始めている。

それは次々と伝染し遂に[面喰い]と化した犠牲者の中から人の目も憚らずバリバリと音をたてながら食らうモノまで出現。泣き叫び逃げ惑う人々
を後目に犠牲者の顔面にカブリつく。

通報で駆け付ける警察官、救急隊員、報道関係者など逃げ惑う人々とともに進化した[面喰い]の犠牲者となり遂に街は呪いの闇に没して逝く。

一方、佑介達が閉じ込められた鏡の中の世界では新たなバトルが勃発。佑介の背後に音もなく忍び寄る。血生臭い叫びに振り向くと手に取った紫外線ライトを照射した。
一転俄に掻き曇り穏やかな月夜は一変渦巻く旋風にそして打ち付ける大粒の雨に窓ガラスが割れそうな嵐に見舞われた。

雷光が青白く尖った剣のように病室の空気を切り裂き閃光に魔物の姿が投影され呻き声は更に大きく地響きとなって建物を揺らす。

格闘すること暫し霊媒師の力と小春の援護で遂に力尽きたかすっかり大人しくなったもう一息という正にその時一枚の鏡が床から湧き出すように現れた。

to be continued...
二人にはある作戦があり敏子を坂口靖子の呪いから解放し成仏させる。

先ずは小春が捨て身で敏子を自身に憑依させ身動き出来なくさせる。

その状態で遠縁の男性除霊師の力で靖子の呪いから解放して早く成仏させてあげるというもの。

除霊が始まって意識の戻らない小春の体から抜け出せなくなったその怨霊。

呻き声をあげもがき苦しむまさに今繰り広げられる死闘は現実に起こっている。目の当たりにして息を呑む佑介だった。