りかはあのロケ班の中の唯一の生存者。とは言え彼女も消息不明になっていた。

自分を映し出す鏡と謎の女性。りかは困惑していたがやがて悟った。ある朝目覚めると自分の体が坂口靖子の姿になり精神まで乗っ取られていた。坂口靖子その者だった。

佑介も謎の除霊師も小春もそれを知る術はなかったが近くで起きた雑居ビルの火災現場を取材しているライブ映像に見覚えのある人物を見つけ出す。

佑介は最初目を疑ったが紛れもなく火葬されたはずの坂口靖子だった。

火災に見舞われた雑居ビル地階食堂の厨房で働く逃延びた男性は熊のような怪物に襲われたと話しパニック状態だったらしい。こんな街中に熊は出ないでしょう。

困惑する警察とは裏腹に熊のような怪物そして坂口靖子らしき女性の出現に[面喰い]の出現を核心し二人に伝えた佑介だった。

番組リポーターとして参加していた立花りか(22)はどうせ口濁しの茶番と気にも止めずにいたが制作スタックの謎の死を聞くにつれ次第に恐怖を覚えるようになっていた。

番組は放送間近でお蔵入りになり別の特番に差し替えられたが実はサブリミナル効果を狙い坂口靖子の白骨死体の画像が差し込まれていたのだ。

地方のローカル局だったことから目にした人はわずかだったがそれを見ていた数人は[面喰い]と化した。

怖い話しが大好きな短大生鈴木春彦(19)もそんな一人番組が急遽取り止めになったことを知るよしもなかった。

彼はバイト帰りに見ようとパソコンで録画予約をしていたが番組名が違うことに気付くと落胆し見る気も起きずごみ箱に移動してしまった。

その後経緯は不明だがその番組が加工され無料の動画サイトにアップされると瞬く間に拡散した。

ネットを介して世界中に蔓延すると思われた[面喰い]だったが広がり過ぎたため靖子の怨霊は弱体化して暫くすると姿を消し平穏な日常がまた戻って来た。
都市伝説に興味を抱き遊び気分で肝試しと称し過去の事件を掘り返す輩も少なからず。

ある地方局のバラエティ番組の企画が通るとその最悪のシナリオは動き出した。

[あの都市伝説は今 面喰いの呪いは本当にあった!]

視聴者の興味をそそるような謳い文句で深夜のロケが 始まった。

坂口靖子の眠るその墓地は郊外のベッドタウンに添うようにあり宅地開発の請け負い業者がお祓いをし一つ一つ丁寧に墓を掘り返す。

遺骨は火葬され遺族の元へ引き取り手と連絡がとれない遺骨は近くの住職がみる事を申し出引き取られる事になり靖子の遺体も荼毘に臥された。

用意周到に計画された番組ロケ班は間隙を縫って深夜まんまと坂口靖子の遺体との対面を果たし貴重な全身の映像と画像を手に入れてしまった。