目的は英語ではない | 通じる、英語力

通じる、英語力

中高6年間、英語を勉強。オーストラリア留学経験あり。
それでも“話せない”36歳男性が一人の英会話教師と出会い、
日常会話をマスターするまでの6ヶ月のストーリー。

レッスンも終わりに近付き、いつものように机の消しゴムのカスを払い、

黒網のケースにシャーペンと色ペンを片付けようとする僕にウーシャは言った。


「英語自体や英語を習う事が目的にならないようにして下さい。」

手を止め顔を上げた僕に尋ねる。

「英語を勉強する目的は何ですか?」


「えっと、上手く話す事です」と当たり前のように答えると

「本当にそれが目的ですか?

 何のために英語を使いますか。」


そう言われてハッと気付いた。

上手く話す事じゃない。

相手とコミュニケーションを取る事だ。


「そうです。目的を間違えないようにして下さい。

 英語自体はあくまで手段です。

 そう考えると、文法が間違っていても問題ないですね。

 Youの好きなゴルフと一緒です。

 クラブの見た目が悪いとか、ボールの色とか、ゲームには関係ない。

 うまくやるのが目的、道具は手段。

 コミュニケーション取るのが目的。英語は手段、です。」


「はい」もっともな事に改めて気付かされて、それしか言えなかった。

「ただ、目的を目指すためにはルールを守らなければ近付けません。

 そのためのルールがクラブの使い方であり、英語で言う文法です。」