通じる、英語力

通じる、英語力

中高6年間、英語を勉強。オーストラリア留学経験あり。
それでも“話せない”36歳男性が一人の英会話教師と出会い、
日常会話をマスターするまでの6ヶ月のストーリー。

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それ以来、僕はゴルフやプレゼンテーションなど自分に興味のある

分野をYoutubeで検索し、英語を聞きながらスクリプトを

読む勉強も取り入れた。


しかし、日々の無理のない範囲での積み重ねが大切なので

あくまでトータルの勉強時間は1日15分ほどだ。


時は過ぎあれから、半年経つ。

ウーシャとの時間はより濃いものとなり

僕は今、通い始めた時より格段に英語に対する自信がついている。


今まで数々の教材を使った勉強法や色々な先生とのやり取りの中でも

上達しなかった英語力が確実に身に付いている。

それらはひとえに、「教材を使わず自分の表現で考える」や

「できるだけシンプルに伝える」など、独自のメソッドによる所が大きい。


これらは全て、ウーシャが豊富な経験や研究から産み出したものであり

英語に困っている全ての人に伝えたいメソッドだ。


今年の秋、家族で海外に行く計画を建てている。

その機会に今までしてきた事を試せるのがとても楽しみであり、

こんな感覚はかつてなかった事だ。


「リアリー!?」その後に今の僕は無数の表現が想い浮かぶ。

それらは元々知っていた単語であり、同時にすぐに使えなかった単語でもある。

海外で困らない英語力を駆使する自分にワクワクしながら


英語力を高めたい全ての人に、この方法をお勧めして終わりにしたいと思う。




一日の終わりには決まって、ウーシャの発音を録音した

ファイルを聞く事にした。


スロースピードとノーマルスピード、自分で作った文章が

良い教材となって何度も繰り返される。

既成の教科書や作られた文章にはない、自分色の表現だ。


だから頭に入る。

「いきなり英語だけで勉強するのは、かっこいいですが

 現実的には無理ですね。」


ウーシャが繰り返しそう言っていたのを思い出す。

確かに初心者ほどネイティブスピーカーから教わりたくなるものだが

実際には日本語の微妙なニュアンスを教えられる人から学ばなければ

前には進まない。


この「ニュアンスの違い」を勉強するには読む、つまりReadingしかない。

例えば【fun】と【enjoy】は日本語にするとどちらも【楽しむ】だが、

【fun】はやって楽しむ、【enjoy】は観たりして楽しむというニュアンスらしい。


そう言った事はネイティブには当たり前であってもそうでない人には理解しにくい。

だからこそ、英語と日本語両方わかる人から聞くのが一番の近道なのだ。


「Readingと言っても、漠然とよんでいても力はつきません。

 ですから自分の興味があるもの、例えばYouで言うとゴルフの話題などを

 読むようにして下さい。そうすれば自ずと読みたくなります。

 良い教材はその人にとって興味のあるもの、です。」




会話そのものだ。

相手が話している事を聞き、理解し答える。

そこに待ったは存在しない。


また、意味を聞き取れない事はそのまま会話の終了を意味する。

よほど気長な人か、もしくは英語の先生でなければ

こちらが会話を理解するまで待ってくれないのだ。


その事をワーキングホリデーを通して痛感している僕は

いよいよ始まるこの会話の練習に胸を高鳴らせた。

「わかりました!」


そう言って急いで教室を出る。

この日一番の打ち合わせまでそう時間がない。


車のハードディスクに入れられた英語のリスニングCDを

かけ、自分自身でその会話を繰り返しながら

海老塚で事務所代わりに借りているアパートへと向かった。


教室に入る前は曇って薄暗かった景色が、

空を遮るものが消え去り

いつの間にか明るくなっていた。


青い空、澄んだ空気、そしてこうして好きな事がやれている

その環境に改めて感謝しながら、横に借りている屋根付きの駐車場に停める。


いつか、日本と海外を行き来する生活がしたい。

そんな日を夢見ながら、今日も1日が始まった。




結果、How are you?と聞かれて、調子が良くなくても

I‘m fineとしか返せない、とウーシャは少し笑いながら言った。


その他の宿題を同じようにチェックしてもらい、録音していく。

その中で改めて気付く、それは

“自分で作った文章だから頭に入りやすい”という事。


ネイティブスピードで話される声はやはり中々聞き取りにくいのだが

それでも少し注意を傾けると、耳に入り頭に入ってくる。

なぜならそれは基本的には自分で作った文章だからだ。


・自分で文章を作る

・先生にチェックしてもらう

その過程でまず自分との違いに気付き、表現が自分のものになる。


・その文章を読み上げてもらう

・何度も繰り返し聞く

そうする事でリスニング力とスピーキング力があがり

自分の表現が会話で使えるようになる。


「次までの宿題は、」

ノートの下の空いている所にhw(ホームワーク)と赤で書き、

その横に続けた。


“文に対して反応する reaction

(疑問文に対してだけでなく答えを言う)”


その練習はつまり-




「しかし、100%と言っても単語を全て聞きとる、

と言う事ではありません。

単語は1つや2つ、聞き取れなくてもOKです。

ですが、意味を聞き取れなければ0点です。」


そのためには、目で見ていてはダメで、とにかく耳で意味を把握する

練習をする事だ。


目的は、綺麗に書いたり話す事ではない。

文法や単語を気にする事でもない。

「その目的を明確にしていないから、みんな時間とお金を

 すごく無駄にしていますね。」


ウーシャはそう言って少し悲しそうな表情を見せた。

本人は一生懸命頑張っている、でも努力の方向が間違っている。

だからあまりタメになっていないし、ネイティブの早口の会話が聞き取れない。


まさに僕自身に当てはまる事と言える。

「勉強方法で1番良くないのは、、、」

ウーシャはそう言って少し前のめりになった。


「先生が決まった一つの答えを書いてしまう事、です。

 例えばHow are you?と聞かれて

 I‘m fineと答える。」


中学の時はこういう練習ばかりしていた。

「こういう勉強方法をしていると、暗記したものしか会話で使えません。」