ミステリーが好きで時々読みます。

この小説も「探偵」という字面から手に取り、あらすじでいわゆる「日常の謎」っぽいなと思い買いました。

が、

ちょっとこれ推理部分弱すぎでは…?

 

*以下ネタバレ注意

 

 

 

まず最初のエピソード。

主人公の勤務先である洋菓子店に、毎日女の子が訪れるようになります。

女の子はあるお菓子を探しているようですが、女の子自身にもそれがなんのお菓子かわかりません。

わかるのはそのお菓子から「楽しそうなにおいがする」ということ。

そのお菓子とは一体…

 

みたいな感じの内容なんですが…

後出しがひどい。

 

探偵役が

「そのお菓子は⚪︎⚪︎に違いない」

と推理します。

その洋菓子店では「⚪︎⚪︎」を買った際に、「お店独自の仕上げ」をしており、その際のにおいが女の子の探しているにおいだと考えたからです。

 

この「独自の仕上げ」。

これがその推理披露時まで1文字も出てこなかったんですよ。

急に「実はお店には独自の仕上げがあって〜」みたいに出してこられても、読んでるこっちはポカーンって感じなんですが。

というか、読者に対してフェアではないですよね。

それともケーキ職人なら知っていて当然の知識なのか?という疑問も、そのお店独自の仕上げという時点で違いますからね。

その洋菓子店で働いてる主人公にとってはフェアなんだろうけど、こっちは知った事ではないし。

なんていうか、その物語の中のそのお店に関わる人たちだけに通じる内輪推理というか…

 

このエピソードだけではなく、他もちょっと……。

というか、後出しがひどかっただけで、最初のエピソードがミステリーとしては一番まともだった感まである。

後出しさえなければ「うーむ……」と思いながらもまあ納得できたかも?

 

という感じで、ミステリーというにはあまりに推理が弱すぎるのでは?とモヤモヤしてしまったので書いてしまいました。

私は作中の推理を読んで「なるほどー」とか「確かに」とか感心したいタイプなので、ちょっとこの作品はそういうのがなかったなーと。

余命ものとしてはいいのか?

あんまりその手の小説を読まないのでよくわからないです。

もしかして、「余命」部分がメインで、探偵を強引に付け足したのか?なんて思ったり。


いや、別にミステリーには必ず推理あるべし!と思ってるわけではないんですが。

謎があってそれが解決すればミステリーだとは思う。

でも、「探偵」とタイトルにつけるならちょっと弱いかなーと思う次第です。